「わすれても いいよ」

ゆるーく ゆるーく 訊いた 「これはどういう意味?」


深い意味なんてないよ。私は物事の始まりも終わりもいつも突然やってくるの。と、笑って答えた。
彼はここのオーナーなので、何でもかんでも知っていたいのだ。
でも、全て知るには複雑すぎる。
それに言葉にしてしまうとあまりにチープだ。
心にずっとあるあの日の空の色を、ただ「ブルー」だとは
言いたくなかった。

だからまたひとつ嘘をつく。
美しい種類の嘘を。
昨日を忘れてしまいたくないので、あなたに嘘を刻む。


あぁ、この日が風化して そのうち跡形もなくなる、

そんな日が ・ 来るのよ。

「わすれても いいよ」

「わすれても いいよ」

  • 自由詩
  • 掌編
  • 青春
  • 恋愛
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2011-06-03

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