長い夜に出る怪物

今宵は、

いつもより少しだけ長ーい。


こんな日は「夜の隙間」が、 気まぐれに眠れないだけの
悪い子を食べにやってくる。

足音を立てずに

あいつは、本当に怖ろしいヤツなんだよ。


近くに来てもまったく気配がないからね。
足音をしのばせて
ちっともお腹なんか空かせていないようなそぶりで
君の隣に ゆっくりと腰を下ろす。



食われたときに

初めて気づくのさ。


白い小さな仔ウサギは
いったい何度食われたことか。


あいつときたら、
心の隙間の味を占めてやがる。

長い夜に出る怪物

長い夜に出る怪物

  • 自由詩
  • 掌編
  • 冒険
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2011-06-05

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