monologueより

関ジャニ∞の錦戸亮さんのソロ曲、「monologue」からインスパイアされた話です。

テレビのチャンネルをまわす
何一つひっかからない。おもしろくない。

寝て、起きて、朝が来て。
いつも同じような会話をして同じような日々が過ぎていく。
華やかな生活なんて夢か妄想の中だけ。
日記を書いてみたけど、二日連続同じことしか書けなくて、やめた。

意味とか価値を求めて
しなくてもいいようなバカなことをやってみた。
でも空しいだけで、後には罪悪感しか残らなかった。

あてもなく行き着いた公園。
隣に座った男がつぶやく。
「明日、何して生きて行こう」

もっと楽しかったはずだった。
友達だってたくさんいたはずだった。
些細なことだった。
壊れるのはひどくあっけなかった。
失ったことに気づいたのはほとぼりが冷めたあとだった。
酒に溺れる勇気もなく、遊び回るお金もなく、ただひたすら、一人で過ごした。
家に籠り、独りですごした。
外に出たら、全部が灰になっていたんだ。

ルーティンワークのような日常を脱したいと思いながらも
抜け出した先が怖くて逃げているのは自分自身だ。
決められないんだ、ひとりでは。
明日の目的すら無い。
生きるためにただ、働いて、食べて、寝て。
くり返すだけの日常に、飽きているのは事実だ。

「明日、僕の手伝いをしてくれませんか」

気づけば、そう口にしていた。
隣の男に目的をあげたかった訳じゃない。
でも
拭いきれない罪悪感を払うのに
少しは役に立つかもしれない、と思った。
そして
今日はいつもとは違う日記が書けそうだ、とも思った。

monologueより

monologueより

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2013-02-21

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