情念と衝動(エロス詩集)

情念と衝動(エロス詩集)

野獣になる

野獣になる

素敵な君
僕は君の優しさに慰められる

だから僕は君を大切にしたいし
心から君を尊敬している

なのに
君のあどけない仕草に
微笑みながらも
君の胸の膨らみに
むしゃぼりつきたくなるのは
何故だろう

心とは別に
身体が勝手に動いて
蛇のように君に絡みつき
君の自由を奪いたがっている

ああ
君の胸に吸い付きたい
そして
君の抵抗を阻止して
君の膝を広げ
その中にあるものの
感触を確かめたい

ああ
こんな僕を許してくれ
君への尊敬や慈しみを
なくした訳ではないのだ

野獣となった
僕を受け入れてくれ

全裸

ああ…
下着を脱がされると…
…あたしは無防備

あたしの敏感で弱いところを
あなたの目の前にさらして…

あたしを壊されるかもって
不安が襲うけど

でも大好きなあなたを信じて
あたしのすべてを見せたくて

あなたにされるまま
足を広げて身体の中を覗かせて

そしてあなたは
あたしの花びらに
唇を這わせて

あたしの中に舌を入れ
指を入れてくる…

あたしは感じる
あなたがあたしを傷つけないと

その瞬間あたしの中に
あなたのすべてを受け入れたくなって

…ああ早く
…早く来て

あなたの全身を
あたしの中に入れて…

もうあたしの内蔵でさえも
あなたに全部食べさせたいの

あたしはあなたの一部
あなたはあたしの一部

愛だの恋だの
甘い言葉や贈り物も

この瞬間にはかなわないの

君の身体

ああ
君の身体は柔らかい

僕のすべてを
包み込む

暖かい温もりに
埋もれて

君の中へと
忍び込む

遂には溶け合い
一つになれる

次第に激しく
噛み合って

互いの体液が溢れ
ずぶ濡れになった

情熱の火照り(連短歌)


恥じらいて
うつむく君の
うなじ見る
隠せし柔肌
如何に色付く

肩を抱き
引き寄せたりし
黒髪を
かき分け其処に
胸元覗く

我が身体
騒めき立ちて
止めどなく
君の首筋
唇這わし

君の胸
開きて肌に
触れながら
二つの膨らみ
揉みしだきつつ

滑らかな
君の身体の
柔らかさ
思わず舌で
舐め狂いたく

いよいよと
下履き脱がし
露わにし
君の花びら
美しかりけり

君の肌
色めき立ちて
赤み帯び
熱く燃ゆるは
情熱の炎

欲しがるあたし


ああ
みんなが見ている前で
あなたにされたい

あなたに愛されて
両足を大きく広げて
あなたが入って来るのを
待ちきれない
淫乱なあたしを
みんなに見せたい

きっと
軽蔑されるでしょう
きっと 嫌われるでしょう

それでも
あなたを欲しがる
あたしを見てもらいたい

女と男

女は肉
だから女は
その柔らかな肉塊の脆弱さから
自立し立ち上がりたいと願い
硬直した心棒を欲しがるのだ

男は骨
だから男は
その乾いた硬い身体を
柔らかい肉塊の中で
潤いたいと願うのだ

だから女と男は
互いにその身体を触れた時
自らが渇望していたものを
相手に見い出し
恰も貪るが如く
その身体を求め合う

やがて
女も男も
しなやかな柔らかさや
筋の通った堅牢さも
失いながら

最後の体液の一滴までも
吸い尽くすまで
身を寄せ合って
暮らしたいと願うのだ

そしてその時こそ
愛というものの意味を
深く理解できるのだ

愛と恋


愛と恋

ああ
君に会うと
君の手を握りたくなる
君の唇を奪いたくなる

君の胸をはだけ
ふくよかな乳房を
握りしめたい
君の全身に
僕の唇を這わせたい

僕の身体がそれを望むのだ
鳥肌が立つほどに狂おしく

ああ
僕は恋に落ちた

このままだと
君を傷つけるかも知れない
狂人のようだ

でも君が
僕の欲望を受け入れて
望みを叶えてくれるなら

僕は君を
最大に愛おしく思うだろう

一生をかけて
君を愛するだろう

だから僕は
君の天使でもあり
悪魔でもあるのだ

情念と衝動(エロス詩集)

情念と衝動(エロス詩集)

私の作品は愛と性をテーマにしたものが多い。 この詩集は、それをテーマにすると言うよりも、愛と性そのものを表現しようと試みている。 その意味では、単なる「官能作品」と評価されるものとも思う。あえて私はそれを受容したい。愛と性をリアルに描き切れるならば、それは私の目指す所であると考えるからである。

  • 自由詩
  • 掌編
  • 成人向け
更新日
登録日
2013-02-24

Copyrighted
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Copyrighted
  1. 野獣になる
  2. 全裸
  3. 君の身体
  4. 情熱の火照り(連短歌)
  5. 欲しがるあたし
  6. 女と男
  7. 愛と恋