軒先にて
一人の女の子は曇天の中行き着いた場所で一人の青年と出会った。雨で出会った二人は次第に
一瞬の恋がここに
みなさんは素敵な場所ってありますか
「今日は晴天なり、過ごしやすい日になるでしょう。」
「って、何が晴天なりだ。大雨じゃないか。」
バシャバシャと降り続ける雨のなか商店街を駆けている女がいた。スカートでもお構いなしに走っていたが、途中茶屋の軒下へとはいった。
傘を指した人々が茶屋の前を通り過ぎていく。頭や体に付いた雨粒をはらいながら、曇天の空を見上げた。
「あーあー、やっぱり雨なんて嫌いだな」
ついため息と共にもれてしまった言葉をだれも聞いていないだろうと思った。
「店前で暗い事言わないでくれないかな」
後ろを振り向くとすでに開けられた扉に寄り掛かるように立っている男子がいた。
すらっと背が高く、顔が整っていて和服と前掛けを着こなしており世間で言うイケメンの分類だろう。
「なんで雨が嫌いなの。」
まさか自分に声をかけられるとは思ってなく、なにも言えなくおどおどしていると
「あっ、ごめんね。おれは白馬 翼この店の子なんだ」
「あっ、私は玖々莉 雫です。」
「玖々莉さんね。高校生かな」
「そうです、あっすみません雨宿りさせてもらっていました。」
慌て軒下から出ていこうとしたら、白馬と言う男に呼び止められてしまい、茶屋でひと休みすることになった。
「さっきも聞いたけどなんで雨が嫌いなの。」
ゆらゆらと湯気が出ているお茶を飲むのをとめ、ふと空を見上げくちを開いた。
「雨は暗い気持ちにさせるから。」
天気によって気分は変わると言われているからだろうと白馬は思い、自分も空を見上げた。すると空から光の柱が見え始めていた。
「でも、暗くなったんなら次は明るい時が来るじゃん。」
一歩前にでて白馬は玖々莉に言った。白馬の背後からは曇天の空から差し込んできた光が見え、その姿は眩しく輝いて見えた。
それから雨が降ると翼のいる茶屋に通っていた。雫の中では既に雨を嫌いにはなっていなかった。それより、雨を待ち遠しく思えてきたのだ。
「こんにちは」
「あっ雫さん、こんにちは」
何日か通うことによって名前で呼び合う仲になっていた。いつものように熱いお茶を貰い何を頼もうか迷っていると、雨が止み始めていた。
「もう梅雨があけますね。」
フと笑った翼は雫の隣に腰掛け空を見上げ問いかけた。
「前は雨は嫌いだって言ってたのに、今の言葉だと寂しく思っているのかな。」
「寂しく、あたし全然そんなこと思っていなかったな。うん、もしかしたらそうかもしれない。雨が降ってあの光を見るのが楽しみになっているかも。」
「ぼくもだよ。」
哀しい目で下の方を見ながら雫は言い出した。
「前に雨が嫌いって言ってたじゃないですか、あれは雨の日に大好きな子が死んじゃったからなんです。雨を見るたんびにあの子を思い出して暗くなっちゃうからなんですよ。」
翼は黙って雫の顔を見ながら聞いてくれた。大きく息を吸い少し顔を上げて、
「でも、最近では哀しい事だけじゃないってことも分かりました。」
笑顔で翼に振り向きながら言うと雫は驚いた、翼の方をみると、頬を少し赤くし自分に微笑んでいたからだ。
「俺も雨のおかげで天使に会えちゃったしね」
雫は顔を赤くし、次第に二人の顔が近づき二人の世界へと入っていた。ちょうど光が茶屋へ入り二人を輝かせるために降り注いだかのようだった。
茶屋の名前は『会伝』二人を会わせる為に伝わった茶屋。エデンのような場所だったと
軒先にて
話としてしっかりしたいと想いましたが、うまい恋愛なんて考えてみれば付き合ったことないから書けませんでした。
もっと良い案があったら書いていきます。 初恋愛ものそれから作品。内容にはまだまだ納得はいきませんでしたが、翼と雫の短い恋物語をどうぞ