ワンダーチャイルド
街の片隅に 腰を下ろしてみる
そこは 流れが集まってくるところなので
時間がなくなっちゃう場所。
本を取り出し 広げ、読んでいるフリをする
すると 私は 今 点である そんな不思議な気分になって
人々が 「線」に 見えてくる。
目を閉じ 耳を澄ますと 全ては沈黙の中に響いていることに
気がつく。
地下鉄のアナウンス
話し声
冬靴の足早に過ぎる音
子どものなく声
誰かの ものすごく悲しい悲鳴
ため息 。
お金を
時間を
自分自身を
もてあまして
処理しきれなくなってる
初めは何もなかったってことを 思い出したらいいのに。
何はともあれ
この冷たくて 暖かい地球に帰ってきたことに感謝する。
たった独りぼっちだったけれど、私自身に戻ってこれたことに。
かつてのことは どうでもいいが
ただ毎日健康で ちゃんと生きてる、と実感する。
ただ、あまりにも遠く遠くに来ていて
戸惑ったけれど、永い時間をかけて ちゃんと 追いついたんだって そんな気がする。
ワンダーチャイルド