ハイリ ハイリホ(43)(44)
一―二十 パパ・二―二十 僕・三 ママ
一―二十 パパ
「もちろんさ、もうどこにも行きたくないよ。ここが俺の住処だ。そして俺の死に場所だ。ローンを払い終わるまでは」
二―二十 僕
「ほんとうに、ホントだよ。ローンだけは残さないでよ」
三 ママ
「もう、いいかげんに起きなさいよ、二人とも。全く、休みの日の翌日は、いつもこうなんだから。早くしないと、会社と学校に遅れますよ。パパに竜介。あらら、二人とも何。よく見ると、手なんか握って。二人で、何かいい夢でも見ているのかしら」
女の現実の声が部屋に響き渡る。
ハイリ ハイリホ(43)(44)