夜明け前 やましたたかゆき 目覚めると西に白い鈍い光の月が傾き東の水平線が薄紅色に染まっているいま僕のいる空間は夜明け前である父親が自らの腹を刺したのがこの時刻僕はあの時からずっとこの時間に目覚めるもうかれこれ40年程前のことなのだが 夜明け前