オジサンだって恋をするのさ・・・

それは私が、どうしようもないほどの心の寂しさを埋めることができず、このまま生きて
いて何か意味があるのだろうか。などと考えながら、藁にもすがる思いで、街を彷徨い
歩いていた時からの出来事であった。

遊びのつもりが・・・

その心の寂しさは、10年連れ添った愛犬の死。お互いを理解出来なくなった夫婦関係。
身内の死。身内のうつ病。と色んなことが同時におこり自分自身のキャパを超えてしまい
心が処理しきれなくなっていて、病院に行けばきっと、うつ病だと診断されると思い、強
く自分に言い聞かせた。自分の心は病んでいない。ただどうしようもなく寂しいだけなん
だと。周りを見渡すと結構多くの人がうつ病で会社を休んでいたり、もう何年も出社して
いない人もいた。共通しているのは、自分がうつ病だと認めてしまっていることだろう。
そもそも心の病なんて定義が曖昧だ。何でも病気だと診断して医者が儲ける仕組みを作り
たいだけなんだと思い自分には何の関係もないことだと思い込むようにしたが、実際には、
死んでしまおうと思い行動にはいる寸前で、貯金を使ってからでもいいじゃないかとなり、
そして、どうせなら存分にSEXでもしてからでもいいじゃないかと思い、川崎は堀之内に
たどり着いた。

そして「あやな」と言う女と巡り会った。正確には予約して指名したのである。彼女は、
世間で言うとこの遊女。そう彼女はソープ嬢。 世の殿方は、色んな目的で行くのだろうが、
私は16,7年セックスレスだったのでご愛用していた。っと言っても年に1,2回来る
か来ないかであり、はまっていた訳ではない。しかし自分にテクニックが無いことはわか
っていた。SEXは自慰行為の延長としか考えていなかったから、女性をよろこばせることに
うとかった。勉強不足だったことは否めない。

いつもはフリーで入って女の子を写真で決めて、次は必ず違う子にしていた。指名するな
ど考えたこともなかったが、ある時気になる子の写真が目に入った。すかさず、この子に
したいと店員に申し出ると4時間後との回答であきらめた。次もフリーで入って写真のこ
の子と言ったが、結果は同じだった。こうなると、是が非でも会いたくなる。そして初め
て電話で予約した。案外簡単に予約はとれた。そしてご対面。第一印象は、こんなキレイ
な人がソープ嬢なのか?と思うほどの美人だ。どことなく松雪泰子に似ていて、体のライ
ンはモデルといってもいいほど、とてもキレイだった。
唯一欠点があるとしたら、胸が少し小さいことくらい。しかし、尻フェチの私にとっては、
小ぶりな胸もまたいいと思った。何よりも魅力的なのは唇だった。キスをしたくなる唇と
言ったらいいだろうか。そして子供2人を産んでるとは思えないヒップライン。後から子
供がいると聞いて、正直ショックだった。それは、子供がいるか・いないかくらいお尻を
見れば絶対にわかると自信をもっていたからで、見抜けなかった自分の勉強が足りないの
か、いや違うきっと奇跡のお尻なんだと思い。彼女にそのことを話したら、照れくさそう
だった。ダンスの先生だからかな。とまんざらでもなかったようであった。

ソープランドの醍醐味はやはりマットプレイだから、なんの躊躇もなくマットを選択して
いた。それは夏のことだった。彼女は昨年の12月から働いていると言っていたが、やは
り冬は暖房をつけててもマットは寒いと言っていた。秋なのに私も寒いと思ったのと、や
はりマットは受け身だから攻めることが出来ない。そんな自然な流れからいつしかベット
を選択していた。キスをしてワキの下から胸へ乳首を丹念になめてそしてクンニへ彼女が
イキそうになるまで続け、指でも中を同時攻撃していたが、最後までイった顔を見ること
はできなかった。
彼女が風邪をひいて咳をしながらも出勤したときは、チューすると風邪がうつるよって言
ったので、私にその風邪を頂戴と言ってキスをした。何度も言うが彼女の唇を見てキスを
しないなんて選択はあり得ない。それよりも風邪で体温が高かったからか、愛撫からSEX
に移り彼女に乗ってもらい、自然に座位に変化したときに衝撃が走った。密着度の高い体
位だとは思うが、あまり経験したことのない体位だった。彼女の体温を感じる密着度とち
ょっと淫らな彼女を鏡越しに見ていたら、初めて感じる領域へと足を踏み入れた。あまり
にも気持ちが良くて果てた後も余韻が残り意識が朦朧としてしまった。記憶が飛びそうに
なった。女性の絶頂に似ていた。

最初はそれが何なのかわからなかったが、SEXに関する電子書籍をのぞいてみると、そこ
には愛情が加味されて初めて味わえるものだということがわかった。女のエクスタシーは
聞いたことがあるが、男にもあるのか?と最初は思ったが、自分自身が体験したのだから
事実以外のなにものでもない。不覚にも恋愛感情をもってしまったことを初めて自覚した
のである。確かに今まで好きな女性とSEXをしたこが無かった。SEXがこんなに気持ちいい
ものだなんて知らなかった。そのことを彼女に話そうとしたが無理だった。そんな話はこ
の世界に必要ないからだ。

一オクターブ高い声でしゃべる彼女の笑顔をみているだけで、幸せな気持ちになれて、
またそれを見たくて会いにいく。そんなことを繰り返していたら、いつしか彼女を愛して
しまっていたのだろう。

サラリーマンなのに毎週通えていたのは、その瞬間だけ住宅ローンが無かったからで、期
間限定のことだった。住宅ローンが始まれば、そんなに通えなくなることも、わかってい
たから、送迎の運転手が人生長いんだからと慌てる必要はないと諭されたこともあった。
生き急いでいるように見えたのだろう。

彼女にしてみれば、ただの客の一人にすぎないから特に問題が発生するわけでもない。要
するに無害であれば何でもOKということなのだ。そりゃそうだ害のあるヤツは出入り禁止
になるだけだから。
実際に私よりも前にあやなの魅力にとりつかれた客がいたそうだが、愛情表現がうまくで
きなかったのか、好きから憎いに変わってしまったようで2ちゃんに書き込みをして、彼
女をひどく中傷していたの見た。2ちゃん自体に何の興味も無かったがその内容のひどさ
に絶句した。今でもメールがくると言っていたが出入り禁止となったようだ。しかし内容
にもしやと思うこともあったが、今となってはそんなことどうでもいい。あやなを好きな
気持ちを大切にしたいと思った。

彼女の体の魅力でも触れたが、実は、彼女には家庭があって、旦那も子供もいた。だけど、
それは不倫ではなく、お互いの利害関係が合致していたと言うだけのこと。何か目的があ
って、ここで働く決心をしたんだろう。聞いたところで、何の役にもたたないんだから聞
くだけ野暮ってもんだ。だからあえて 理由を聞いたり しなかった。そんなことはどうで
もよかった。旦那がいようが子供がいようが 、この場所では一人の魅力的な女性だとい
うこと以外に何も気にしたくなかった。そう最初は遊びだと思っていたからだ。44才に
もなる自分がこの歳でまさか恋をするなどと思ってもいなかった。

何度か通ううちにフリーメールのアドレスを名刺に書いてもらった。女の子予約だと1週
間前からできるんだよ。っと教えてもらった。俗に言う姫予約である。そんなシステムが
あることも知らなかった。それからは姫予約であやなの朝一番を必ず予約した。
また予約のやりとりのメールが届くだけでも舞い上がり嬉しくなり、のめり込んでいく自
分を段々コントロールできなくなっていることにも気がついていた。
一度だけ予約の確認が出来なくて携帯のメールに送信したことがあった。その時は会社を
休んで行くことにしていたので休暇の手続き上確認しておきたかったが返信がなかったの
で、お店に予約してしまおうと電話したらその時間は予約があるとのことで、自分は出入
り禁止になってしまったのか?と携帯に送信したら、直ぐにフリーメールに返信があった。

「予約してあるよ」ようやく安心することができた。しかし、怒る気には全くならなかっ
た。何よりも会えるということの方が嬉しかったからである。その週はそうとう忙しかっ
たからすべてに目が行き届かないのは当然だろう。ましてや、自分などただの客の一人だ
から。あやなからの発信メールは、ほとんどが時間変更のお願いメールだった。時間を早
めて欲しいという内容で、いつも「いいですよ」と返すと「ありがとう」と返信があった。
そんなやりとりでも嬉しかった。メールが届くだけで子供のように喜ぶ自分がいた。

初めてのダブル

そして、長時間の予約をしてみた。通常80分を2倍にした。ボーナス時期だったし、お礼
を言いたかったからである。たくさんビールを用意していてくれて、最初に500缶を1本飲
んでから、行為にはいり、いつもより、ちょっとだけイクのが遅かったような気がした。
マットを止めてから、主導権はこちら移った。キスをして(ダンナに負い目があるのか控
え目なキス)鎖骨の辺りから脇の下へ、そして胸を丹念に舐めてから、くびれた腰そして
下半身へと移り周辺からアソコへ移りじっくりと舐め始める。舌でクリトリスを刺激しな
がら、右手はGスポットを攻める。そしてイクという声が聞こえてきたあたりで、攻守の
交代をする。あやなのフェラチオはとにかく絶品だった。もうそれだけでイキたくなるく
らいで、この日もストップをかけた程だった。そして騎乗位から始め、やがて座位になり、
ここで自分の中のスイッチが入る。燃えるということを教えてもらった。(好きな女にギ
ュっと抱きつかれることでスイッチがONになるんだと思う。)そして挿入したまま枕側へ
方向転換し正常位へ。正常位では足を折りたたんだ前回痛タタという言葉が聞こえてから
萎えてしまったので深い挿入感は捨て、下半身フリー結合で挑んだら、この日は正常位で
2回イクという言葉を聞いた?!が、本当かどうかわからなかった。しかしその時は、フ
ィニッシュを迎えた後でも急ぐ必要が無かったので、感謝の気持ちを言ってみた。
「そんなに思いつめてたんだ。」っと言われた。今は大丈夫?とも言われたが、もちろん
あやなさんの治療のかいあってと訳のわからない言葉でこの話題を終わらせてしまった。
どんなに時間を長くしてもあやなと過ごす時間は短く感じた。 本当に楽しかった。他に
楽しみが無いからかもしれないが、全てが至福のひと時であった。

今日はこの後、友達同士で忘年会なんだ。と言われたことがあった。ウソをつくのが下手
なあやなは話題を変えたいと思うと言っていた。「まゆみはずっと仕事して結婚しないと
思ってたのに誰よりも先に結婚して子供が出来て専業主婦みたいなものだよね」と言われ
るらしく、いやいや違うとも言えないみたいで、周りはキャリアでバリバリに働いている
と言っていた。やはり負い目でも感じているのだろうか?聞くことはしなかったが、人間
無いものねだりをするものなんだと思った。カミングアウトしたいサインだったのかもし
れないが、この話題には絶対に触れないように注意していたから、ずっと黙っていた。
イブの前々日に会いに行こうかと思っているとメールしたら月曜日に会えるから無理しな
いでね。と優しい返事がきた。その日の朝はまだ風邪の症状がひどく、咳と鼻水そして喉
の痛みから声が出ない状態だったため、自粛すると返信した。しかし本当の目的は、あや
なと一緒にクリスマスプレゼントを店に買いに行きたかったからだったが、流石にこの状
況はひどかったので、初めて諦めた。

そしてイブ当日を迎えた。初めてあやなからこの日はと聞かれ、まさかイブに会えるなん
て想像もしていなかったから、思い切って通常80分のところを100分にしてみた。あやな
からプレゼントをもらった。汗かきな私にとバーバ・リーのタオル2枚だった。ものすご
く嬉しかった。好きな人にイブに会えるだけでも嬉しいのに、プレゼントまでもらえるこ
の嬉しさは体験しなければ分からないだろう。
私からのプレゼントは、あやなの生理に当たった帰りに買ったジャンボ宝くじ1万円分を
渡した。嬉しいと言ってくれた。本当は自分用にと思って買ったものだが、金に困ってい
る訳でもないので、というか、それしか無かったのでプレゼントにした。
当たれば、ここから脱出できるだろうと思う半分、それはそれ以降会えなくなることを意
味することでもあるため、複雑な気持ちだ。どさくさに紛れて、今日初めてイブに好きな
人と一緒にいるから、それ以上を望まないというようなことを言ったが、笑って終わって
しまった。結局この日も、だらだらと話して時間が過ぎてしまい、時間を長くした意味な
ど何処かにいってしまった。あやなからもあっという間だよと言われ、次の土曜日の予約
を入れた。その年最後だった。次の日から家族で年越し旅行に行くと言っていた。どう見
ても幸せそうにしか見えない。
この日はあやなのリップサービスに我慢できず、どうしてもイキたいと懇願してみたのだが、
がまんダメ!っと言われてしまった。そして少し間があってウフフ!ダメ!っとこのやりとり
はいつまでも頭から離れない。思い出すだけで幸せを感じる。

年末最後に会いに行った。年明けの予定を聞いたら迷っていたので、メールで連絡を待つ
ことにした。どちらにしても、2013年の最初の「客」になりたかったことを伝えた。その
日は最悪で、前日に友達が遅くまで帰らなかったので、寝不足で吐きそうだと言って、い
つものSEXが出来なかった。もちろんビールも無かった。とにかく正常位でと強く言われ
たのでリクエストならばと、正常位に勤しんだが、クリちゃんも気になったので、入れる
前に右手で刺激してたら「入れて」と・・・。なんかちょっと寂しい感じがした。正常位
→バック→正常位と、その日はビールも飲んでいなかったからか、耐えられずに発射して
しまった。女性を喜ばせることなど全く出来なかった。来年もよろしくと言われ、「よい
お年を」と返して店をあとにした。

年が明けて3日にメールが届いた。「あけましておめでとう!今年も仲良くしてね!!5日
から!!」「お約束の新年一番目よろしくです。」と返信したが、その日に返事は無かっ
た。
次の日の夕方に返信が来た。「お店に電話できなから予約いれといて」だった。店に予約
を入れるのは久しぶりだった。夕方5時きっかりに電話し朝一番の予約をいれた。その旨
をメールしたが、返事は無かった。

そして5日に会いに行った。毎週来てるのに、久しぶりに会った気がした。その日も他愛
も無い話をしてキスしてクンニしてフェラチオをしてもらいSEXした。やっぱり、あやな
とのSEXは最高だった。騎乗位で始めたら気持ち良過ぎていつもより長く下から突き上げ
ていたが、あやなが可愛い声で「疲れた」と言ったので、座位に変えたが、既にお互い汗
だくだった。しかし、今日はイクという声は聞けなかった。でも、何故か今日はシャワー
の後、服を着る前にハグをした。心が寂しかったんだろうと思った。
そりゃ年末年始は家族と居るものだから、しょうがないがあまりに衝動的で自分でもよく
わからなかったので、のちにメールで謝ったが、「そんな事」という返信があった。気に
も留めていなかったようだ。次を最後に毎週行けなくなるからかも、しれないんだとは言
えなかった。自分の中でも葛藤があったが、繰り上げ返済などしないで、あやなに会いに
行けばいい、という思いが勝っていた。

次の週は3連休だった。土曜日と月曜日に予約できないかメールしたら、あっさりOKの返
信があった。しかし、次の日に「お願いがあるの」というメールが来た。土曜日の分を月
曜に足せないかという内容だった。それは、あっさりOKしようと思ったが、どうしても土
曜日も会いたいと思い「土曜日だめなの?」と返したら、土曜日に子供を預かってもらえ
ないという内容の返信があり、申し訳なく感じてしまった。そんなプライベートを聞くつ
もりは無かったからだった。その後もメールでやりとりしたが結局は最初にお願いされた
通り70+50分で決着した。
更に次の日、悔しいので時間を10分長くするメールを送ったら「いいの?」という返事が
あったので、OKですと返信し、集合時間の再確認をしたら、少し時間が早められないかと
来たので、「了解ですよ。」を返した。少し子供に戻った気分だとか若返った気分とでも
言ったらいいのだろうか。とにかく楽しみだった。こんなメールのやりとりが本当に嬉し
かった。

月曜日はあいにくの雨が雪に変わり始めていた。お風呂に一緒に入り、後ろから抱き締め
る。このひと時は最高に幸せな時間だった。さらにキスしてとリクエストしたら、本当に
軽くだったがしてくれたので、「ありがとう」と言って抱きしめた。この日は時間がたっ
ぷりあるからマットしないかと誘われたが断った。その代わりに69でイキたいとリクエス
トしたら、口内はダメよと言われたがしてくれた。もちろん口内に出すようなことはする
はずも無く、最後は手だったので、ちょっと後悔した。その後SEXしたが、イクのが早か
った。確認された程だった。

来週の予約をと言ったら、大丈夫なの?っと心配された。住宅ローンが始まっても、実際
あやなに会う回数は落とせなかった。帰る頃、雪は深々と降り積もり、車での送迎はやっ
て無いと言われた。仕方なく駅まで歩いたが、駅に着いたら交通が完全にマヒしていたの
で、あやなに状況をメールしたが、30分位して普通に乗れたという返事があった。そのま
ま家に帰って雪かきをしたが1時間もかかった。

次の木曜日に余っている有給休暇を取得し、あやなに会いに行こうと計画し店に連絡し予
約をとった。しかし、当日の予約確認で今日あやなさんは休みだと告げられ、川崎に着い
ていたがそのまま引き返した。
そして、メールでそんなつもりは無かったが非難するような内容のメールを送信してしま
った。しばらくして、あやなさんから返事が来た。カンカンに怒っていた。謝ってもお詫
びをしたいと言っても、いちいち面倒くさいと言われてしまい。八方塞りになったので、
土曜日に予約したいとメールしたら、13時からなら空いてるよっと、ようやく普通の会話
になった。もう会えなくなるんじゃないかと冷や冷やした。

13時に会いに行った。大安の日に買っておいたスクラッチを渡したが、何となくぎこちな
いやりとりのまま、行為に移った。いつものように燃えるような感情が湧いてこない。相
手が完全に冷めているのを雰囲気で感じるからかもしれないが、最中にプチっと音がした
らしく、見てみたらゴムが切れていた。しかも少し出ていた。すばやく拭き取ったが、ど
の程度中に出したか分からなかったし、イった感覚が無かったので、もう少しがんばった
が、結局フィニッシュを迎えることは無かった。なんだかとても後味の悪い終わり方だっ
た。いつもの楽しい時間が過ごせなかったことに後悔したので、来週の予約をしたいと
メールをしたら、めずらしくその日に返事があった。「来てくれるのは嬉しいけどさ、ほ
んとうに、毎週毎週じゃなくていいよ。。。」だった。
このメールを何度も読み直した。そして、何十回何百回と返信メールを書いては消して朝
になった。そして、返信したメールは、「わかった。そうするよ。。。」という内容にし
た。これは、もう来ないで欲しいというメッセージに対し、承知したということであり、
もう二度と会いに行くことも無いことを覚悟したものだった。

そして再び

しかし、次の週の金曜日に「月曜日は??ひま?」というメールが届いた。だが、昨夜突
然熱が上がりインフルエンザの疑いがあったので、朝一に病院に行き、診察した結果は
陽性でA型と診断されたばかりで、これから寝ようとしているところだった。まさかこのタ
イミングでと思った。あやなからの誘いだったし行たかったが、我慢した。こればかりは、
どうしようもない。その次の土曜日に予約出来ないかと返信したら、大丈夫ーと返事があ
った。前回のメールに悩んでいたのがウソのようだった。そして、久しぶりにあやなに会
った。いつもと変わらない笑顔に癒され、楽しい時間を過ごせた。しかも、バレンタイン
デーに来れないかというお誘いをうけたから嬉しさ100倍だった。普段の日だったが会社
を休んでも行くと返事をしてしまった。何と単純なのだろう。泣いたカラスがもう笑った
という言葉が当てはまる。とにかくその日はいつまでも気分が良かった。日曜どころか月
曜の朝になっても、心が穏やかなままだった。こんな気持ちは初めてだった。月曜日にス
クラッチが200円当たったとメールが届いた。200円じゃ飯も食えないね。2月14日はグ
リーンジャンボの発売日だから乞うご期待!と返信したら、2通の返信メールが届いてい
た。1通は私の運いいんだよという内容で、もう一通は、「ちなみに200円でご飯食べたの
よ。MACの100円・・・!!」心が動いてしまった。今この場にあやなが居たら抱きしめて
いただろう。とにかく嬉しかった。叫びたいくらい。そして、土曜日に会いにいってもい
いですか?とメールしたら、「ワーイ。では待ってます」と返事があった。私は完全にあ
やなに心を奪われてしまったと悟った。とにかくあやなに会いたかった。

待ち遠しかった土曜日に会いに行った。最近いつもベットだから今日はマットにしようと
エアコンの温度を上げていた。毎回ベットでも飽きることは自分の性格上無いとは思うの
だが 、あやなの気配りが嬉しかった。
マットはポヨンポヨンした人の方が気持ちいいんだよね。と言うから、「そんなことは無
い」と返した。あやなの美ボディは健在だった。とにかくお尻のラインはサイコー!キレ
イとしか言葉が出ない。
火曜日になってもスクラッチが当たったというメールが届かなかったから、もしかして当
たらなかった?というメールを送ったら直ぐに返信メールが届いた。「帰ってから旦那が
いて、まだやってない」と。「焦らせてごめんね。ゆっくりどうぞ^_^」と返した。

そしてバレンタイン当日(少し遅れる)旨のメールが届いた。結局30分位遅れたが、会えた
瞬間どこかにふっ飛んだ。何回会ってもドキッとするほどの美人で、もちろん今回もドキ
ッとした。そしてチョコを貰った。クリスマスイブからだと思うがイベントに呼ばれ、お
返しに宝くじを渡すようになっていたから、朝買ってきたグリーンジャンボ を渡した。
もちろん、喜んでくれた。その姿を見ているだけで幸せだった。次の予約の話をして3週
間後の土曜日10時にした。

ところが次の週の週末にかけて出張となり土曜日に寄れそうだったから、予約できるか
メールをしたら、届かなかったという返信メールが直ぐに返ってきてしまい。携帯のアド
レスにメールした。しかし結果は同じだった。途方に暮れていたところ電話番号にショー
トメールを送ることを思いついたが、誤って真夜中に電話してしまった。つながることは
わかったのでショートメールを送ったが返事は無かった。お店のホームページを見たら、
削除されていた。何かがあったことは想像できるが、一体何が。。。 「今年も仲良くし
てね!!」って言ってたのに・・・。

もう会えないんですね。いつかこういう日がくることは、覚悟していたけれど、思ってい
たよりも早くて。。。
事実を受け入れるのに時間がかかりました。イヤやっぱり受け入れたくないのです。現実
の世界では、まゆみさんとは接点がないから、あかの他人に戻ることを意味し、そしても
う二度と会うことが無くなることを意味しているから。

毎週あなたに会うのが、当たり前になっていたから、週末に会えない時は平日でも会いに
行っていた。子供がいることも旦那がいることも分かっていながら、あやなを好きになっ
てしまったことは、不覚としか言いようがない。しかし人を好きになるのに理由なんかあ
るんだろうか。歳なんか関係あるんだろうか。
この歳で人を好きになるなんて考えてもいなかったから、会えなくなることへの恐怖心が
いつもどこかにあったことは確かであるが、恐怖より寂しさの方が勝っていたけど・・・。
あやなに会って抱きしめる。ただこれだけで幸せな気持ちになれて、何もかも忘れていら
れる時間は至福のひと時だった。少し興奮して一オクターブ高くなったそのしゃべり方が
聞けなくなるのも。人を幸せにするその笑顔が見られなくなるのも。美人なその顔が見ら
れなくなるのも。美ボディが見られなくなるのも。他愛も無い話をしているだけでも幸せ
に感じることができる時間がなくなるのも。何もかもが永遠に無くなるのは寂しいよ。

あやなさん。あなたに出会えたことは、自分にとって最高の宝です。これからの人生であ
なた以上に好きになる女性と出会えることはないでしょう。だから、あなたを好きになっ
たことを誇りに思います。誰にも恥じることなど無いし堂々と言います。「あやなを心か
ら愛しています。」「世界中の誰よりもあやなを愛しています。」だから、出来ることな
らもう一度、あやなに会いたい。

オジサンだって恋をするのさ・・・

半年に及ぶ疑似恋愛は幕を閉じた。また会えるんじゃないかと堀之内に足を
のばすが会えるはずもない。吉原にも足をのばしてみたりしたが無駄だった。
自分でもよく分からないが影を探しているのかもしれない。
本当に「いい女」というのは、滅多に出会えるものではない。

人生最後の恋は最高に幸せになれた。だから思い残すことは何もない。
虚構渦巻く現代において、仕事一筋で生きてきた自分には最高の贈り物だ。

オジサンだって恋をするのさ・・・

現代を生きていると現実逃避したくなる場面がいくつも到来する。良いことが無ければイヤなことは続き心が折れてしまう。現実逃避するする方法はいくつもある。死にたいなんて思う場面もあるだろう。そんな時、どうせ死ぬなら貯金を使ってからとか、もっと遊んでから、主人公が選んだのは快楽だった。しかし、遊びのつもりが恋へと発展し次第に自分をコントロールできなくなってしまう。

  • 小説
  • 短編
  • 恋愛
  • 成人向け
更新日
登録日
2013-03-04

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著作権法内での利用のみを許可します。

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  1. 遊びのつもりが・・・
  2. 初めてのダブル
  3. そして再び