天の川を泳いで

わたしは天の川を泳ぐ 
とても温かくて
ガラスのような
その冷たくきらめく中を
息を吹きかけると
ちらばっていく
その塊を集めていくと
ダイヤモンドのように輝いて
涙の滴(しずく)のように瞬いて
なんだかわたしもつられて
涙ぐんでしまう
みんなの涙を集めたいと思い
その集める容器として
わたしの両手をすぼめると
沢山の滴が集まった
それをどうしようかと思い
冷たい僻地へ行って凍らせて
氷のような塊として冷凍庫へそっとしまい込んだ

天の川を泳いで

天の川を泳いで

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2013-03-02

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