記憶の中の
捨ててしまったものは二度と戻ってはこないけど、
無くしてしまったものは ふいに戻ってくることもあるって聞いた。
忘れ去ってしまったものは悲しい。
あなたもきっと忘れてしまうのでしょう。
あなたの顔がだんだん思い出せなくなってゆくのに
あたしは逆らうことも もうしようとは思わない。
そしてかつてあたしがそうしたように
誰かがあたしを塗り替えてゆくのね。
幸せを願うふりをしながら、同時にあたしなしでの幸せなんてありえないって思い込んでいる。
そう思うことだけは許して欲しい。
幸せな女だって言ってよ。
あなたを失ったのは夢が覚めてもかわりはしないのだから。
記憶の中の