Io voglio che solamente io guardi tutta la durata

気づかない彼と、自覚した彼女の物語。

 最初はクラスメイトから始まった。
次は部活仲間、その次は席が前後で終いには帰り道が同じ。私と彼とはそんな関係だった。
他の友人よりは異性にも関わらず距離が近いとは思っている。けれど私たちの間にそんな関係はなかったし、お互いに特別な人がいるわけでもなかった。
 高校生にもなって色恋沙汰がないなんて遅れてる、だなんて周りの人たちは口をそろえて言っているけど本当に興味がなかったのだ。少なくとも私は。

『好きです、付き合ってください!』

「ごめん…俺、好きな人いるから。」

 私、彼の事が好きだったんだ。
自覚したのはほんの少し前。別に聞く気はなかったのだけども、偶然居合わせてしまった告白現場。昼休みに職員室に呼ばれていたその帰り、通った中庭で聞こえてきた会話に好奇心全開で耳をすませた。
 聞こえた声は、知らない女の子と彼の声。
最初は好奇心だったのに、女の子が告白した瞬間に言いようのない不安に駆られ、彼が断った瞬間に安心感に変わり、好きな人がいると知った時に鈍器で頭を殴られるような感覚に陥った。

 それからはどうやって教室に帰ったのか覚えていない。
気づけば授業が終わっていて、昼休みの一件から気分が沈みっぱなしだった私を見た友人が体調が悪いとのだと勘違いしたらしく放課後の部活は欠席した。そして次に気付いた時には自室のベッドで横になっていた。
 すこし皺になってしまった制服から着替えなきゃと思いつつも、動くのがだるくて結局そのままの体勢に収まる。

「こんなの・・・・無理に決まってんじゃん。」

 わけも分からない感情に振り回された私の心は、ただ静かに涙を流すことしか出来なかった。



訳:ずっと私だけを見てほしい

Io voglio che solamente io guardi tutta la durata

閲覧ありがとうございました

Io voglio che solamente io guardi tutta la durata

気づいた瞬間に、自覚した途端に終わった恋。 私は一体どうすればいいのだろうか?

  • 小説
  • 掌編
  • 青春
  • 恋愛
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2013-03-01

Copyrighted
著作権法内での利用のみを許可します。

Copyrighted