今日もキミの。
俺は知っている
俺は、知ってるよ
あの足音も あの手のぬくもりも。
あの無邪気な笑顔も。
もしこの世の誰もキミのことを
覚えてないとしても
俺はけして忘れない。
ありがとう。
-first-
俺は、いつも通り授業を受けていた。
先生は一人で説明いている。
誰も聞いてないみたいだ。
俺は窓側の席だからいつもグラウンドを見ている。
俺には憧れの先輩がいる。
その先輩は、すごく走り方がきれいだ。
だからつい見とれてしまう
けどこの日はすごく眠たくて。
俺は眠りについていた
(ん?ここはどこだ?)
夢を見ていた。
どこか遠くまったく知らない場所だった。
そこには長身の女の人がいた。
緩く巻かれた髪を耳にかけ、小さな子供たちと遊んでいた。
そこにいるのは知らない人のはずなのになぜか懐かしい気がした。
そして子供たちが俺に『パパ』と言いながら手を
伸ばしてきた。
はっ
俺はそこで起きた。
「あれ。なんだったんだろう」
俺を『パパ』と呼ぶ子供たち…。
あの夢は不思議なことが多かった。
「はーい!今日はここまで!」
「起立。礼。ありがとうございました」
先生の少し低くて滑舌の悪い声と
生徒の少し高くてはきはきした声が教室に響く。
今日もキミの。