確かめるという行為は怖ろしい

頭の片隅に ある

常に 
ほら確か右耳の奥あたり。


                あれは どんな味だったかしら?



すぐ取り出せるようにと無造作にしまったんだ。
        (すぐに片付けてしまうためだったのかも?)
でもずっともうそのままほおったままである 青い立方体。

ほら 確認しなくたってちゃんと存在する。(たぶん?
形を変えず 確かにあのままの状態で。

ソレ、については、いつも 「もう、忘れてしまったの。」

しかし、一生懸命見ないふりをするという行為は そいつを思い出すという行為に限りなく等しい。 

もうずっと変わらずそこに ある はず。
あの時 あまりにすぐに壊れてしまいそうだったからそうするしかなかったんだけど。
触れたら指が切れてしまいそうなほど角が八つ、ちゃんとあってものすごく美しいブルーだったから、
触れるのがとても、とても怖かった。
だから 捨てることも しまうこともできなかったのよ。





そして、今となっては
未だに まだ 本当にブルーのあいつはあのままなのか
               (口に入れると冷たくて
                 (触れるとほんのり暖かいのか、



確かめるのが ものすごく 怖ろしいだけ。



できることなら
綺麗さっぱり
持ってかえってちょうだい。

確かめるという行為は怖ろしい

確かめるという行為は怖ろしい

  • 自由詩
  • 掌編
  • 青春
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2011-06-05

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