誰も触れないで

メールを送信した後ヒステリックに携帯をベッドに飛ばす
今夜は何にも考えたくない。
だけどこうして発信している。
電源もONにしてる。

音楽を大音量にして、大声でイライラを歌う
お城の塔に閉じこもってしまった疲れた姫は
明日にはまた笑顔で大量の意識が飛び交う社会へ帰らなければならない
残された時間は極わずか
できるだけ解き放て
本当の自分を解放しろ
こんなに全てから離れて欲しいものは愛だと言う。
こんなにかけ離れたところにいるのに一番近い場所だと言う。

あたしは誰だ
思考の果てでは月にもなれる
あなたの前では雨にもなれる
抜け殻なフリもできる
狂ったやつにもなれる
健康な唯の女の子にもなれる
酒豪のおやじにも
あまーいものしか好まないなぁなぁな21歳にも
おしゃべりが好きな真似事や、
社会に適応しない いい加減なニートのフリもする
頑張らなくても仕事ができる冷めた女を演じてみる


誰も知らないで
誰も触れないで
誰も、本当の奥に触れられない。
触れられていないのはあたしか。
自分を知ろうとするなんてずぶずぶっアリ地獄に呑まれるようだ。
中心の中心には・・


いつもとても怖いくらい無防備で真っ白な自分を見つける。
全てはその子を守るがためだった。
もしくはその子のいたずらでした。

誰も触れないで

誰も触れないで

  • 自由詩
  • 掌編
  • 青春
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2011-06-04

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