夢はいつまでも
「ねぇ君、ねぇ。」
誰かが私を呼んでいる。
私はそっと目を開けた。
まず目に飛び込んできたのは、大きなピンクの瞳のうさぎと、見たこともないおいしそうなフルーツだった。
「あなたは誰?」
「僕はヘンリー。フルーツ狩りをしてたら君が倒れてたんだ。」
「ここはどこ?」
「チェスの森。」
「何ですって⁉」
私は叫んだ。
よくわからない世界にいて、おまけに変なことを言ううさぎに出会うな
んて願ってもいなかった。
私は立ち上がった。
「私、茨城に帰る。」
「待ってください‼」
ヘンリーが真面目な顔をして私を呼んだ。
「そんなことは不可能です。」
「だってここはワンダーランドだから。」
「じゃあどうやって帰るのよ。」
「たった一つ方法があります。」
「クローバーの門に行って静岡の樹海に行ってください。」
夢はいつまでも