君の心

高校2年生の『川口椋(わかぐち りょう)』と『山内愛莉(やまうち あいり)』の恋のお話。どこにでもあるようなストーリーですがそれを自分と重ねてもらうと引き込まれると思います。楽しんでください!

序章

人の心を理解するのはすごく難しい。
女心は雲のようとか言うけれども
男の心だって以外と難しいのさ。単純とか言われるけど、思っている以上にデリケートだったりするんだよ。
それがよくわかったのは高校2年生だった。

第1章

暦は9月になっていた。
夏休みも過ぎ高校生活も折り返した。
高校の1年半は遊んだしバイトもしてみたし恋愛だってした。
もちろん付き合うことだってできた、でもすぐ別れてしまった。
仕方ないと言えばしかたがなかったんだ。お互い初めての付き合いだし右も左も知らないような状態だったしね。
そのあとはまた付き合えたけれどもすれ違いとかでこれまたすぐ別れた。
ダラダラと引きずる恋愛よりはましだなって今では思っているし後悔もしてない。

そんな感じで2学期が始まったわけだよ。
9月に入ったのにセミはガンガンないてる。暑くてもうへばりそうなのにセミが鳴くとまた暑く感じるわ。
「いや、暑っついよねーほんと半袖短パンで授業受けたいよ~」
隣で嘆いているのが高校に入ってから仲良くなった女子で名前は『山内愛莉』
バイトの愚痴とか恋愛の相談とかよく聞いてもらう仲でたまに遊んだりもしてる。
「同じくそれ思う。せめてジャージでいいからさ」
「確かにっ!…椋、学校終わったら暇?」
そういえばいってなかったけど、俺の名前は『川口椋』っていいます。
「暇だよ、今日はバイトも入ってないし!どうかした?」
「いいから付き合って(笑)」
でた…こう言うときはだいたい奢らなくいとダメなんだよ…確かにバイトしてるけど人に奢ってやれるほど稼いではいないんだよね(-_-;)

キーンコーンカーンコーン…
「ほらっ!いくよ♪」
満面の笑みで腕を引っ張られる。これはもうnoとは言えない、仕方ないからいくか…
予想してたようにおごるはめになった…
『暑いからかき氷がたべた~い!』この一言によりかき氷を食べることになり近くの商店街の喫茶店で食べることにした。
「やっぱかき氷は練乳イチゴだよね♪」
「ほんとにイチゴすきだよね、まぁ俺はブルーハワイに限るけど」
「ブルーハワイとか邪道だし!黙って練乳イチゴでも食っとけばいいの!」
「わかったわかった。そういや前から気になってんだけど愛莉って彼氏とか作らねーの?」
唐突に前から思っていた質問をぶつけてみた。聞ける機会はたくさんあったけどなかなか言い出せなかった。あんまり聞いたらダメかなとか思っていたから。
「今は別にいらないんだ、だって椋とこんな風にあそんでるの楽しいし、彼氏とかいたらめんどくさいと思うしね!」
「そうなんだ、なんか以外だな~」
いるとは思ってはいなかったけどまさかこんな風にいってくるとは思わなかった。
「だからいまはいらないの、食べたから帰ろ♪」
俺はさっさと会計を済まし愛莉に言われるまま今日は帰ることにした。
愛莉は彼氏はいらないっていってたけどなんか引っ掛かると思った。
それが解決しないままその日が過ぎていった…



第1章・完

第2章・前編

あれから数日がたち土曜日になった。

今日は昼までバイトだ…
めんどくさいけど小遣い稼ぎだから仕方ないと思いバイトに更けていた。
昼になりバイトが終わりスマホをみると愛莉からメールがはいっていた
『バイト終わったら電話して』
あんまりないことなので少し驚いたけどとりあえず電話をかけてみた
「愛莉どーしたの?」
「話あるから家きて!はやく!」
「え?なんで…」
ツーツーツー…電話をきられた。
なんていきなりなやつだ、とか思ったけど少し不安になって愛莉の家にいくことにした。
愛莉の家はそう遠くないし10分くらいでついた。
家に着きインターホンを鳴らそうとしたら
「入って部屋まで来てっ!」
2階の窓から言われた。
言われるがままに家に入り愛莉の部屋の前まで来た
「入るよー」
いいよーっといつも聞いている声が聞こえ俺はドアを開けた。


後編へ続く。

第2章・後編

ガチャ…
ドアを開けるとそこには見たこともないような部屋があった。
とても女の子らしく可愛らしい部屋だった。
普段は落ち着きがなく少し男勝りなところもあるやつだけど知らないとこではこんなに女の子らしいのか…
確かに元カノの部屋にもいったことがあるけど
ここまでではなかった。少しそのギャップに驚いていた。
「なに突っ立ってんのさ!早く座りなよ~」
ハッとして言われるがままにその場に座った。
床にも可愛いカーペットがしいてあり、部屋の匂いも甘くて少しドキドキしてしまった。
「…あ!そういや話ってなんだよ?なんか重要なことなの?」
変なことを考える前に電話で言っていたことを聞いてみた。
すごく急な電話だったし重要なことなのか?と思ったが意外な答えが出てきた。
「いや~暇だったから呼んだだけだよ(笑)」
う そ だ ろ …
俺はこの女にはめられた。
あわててバイト先を出てきてまさか、暇だったと言う理由でここに呼ばれたとわ…
「ん~?なに口ポカーンってあけてんの?…あ!まさかうちが寂しいとか言うと思ってきたいした?(笑)」
図星だ…完全に俺は顔に出ているだろう。とにかく!いいかえさなきゃ!
「そ、そんなことないから!俺が愛莉にそんなこと期待するわけねーだろ(苦笑)」
「ふーん、そうなんだ(笑)」
完全にバカにされてる…
くそ!…もう正直に言おう。
「俺は愛莉があんなに慌てて電話よこすから、愛莉になんかあったんだと思って心配でバイト終わってすぐ来たんだよ。」
それを聞いた愛莉は笑うと思ったらそうではなく『え?ウソ…』なんて顔して俺のことを見ていた。
少し間があって愛莉は俺から目をそらし小さな声で
「ごめんね…本気で心配させたみたいだね」
らしくないことを言われ、俺は何も言うことができず頷きただ一言
「大丈夫そうだし、今日は帰るね…」
と言い愛莉の部屋をでた。


愛莉の家を出て歩きながらおもった。
俺は何をしたんだろう。なんであのあと声をかけてあげれなかったんだろう。ほんとに甲斐性ない男だ…
こんなことを思いながらため息をつき家に帰った。
ふと空を見上げると空が暗くなっていた。スマホの時計は18時を過ぎていた。



愛莉sideへ…

第2章・愛莉side

「大丈夫そうだし、今日帰るね…」
椋が部屋から出ていった。

どうして『待って』って言えないんだろう。

いますごく寂しい。さっきまでここに椋がいたのに。

うちの一言で帰っちゃった…

どーしてあんなウソいっちゃったんだろう。

ほんとはとても寂しい。だからこそ『心配した』って一言言われたときは嬉しかった。

正直に言えない自分が悔しい。

ほんとバカな女だよ。

ありがとうも言えないなんて…


スマホを机からとって時計をみると
18時を過ぎていた。ため息がつきなかった。
ラインの画面をだして、椋に送ろうとしたら
自然と涙が出てきた。

窓から真っ暗な夜空を見た。

なんで言えないんだろう。



第2章・完

第3章

愛莉の家にいってから1週間がたってまた土曜日になった。
あのあと愛莉から『今日、ごめんね』と一言ラインがきて、学校でも話していない。
お互い目を合わせることはたびたびあるけで、すぐに愛莉が目をそらしてしまう。
絶対嫌われた…どうしようもない絶望感となんでこうなってしまったんだという気持ちが入り混じって
ホントにさっぱりしない気持ちだ。
でも今日はバイトもあるし切り替えないと…とにかくバイトに行くことにした。


「おつかれさまでした~」
12時でバイトが終わり着替えていると
「今日どうしたんだと?」
振り向くとバイトの先輩が声を掛けてくれた。
「今井さん、別にそうでもないですよ」
「どう考えてもおかしいだろ?いつもミスしないお前がミスしたり、絶対なんかあったろ」
完全に図星だ。
隠しておくのもいやなので今井さんにあったことを全て話してみた。
「なるほどな。それはお前がその子の心をわかってあげれてない」
いったい何がわかってあげれていないんだろう…
考えれば考えるほどわからなくなっていく
「それがよ、女心ってやつなんだと思うぞ。だからこそ男にはわからねんじゃねーのかな」
と言って今井さんは帰った。
今井さんも帰ったことだし俺も帰ろう。

女心…女心って何なんだろ
わかるわけないよ。
そういえば前だってそんなことあった気がする。元カノの時だったはずだ
相手のことを考えずにいろんなことを言ったあとに振られたはずだ
その時も女心を考えれなかったのか…それでもわからない。

そんなことを考えていたら日が暮れていた。
あたりの電灯には明かりが灯っていてスマホの時計を見るともう5時半を過ぎていた。
今日はもう家に帰ろう、こんなとこで考えていてもらちが明かない。
そして俺は家路についた。



愛莉sideへ…

第3章・愛莉side


『今日、ごめんね』

あの言葉を送って今日で1週間になった

あのあと椋と一言も話せてない

椋はうちと目を合わせてくれてるのに

うちは目をそらしちゃう

せっかく話そうって頑張ってくれてるのに

うちがそのきっかけを壊しちゃってる

うち…絶対嫌われたよね

ホントはうちは椋のことが『大好き』なのに

こんなに男の人を『大好き』になったことなんてない

こんなに惹かれるなんて驚いているよ

ああ…椋に会いたい…

うん。行こう。



第3章・完

第4章・前篇


「ただいまー」
いつも通り家に帰ってきた。
『おかえりー』と母の声が帰ってきた。よくわからないけどホッとした。
別に母のことを心配してたわけではなく、なぜか『人』が側にいてくれることにホッとしている。
「郵便着てたからここに置いとくよ」と言って俺は自分の部屋に戻った。

部屋に入って電気をつけベットにダイブ、そこでやっと一日が終わったと実感していた。
でも、ため息しか出ない。
何でだろう…いつもならもっとさっぱりした気分になれるのに
今日はなんで…いや違う、ここ最近こんな感じがする。
スマホをとってラインを開いて
「こういうときは愛莉にラインしよ…」
愛莉…なんでだろう。1週間前までは普通にできていたことができない。
こんなにも愛莉の存在が大きかったなんてわからなかった
ただ『仲のいい女友達』だと思っていた
でもあんなことがあってからはなんか意識が変わった。
「もしかして…俺は愛莉のことが『好き』なのかな…」

どんどん心臓がドキドキしてくる。
こんなの初めてだ。最初に言ったけどこれが付き合うのがはじめてなんかじゃない。
なのにこんなにドキドキするの初めて、それもその相手が愛莉だなんて。

愛莉…なんだか会いたくなってきた。
愛莉と会いたい、話したい…いっぱい伝えたいことがある。


うん…愛莉に会いに行こう!

第4章・後篇(未完成)


「お母さん、ちょっと外行ってくる」
ガチャン、家の戸を閉めて愛莉の家へと走った。

10分そこらで着く距離なのになぜか今日はすごく遠く感じる
走っても走っても距離が縮まらない気がする
いったん止まって時計を見ても未だ5分もたっていない
あきらめたらだめだ。もう一度走り出した、早く愛莉に会いたい。
そう思っていると
「椋…」
え?今『椋』って…それも聞きなれた女の声だ、驚きを隠せないまま後ろを見た。
「愛莉…」
そこには彼女がいた。
俺が会いたかった、話したかった人。そう、愛莉がいたんだ。
「愛莉…ごめん。ずっと連絡してなく」
「ううん。うち…ずっと椋のこと無視してた…」
電灯の明かりでかすかに見える愛莉の顔を涙がつたっていた。
「うちね…椋が目を合わせてくれるのに…うちがそらし続けるから絶対嫌われたと思った…」
「え?…それは俺もだよ、愛莉に目合わせるとすぐそらされるから、絶対あの時から嫌われたと思ってた。」
「そうなの?お互い思ってたこと同じだったんだね…」
愛莉の顔からやっと笑顔が見えた。
その笑顔からは安心感が感じられた。

「あのさ、俺、愛莉のことす…」
「ちょっとまって!それはうちに言わせて!絶対、椋の口からは聞きたくない!」
いきなりすぎてびっくりした。俺は素直にうなずいて愛莉の言葉を待った。

「うちね椋に『彼氏なんていらない、いまは椋と遊んでるほうがいい』っていったよね、うちはもうあの時に大好きな人がいたのそれが『椋』なんだよ。」
またまたびっくりした、ここまで言われるとは思っていなかったから。
「それでね…あの…家に来てくれた時ホントはうれしかったんだ。でも、素直に言えなかった。だからいま言わせてもらうっ!」
俺はじっと愛莉の目を見つめた。
「うちは…椋のことが大好き…だから付き合って」

君の心

君の心

  • 小説
  • 短編
  • 青春
  • 恋愛
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2013-02-25

CC BY
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CC BY
  1. 序章
  2. 第1章
  3. 第2章・前編
  4. 第2章・後編
  5. 第2章・愛莉side
  6. 第3章
  7. 第3章・愛莉side
  8. 第4章・前篇
  9. 第4章・後篇(未完成)