すもも

あかい皮を剥かないまま、
熟した実は 歯を立てなくても。
よぉく冷やしておいたから
滴る雫は とても 冷たい

ああ もうなつねぇ。

日が長くなったと思ったら
いきなり夜が来る。


種の周りはすっぱいから、
本当は最後にしたくはなかったけど、
あぁそのせいで いつまでも、いつまでも口の中に残る


ほとんどの甘さよりも
忘れられない一瞬がわたしを掠める

すもも

すもも

  • 自由詩
  • 掌編
  • 青春
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2011-06-05

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