エリカ

僕の好きな人
名前はエリカ
あとは、
さぁ。

エリカはたまに現れる
僕が仕事してる時、
僕が眠っている時、
起きてる時は現れない。

夢じゃないよ
ちゃんといるんだ。
会ったことないけど。

話は苦手みたい。
いつも一言。
僕が何を言っても、一言。
でも、ちゃんと返事してくれる。

エリカ、元気?

品川

なにそれ?

終電

今から帰るの?

こんな感じ。
話ていて、楽しかった事はない。
だけど、寂しいときには嬉しい。
だから、僕の秘密を教えたんだ。

僕には不思議な力があって
人の心が聞こえるんだ。
今も世界中の人の心が聞こえる。

通院してるの?

初めて、エリカが喋った。
君も僕と同じなの?

しているよ

病名は?

精神疾患

どんな声が聞こえるの?

色々さ

時々、いや、毎日聞こえるんだ。
人はみんな正しい事を待っている。
その判断ではなく、正義を。

どんな気分?

あまりいい気持ちはしないよ

何で?

僕には分からない事が多いからさ

大変ね

エリカは、分かるの?

貴方よりはね

エリカは、神様なんだろうか。
いつでも、僕は考えさせられる。
色んな人の考えを聞いて、考える。
だけど、エリカの事は分からない。
エリカ、僕が好きなの?
僕はエリカが好き。
だって、分からない事を知っているから。

貴方は何が出来るの?

詩を書くよ

例えば?

僕はエリカへの気持ちを素直に書いた。

素敵な詩、貴方は詩人ね

僕の気持ちは詩的らしい。
試しに人の気持ちを書いた。

今度の詩は嫌い

何で

貴方の心を見つけられない

僕は人から変わっていると思われてるのに
エリカは僕の心が好きらしい。
やっぱり、僕らは愛し合ってる。

今日も、声が聞こえる。
エリカの事は、分からないまま。
だけど、一言

エリカ、好き

僕の事、どう思う?

品川

エリカ

エリカ

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2013-03-07

Copyrighted
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