カラダが



恋をすることにした。

ハニー、君への尊い気持ちのほかに 何もいらないのだ

欲しいと思うことは


全部捨ててきた。

いらないのよ。

「あなたがほしいのよ。」


あたしが
  手に入れた 
    何よりも優れた能力は



いらないものを
捨てちゃうこと


大切だって思い込んでたものは



人ごみの中に、

端から端まで 気が済むまでかぶった 帽子の中に、

文房具屋で見かけた、かわいらしいノートの隙間に、

夜になったら氷に変わるだろう 雪解けの水溜りのなかに、



「きちんと」。

おいてきた。


積もってきた過去と未来とがごちゃごちゃになった
今を整頓するために、
次の月曜の燃えるゴミの日には
いらないのに捨てられなかったものを。



春が来ちゃうよ。


日々変化してるのにさ、

気づかないうちにおいていかれちゃう。



恋を、

することにしたの。


自分に魔法をかけることができるでしょ。


欲しいものが、


はっきりとするように


いつでも
身軽でいたい。

カラダが

カラダが

  • 自由詩
  • 掌編
  • 青春
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2011-06-05

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