ハイリ ハイリホ(41)(42)

一―十九 パパ・二―十九 僕

一―十九 パパ

 竜介が抱きついてきた。
 俺も強く抱きしめた。

二―十九 僕

 パパはパパでパパの道を歩んできた。僕は僕で、僕の道を歩むことになる。だからと言って、僕とパパが離れ離れになるわけではない。たとえ、同じ場所で生活を共有していたところで、家族になれるわけじゃない。朝出掛けて、晩に戻る家。家を拠点とした人々。それが家族なの。合宿や寮も家族なの。毎日乗車する満員電車も一時的に家になるの。そのほうが楽しいかも。
 家族って何。別れたいとも思わない存在。そこにあるがままの集団。存在を意識しない組織。また、意識しすぎると壊れてしまう結びつき。壊れてしまった後でも、修復の道が残されている組み合わせ。だからといって、未来永劫、存在しあえるものではない。関係性は、一瞬の結びつき。
僕とパパは今、どこの段階を経ているのだろう。
「もう、どこにも行かないで」

ハイリ ハイリホ(41)(42)

ハイリ ハイリホ(41)(42)

一―十九 パパ・二―十九 僕

  • 小説
  • 掌編
  • ファンタジー
  • コメディ
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2013-02-23

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