クロイソラと私

目の前がぼやけながらもここがどこだと考えてみる。
真っ暗な世界が広がっている中にちらっと光が見えた気がした。
誰かが私に向かって走ってくるのがわかった、砂利道をものすごい勢いで。
一人ではなく数人、誰だかはわからない。
そしてまた考える。
ここはどこだろうと。
そう考えてるうちに意識が遠のいていった。


「ごめんね」そんな言葉が聞こえた気がした。

再会

私、平田結衣は某夜間高校に入学した。
なぜ夜間高校にしたかと言うと中学時代不登校で学力も出席日数も足りなかったため
嫌々夜間高校と言う選択になってしまった。
4年通うなんて事を考えるだけで息が詰る、そんな思いだった。
1年の頃は地味な見た目だった私はいじめの対象になった。
周りは不良とヲタクどちらかの人種に分かれ
派閥みたいなものがあった。
私はヲタク側の人間だった。
そんないじめられた頃、仲良くなった1人の人物がいた。
川谷美羽。ネット上で同じ学校だねなんてやりとりをしている中で
いきなり教室で話しかけてきたのが美羽だった。
そんな中2年に学年があがった。
派閥が出来ながらも仲良くなったり仲悪くなったりというグループがあった。
頻繁にもめごとがあるのではなく、陰でこう言ってたよ、ああやって言ってたよ。
なんて馬鹿げた報告をする面倒臭い女もいた。
そんな中私はとある再会を果たした。

とあるSNSにて見つけた中学の頃少し遊んだりしていた後輩、永野悠介に連絡してみた。
どうも一個下の彼女がいるらしくSNSにはその彼女との記念日やのろけ話が記載されていた。
些細なやり取りから急に悩み相談のような雰囲気になり
永野が今の彼女、三島真希について相談していた。
そんな深くは考えてなく、ただ相談してきたことに答えていていたら
会って相談を聞くという結論に辿り着き次の日私の家に来るという約束を取り付けた。
この時、自分の心境が変化していることにはまだ気付いていなくて・・・

次の日の午後13:00
待ち合わせ場所に行ったら永野はいなく、待ってみると
自転車でゆっくり私に近寄ってくる今時のスウェットを履いて髪をツンツンにしている男の子が近寄ってきた。
「お前変わってないな」そんな一言を会った瞬間に言われ、ちょっとイラッときた。
永野は昔会っていた時より身長が伸び私より小さかったはずなのに私はこの時永野を見上げていた。
そのまま私の家に向かいたわいもない話で盛り上がっている中
急に一個下の彼女についての相談にうつった。
「連絡をさ、返してくんないんだよメール見てるのに」
そんな一言を言われ正直そんなことで悩んでいるのか、と思ってしまった。
「なんでメール見てるってわかんの?」
「俺がメール送った後にブログ更新してたりするんだよ、ってことは携帯見てるってことじゃん?」
なるほどそんな事を確かめているのか・・・と頭の中で考えながら
私も同じ事されたら嫌かもしれないと考えた。
「そのわりに俺が返事かえさないとぐだぐだ言ってくるんだよ?そのたんびに喧嘩して一回それで別れたんだけど直すって言うからより戻したのにあいつ直す気ないんだよ絶対」
どう反応すればいいかわからなかったはずなのに出てきた言葉に
自分自身がびっくりした。


「別れちゃえばいいじゃん」

こんな発言をした後に自分が何を言っているのか理解できなかった。
けど永野は私のこと一言で別れを決意し

"もう無理別れよう"
そんなメールを送っていた

"うん"
とだけ返事がきてからかすっきりしたような表情の裏に
後悔しているという思いもあったのだろうか
少し永野のテンションが落ちていた。
それを見て何故か苛立ちと真希への永野に想われていてうらやましいなという思いがあった。
自分でも不思議だった、なぜこんな気持ちになるのか。

クロイソラと私

クロイソラと私

  • 小説
  • 掌編
  • 恋愛
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2013-02-23

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