夢はいつまでも


「ねぇ君、ねぇ。」
誰かが私を呼んでいる。

私はそっと目を開けた。

まず目に飛び込んできたのは、大きなピンクの瞳のうさぎと、見たこともないおいしそうなフルーツだった。

「あなたは誰?」

「僕はヘンリー。フルーツ狩りをしてたら君が倒れてたんだ。」

「ここはどこ?」

「チェスの森。」

「何ですって⁉」

私は叫んだ。

よくわからない世界にいて、おまけに変なことを言ううさぎに出会うな

んて願ってもいなかった。

私は立ち上がった。

「私、茨城に帰る。」

「待ってください‼」

ヘンリーが真面目な顔をして私を呼んだ。

「そんなことは不可能です。」

「だってここはワンダーランドだから。」

「じゃあどうやって帰るのよ。」

「たった一つ方法があります。」

「クローバーの門に行って静岡の樹海に行ってください。」

夢はいつまでも

夢はいつまでも

  • 小説
  • 掌編
  • ファンタジー
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2013-03-01

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