ドラゴンクエストX~第二章~『失われた秘宝編』

前回の続きです!

前作も今作もよろしくお願いします!

 改訂しました。  

もっと文うまく書けるようになりたい・・・(ー~ー)

誘惑

~とある洞窟迷宮~

???「ここは・・・どこ・・・?」

 一人の少女が、深い迷宮の奥で、たたずんでいた。
周りには何もない。延々と続く闇が広がっているだけだった。

???「失われた秘宝・・・・・・『ジアル』は・・・どこ・・・?」

 少女の問いに答えるものは居らず、ただ、少女の声が深い闇の中に呑み込まれて行くだけであった・・・。


 ソラたちは、長い旅の途中、『ポッカ』という町に着いていた。ポッカは、別名、『知識の町』と呼ばれ、この世界の未知なる歴史を研究している。
ソラ「すごい・・・。アグラニとは比べ物にならないくらい大きい町だ・・・。」
アリババ「すごいだろ!?俺は仕事で一回来たことあるけど、ここは凄いんだぜ!世界から様々な文化を取り入れて、多種多様な生活が見られるんだ!」
ソラ「へぇ~。」
アリババ「でも、今この町で有名なのは、『魔瘴』の研究なんだ!」
ソラ「魔瘴?」
アリババ「ホーローさんがいってたじゃないか。世界を脅かす現象、それが魔瘴だって。」
ソラ「ああ~。で、そのホーローさんは?」
アリババ「ああ、ホーローさんは、ご当地土産の『ポッカポッカ饅頭』を買うために、忙しいそうだったよ。」
ソラ「商店街の方にいるかも。行こうぜ。」
アリババ「いや、散策は明日にしようぜ。もう夜だし・・・。」
ソラ「あ、そうだな・・・。宿にでも行くか!」

 しばらく進むと、バニーの格好をした女性が話しかけて来た。
バニー「はーい☆君たち!旅の人?」
ソラ「あ、はい。そうですけど・・・」
バニー「あら~☆たくましいわね~。そういう子、好・き・よ!」
ソラは顔が真っ赤になった。どうしていいかわからなくなってきた。
バニー「よかったら、私と遊ばない?いいことしてあげるわヨ☆」
ソラ「あ、あの!ぼく・・・!いいです!さよなら~!」
 ソラは全力で逃げ出した。
バニー「あら・・・。ウブな子ね☆ますます欲しくなってきちゃった。」
 もう一人のバニーがやってきた。 バニー2「あらぁ・・・またナンパ?何人釣れば気がすむのよ!」
バニー1「いいや、今の子はト・ク・ベ・ツ☆私の好みよ!」
 バニー1は、ペロリと舌なめずりをした。
バニー1「あの子は、私がいただくわ・・・☆もう手は打ってあるし・・・☆」
バニー2「あなた・・・あんな子を苦しめようとして、何が楽しいのよ。私には理解できないわ。」
バニー1「私の趣味はあなたには関係ないですよーだ!べ~!☆」
バニー2「・・・はいはい。」

~宿屋~
ソラ「今日は疲れたな。」
アリババ「そうだな~。バニーは大丈夫だったか?」
ソラ「ビックリしたけど、平気だったよ。」
アリババ「ならよかったけど・・・。なんかあいつら怪しいんだよな。」
ソラ「?」
アリババ「気のせいだと思うが、一応警戒はしておいてくれ。」
ソラ「あ、ああ。分かった・・・。!!!」
アリババ「どうした?」
ソラ「体が・・・うう!!!苦しい・・・。」
アリババ「ソラ、大丈夫か?」
 
 ゴボッ!
アリババ「ソラ!!!」
 ソラがいきなり吐血した。ベッドのシーツが血で染められていった。
ソラ「う・・・!ゴホッゴホッ!」
アリババ「急にどうしたんだ!ソラ!」
バニー1「はぁ~い☆バニーちゃん参上~☆」
アリババ「お前は・・・さっきの!」
バニー1「そうで~す☆弱っているソラ君をいただきに来ました~☆」
ソラ「げほっ!うう・・・」
アリババ「なんでソラを!?」
バニー1「元気な状態だと、どんな仕返しされるかわからないでしょ?毒よ、ド・ク☆」
アリババ「(昼間の時か!)汚いぞ!」
バニー1「私は欲しいものの為ならなんでもするわ。この身を悪魔と化してもね!」
 バニー1は怪しげな腕輪を掲げた!すると、バニー1の体が変化していき、おぞましい悪魔へと変わっていった!
バニー1「アーッハッハッハッハ!これが私の本当の正体よ!強さと美しさを兼ね備えた、究極の姿よ!私の名は『魅魔エサリア』。ソラ君はいただいていくわ!」
アリババ「待て!ソラを返せ!」
魅魔エサリア「返して欲しければ、『楼化の洞穴』にいらっしゃい。あんたもまとめて、遊んでア・ゲ・ル☆」
 そう言い残すと、魅魔エサリアは遠くへ飛んでいった。
アリババ「くそっ!逃げられた!(やはり、楼化の洞穴か・・・。罠なのは充分分かっている・・・でも行くしかない!待ってろ!ソラ!)」

 
 ここはポッカからそう遠くない、『ルルア平原』。
ハンナ「道・・・わかんなくなっちゃった・・・。ここはどこ?」
 ハンナが道端でうなだれていると、一人の青年が声をかけた。
???「あの~、どうしたんですか?」
その青年は、細身の体で、背中などにヒレがついている。この青年は、『ウェディ』と呼ばれる種族だ。
ハンナ「あ・・・道にまよったんです。」
???「行き先は~?」
ハンナ「えっと、ここから近い町はありますか?」 
???「ここからなら~、ポッカがちかいですよ~。案内しますね~。」
ハンナ「ありがとうございます。(この人優しいけど、なんだか頼りない・・・。)」
???「ボクの名前はシアラ。さ、着いてきて~。」

~十分後~
シアラ「着いたよ~。ここがポッカさ。」
ハンナ「わあ・・・広い・・・。」
シアラ「あ!やべ!大事な用事の途中だったんだ!宿はその道の先にあるよ!詳しく案内できなくてごめんね!」
 シアラは、早々と立ち去った。
ハンナ「忙しい人・・・。さて、宿にでも行こうかしら。」

合流

~桜化の洞穴~
ソラ「・・・うう・・・、ここは・・・?」
魅魔エサリア「あら♪やっと起きたのね♪」
ソラ「!?なんだこれ!」
 ソラは、両手を縛られ、柱に貼り付けられていた。
ソラ「は、放せ!」
エサリア「さあ♪いいことしてあ・げ・る♪」
ソラ「や、やめろぉー!やめてくれー!」


~桜化の洞穴前~
アリババ「(ソラ・・・。今いく!)」
ハンナ「あ~!!!アリババ」
アリババ「ハンナ!?」
ハンナ「レディを放っといて、なにしてたの・・・!」
アリババ「痛ててててててて!ギブ!ギブ!!」
ハンナ「ここで何してるの?」
アリババ「それが・・・・・・・・・。」
 アリババは、今まで起きた事全てを話した。
ハンナ「・・・・・・・・・。」
アリババ「ハンナ?もしもし?ハンナ?」
ハンナ「・・・・・・・・・!」
アリババ「(ハンナが相当怒ってる・・・!)」
ハンナ「いきましょ・・・。そのふざけた女、ぶっとばす!」



アリババ「エサリア!でてこい!ソラは返してもらうぞ!」
エサリア「あ~ら♪いらっしゃい♪かわいいお客さんだこと♪」
ハンナ「ソラさんを、返してください!!」
エサリア「あらやだこわ~い。・・・分かったわよ。ただし、この子に勝てたらね♪さあ!いらっしゃい!」


???「はい。」

アリババ、ハンナ「・・・!」
アリババ「なんで・・・なんでお前が・・・!」
ハンナ「嘘でしょ・・・。」

アリババ、ハンナ『ソラ(さん)!!!!」

ソラ「お前たちを、殺す。」

決断

アリババ「はは・・・、冗談だろ、ソラ。なんでお前が敵なんだよ。お前の敵は、後ろにいるエサリアだろ!?」
 ソラは冷たい目でアリババを見ている。
ハンナ「ソラさん!目を覚まして!」

ソラ「何をいっている。俺の敵は、お前達だけだ。」

 以前のソラとは違い、体から、アリババたちへの殺気を滲み出していた。

エサリア「さあ!ソラ君!やっちゃって~♪」
ソラ「分かりました。」

 ソラはアリババの心臓に向けて剣を突きだした!

アリババ「うわっ!・・・ソラ!いったいどうしちまったんだよ!」
ソラ「うるさい。馴れ馴れしく話しかけるな。」
ハンナ「ソラさん!いいかげんに・・・、あぐっ!」
 ソラは剣の柄で、ハンナを殴り飛ばした!

アリババ「ソラ!ハンナに手をあげるなんて、お前どうしたんだよ!」
ソラ「この女も標的だ。攻撃して当たり前だろう。」
アリババ「そこまで堕ちたか!!ソラァァァ!!!」

アリババは、短剣を引き抜き、戦う態勢に入った。

ハンナ「アリババ・・・、本気?」
アリババ「当たり前だ!やらなきゃこっちがやられる!」
エサリア「(うふふ・・・、計画通り♪このまま殺り合いなさい!)」
ハンナ「もう!冷静になってよ!ソラさんは操られているだけかもしれないでしょ!?」

 アリババは慌てているせいか、強く返答をした。

アリババ「じゃあ、どうすればいいんだよ!!」
ハンナ「ソラさんを操っているエサリアを倒せば、なんとかなるかもしれない!」
アリババ「なるほど・・・!」
エサリア「むう・・・、冷静に頭を使えるとは驚いた・・・!やるじゃないのお嬢ちゃん。でも、正解は八割!私を倒しても、ソラ君は止まらないわ。」
ハンナ「え・・・。」

 ハンナは、金槌で頭を叩かれたような感覚に陥った。それもそのはず、エサリアが言ったことは、ソラを倒さなければならない、ということを意味するのだ。当然だが、ハンナにはそんなことはできるはずもなかった。実力などの問題ではない。自分が愛するソラを、この手で倒さなければならないのだから。エサリアは、これを読んでいたのだ。

ハンナ「(なんて汚いやつ・・・!)この・・・外道!」
 ハンナは半ば涙ぐみ、叫んだ。
エサリア「自分の死か、愛する人の死か、どちらかを選ぶのよ。人は、皆どこかで大きな決断を下さなければいけない。いうなればこれは・・・『愛の試練』!!!」
アリババ「(なんだこいつ・・・、今までの悪党と何かが違う。単なるおふざけにしか見えない・・・!だが・・・妙なものを感じるのは気のせいか・・・?)」
 
 アリババはまだ混乱しているのか、この状況を理解仕切っていない。

ソラ「死ね!」
 
 ふいにソラが攻撃を繰り出してきた!繰り出された斬撃は、アリババの右肩を切り裂いた!

 ズバッ!
アリババ「うがぁ!」
ハンナ「アリババ!」

 アリババの右肩から血が流れ出る。出血の量からして、あまり傷は深くない。

アリババ「(くそっ!俺はどうすれば・・・!)」
ハンナ「戦いましょう。」
アリババ「!・・・本気か?」
ハンナ「くやしいけど、今は、ソラさんを倒すしかないようです。じっとしていたら、・・・全滅です・・・!」

 ハンナの握り拳から、血が垂れている。この決断は、ハンナにとっては苦渋の決断だ。
 
アリババ「ハンナ・・・。・・・仕方がない、戦うぞ!」
ソラ「かかってこい!」
エサリア「面白くなってきたわぁ~♪」

決闘

アリババ「うおおおおおおお!」

 アリババは、短剣をソラにめがけて降り下ろした。

 ヒュバッ! スパッ!

 ソラは間一髪かわし、すぐそばの花びらが切れた。
ソラも剣をアリババにめがけて降り下ろし、アリババはそれに反応し、短剣で斬撃を受けた。
 
アリババ「(この太刀すじ、つくづくソラがただ者じゃないって実感するぜ・・・。)」
 次の瞬間、ソラは剣の競り合いをかいくぐり、アリババを蹴りあげた!

アリババ「うぐっ・・・!」
ソラ「そんなものか、張り合いにならないよ。」
エサリア「さあて、我が子といっしょに、あのアリババ君を殺そうかな♪」
アリババ「!(2対1はまずい・・・。)」
エサリアは、手にした鞭に、巨大な二つのエネルギーを纏わせた。
エサリア「死んじゃえ!双竜打ち!」
アリババ「やばい、避けられない!」
 
 スガァァァン!
双竜打ちは、アリババに直撃した。

アリババ「ぐはっ!」
エサリア「さあて♪もう一発♪双竜打ち!」
アリババ「うぐぅ・・・(やばい・・・、次くらったら死ぬ・・・)。」

 ガキィィィィン!
アリババ「ハ、ハンナ!」
ハンナ「エサリアは私に任せてください。」
エサリア「ちっ!邪魔を・・・」
アリババ「ありがとう!」
ソラ「エサリア様の助力なくとも、この手で殺してやる!」
アリババ「お前なんかには・・・ハァ・・・ハァ・・・、負けねえよ・・・。」
ソラ「だまれ!」
アリババ「わかっているんだぞ・・・。本当は、迷っているんだろ。」
ソラ「何を知ったようなことを!」
アリババ「お前、何か弱味を握られているんだろ・・・?」
ソラ「っ!・・・うるさい!お前に何がわかる!」
アリババ「たぶん・・・家族のことだろう?エサリアが、お前を『我が子』って読んでいて、ピンときたよ。あんなやつに、心を利用されたんだな」
ソラ「・・・黙れ。」
アリババ「あんなやつは、お前の親じゃない!目を覚ませ!」
ソラ「黙れっていってんだろうが!!!」

 ドスッ!
アリババ「・・・ぐふっ!!!」
ハンナ「ア、アリババ!」

 ソラは、アリババの腹を剣で貫いた!
 アリババは、口から血を吐いた。

ハンナ「ソラさん・・・!なんでこんなことを・・・?」
アリババ「ハァ・・・ハァ・・・、ソラ・・・・・・ぶはっ!」

 アリババは、貫かれた腹を押さえ、再び血を吐いた。


エサリア「アッハッハ!よくやった!我が子よ!」
ハンナ「ソラさん・・・・」
アリババ「あいつは、エサリアに弱味を握られて・・・ゴホッゴホッ!」
ハンナ「無理にしゃべらないで!」
アリババ「このぐらい・・・平気だ・・・!」
ハンナ「でも・・・。」

 アリババの口や傷からは、大量の血が流れ出ていた。

アリババ「ぐ・・・!・・・ハンナ・・・。すりこみって知ってるか・・・?」
ハンナ「あの、生まれたばかりの生き物によくあるあれですか?」
 
 すりこみ・・・生まれたての動物によくある、違う種族の親を自分の親と勘違いする現象。

アリババ「ああ、ソラは、それを利用されたんだ・・・ゴホゴホッ!・・・しかも、あの様子じゃあ、記憶を消されている!」
ハンナ「嘘・・・・・・。」
エサリア「ご名答~♪あなたのいうとおり、ソラ君の記憶はスッパリ消しちゃいました♪ただ、ソラ君と関わりの深い、あなたたちがいると、記憶が戻っちゃうかもしれない。だから、早く消えてちょうだい!」
アリババ「その前に、お前を倒してやる・・・!」
エサリア「そんなボロボロで、何ができるっていうの!?」

 エサリアは、アリババの傷を蹴った!

アリババ「うぐおっ!!・・・ぐえぇぇ・・・・・・。」
ハンナ「アリババ!」
エサリア「あ~ら♪軽く蹴っただけよ?」
アリババ「うぐぅ・・・、ゲホッゲホッ・・・!」

 アリババの体力は、もはや限界だった。あと数撃で、アリババの命は尽きるだろう。それでも、アリババは倒れなかった。

エサリア「無様ねぇ・・・。早く楽になればいいのに・・・。なぜ立つの?」
アリババ「ゴホッ・・・、ソラを・・・救うため!」
ハンナ「アリババ!これ以上は、死んじゃうよ!」

ソラ「アリババ・・・ハンナ・・・仲間・・・・・・!」
エサリア「楽にしてあげる!おらぁ!」

 エサリアは、鞭でアリババの首を絞めた!

アリババ「ぐぶっ!か・・・かはっ!く、苦しい・・・、おえぇぇ・・・!」
ハンナ「アリババー!!!」

 アリババの命が消えそうになる瞬間・・・!
 
 シュバッ!!

 エサリアの鞭が一瞬にして真っ二つになった。

エサリア「まさか・・・!お前は・・・!」
ハンナ「ソラさん!!!」

再起

 ソラは急いでアリババのもとへ駆けつけた。ソラは、エサリアの呪縛から解放されたのだ。

ソラ「アリババ!大丈夫か!?」
アリババ「ソラ・・・、戻れたんだな・・・よかった・・・ゴホッゴホ!!」
ソラ「すまない・・・、俺のせいで・・・!お前をこんな目に・・・。」

 操られていたとはいえ、自分の親友を自分の手で怪我を負わせてしまったことに、ソラは、深く悔やんでいた。

アリババ「気にすんなよ・・・グフッ・・・、お前は悪くないじゃねえか・・・」

 時がたつにつれ、アリババの容態が悪くなっている。死んでしまうのも時間の問題だ。

ハンナ「一刻も早く、アリババの傷を治さなきゃ・・・。」
ソラ「俺もハンナも回復呪文が使えない・・・、どうすればいいんだ・・・!」
アリババ「俺のことは・・・気にするな・・・、ぶはっ・・・!」
ソラ「ア、アリババ!!」
ハンナ「アリババが死んじゃう!」

 
???「ハンナさん!探しましたよ!」
ハンナ「え・・・、シ、シアラ君!?どうしてここが!?」

 駆け寄ってきたのは、ハンナが昼間に会った、細身のウェディの青年だった。

シアラ「ハンナさんたちの宿から魔物が飛びたつのを見たんです。追ってみたら、案の定このような事態でしたか・・・。僕は回復呪文が使えます。アリババさんは私にまかせてください!」
エサリア「次から次へと、外野が邪魔をするなぁぁぁ!」

 エサリアは鋭い爪をシアラに向けた!

ハンナ「シアラ君、危ない!」

 エサリアがシアラを攻撃しようとした瞬間!

???「悪魔ばらい!」
エサリア「!!?体が・・・動かない・・・!」
???「ちょっとそこのお姉さん、大人しくしてちょうだい~。」
シアラ「セイラ姉さん、助かりました。」

 エサリアを封じ込めたのは、セイラという、シアラと同じ、ウェディの女性だった。風貌は、シアラに似ている。服装からして、たぶん魔法使いだろう。今の技は、杖の技の一つ、『悪魔ばらい』。悪魔を聖なる力で動きを止める技だ。

エサリア「ぬうぅ・・・こしゃくな真似を・・・!」

 エサリアは、強引に動き出した!

セイラ「あら~、大人しくしてればかわいいのに~。しょうがないわね・・・!メラミ!!」

 大きな火球がエサリアを襲った!

エサリア「あああああああああ!」
ハンナ「なんて威力なの・・・!」

アリババ「うぐ・・・、ゲホッゲホッ・・・」
シアラ「アリババさん、じっとしていてくださいね・・・、ベホイム!!」

 優しい光がアリババを包んだ。すると、だんだんアリババの傷が癒えていく。
アリババ「うう・・・、あ、あれ?傷が・・・。」
シアラ「治療完了です!しかし、傷を癒しただけなので、体力は戻ってませんからね。」
アリババ「充分ですよ。ありがとう!」

 燃え盛る炎の中に、揺らめく影が一つ・・・。

エサリア「・・・フフフ・・・。」
ハンナ「(あの呪文をくらって、まだ生きてるの!?」
セイラ「あら、しぶといわね~。」
エサリア「魔族の私には効かないわ・・・。しかし、呪文の威力は賞賛に値するわ。そんなあなたに敬意を込めて・・・お返しよ!!メラゾーマ!!」
ハンナ、ソラ、アリババ『!!?』
セイラ「さすが魔族、すごい呪文を使うわね。」
エサリア「・・・灰になれ!!!」

 業炎がセイラを襲う!

ハンナ「セイラさん!」

 ピシィィィィン・・・!

 セイラの目の前に、光の壁が現れた!業炎がはねかえり、エサリアへと向かう!

エサリア「な・・・、しまったぁぁぁ!」

セイラ「・・・ご愁傷さま。灰になるのはあなたよ!マホカンタ!!」
エサリア「ギャァァァァァァ!!!」

 エサリアは断末魔をあげると、灰となって消えた。

人物紹介

ソラ・・・おっとりしているが、いざというときに頼りになる兄貴的存在。ハンナに好かれている。ドワーフ男、職は戦士、片手剣使い。

アリババ・・・いたずら好きで、ずる賢いが、やるときはやる男。ソラとは親友、ハンナとは犬猿の仲。ドワーフ男、職は盗賊。短剣使い。

ハンナ・・・優しかったり、怖かったり、二面性をもっている。ソラを溺愛している。人間女、職は武道家。

シアラ・・・優しく、他人を気遣うことが多い。口調がゆるい。セイラという姉がいる。ウェディ男、職は僧侶。

セイラ・・・おちゃらけな性格だが、しっかり者。天然なとこもあり。シアラという弟がいる。ウェディ女、職は魔法使い。

~次回以降登場の人~

シャーリー・・・謎に包まれた少女。『失われた秘宝を探している。人間女、職は不明

ガント・・・好戦的で、熱血漢。単純で騙されやすい。オーガ男、職はバトルマスター

チル・・・陽気で、笑いが好き。ガントの肩によく乗っかっている。プクリポ女、職は旅芸人

ラーグ・・・とても優しく、周りをかばったり助けたりすることがおおい。しかし過去に大怪我を負ったことがあり、それいらい消極的になってしまった。ドワーフ男、職はパラディン

謎の商人・・・名前すらも謎な怪しい商人。裏でなにかをたくらんでいる。

作者より

がんばるぜぇv(´∀` )

ポッカの洞穴

???「・・・・・・」

 少女は、目の前の宝玉を見ていた。
一見すると、とても価値がありそうな宝玉だった。しかし、

???「・・・私が求めてるのとは・・・違う・・・。」

 少女はそう言い残すと、その場を後にした。

パキィィィィィィン!

 宝玉は黒い力に包まれ、突然、砕け散った。

???「・・・どこに・・・あるのかな・・・。」

 エサリアを討伐したソラ一行は、ポッカの町長に呼び出されていた。

町長「町に潜む脅威をうち払ってくれて、感謝する!」
アリババ「いや、友達がさらわれたから、助けにいっただけです。」

 アリババは、照れ臭そうにいった。

ハンナ「助けてもらったのは、自分なのに」
アリババ「なんかいった?」
ソラ「まあまあ、無事だったからなによりでしょ。」

 アリババとハンナは、ギャーギャー言い争っている。

ソラ「(こうなるとめんどくさいなぁ・・・)」
シアラ「しかし、町の中にあれほどの魔物が潜んでいたなんて、驚きましたよ・・・。」
セイラ「ま、私が倒してやったけどね~。」
シアラ「(ちょ、姉さんったら・・・。)」
町長「・・・ちょっと静かにしてもらえんか?」
一行『ハイ・・・。』
町長「君らを呼んだのは、ある洞穴を探索してほしいからなんだ。」
アリババ「洞穴?」
町長「ポッカの南に位置する、『ポッカの洞穴』だ。』
セイラ「え~、私あそこきらい~。」

 セイラはぐずぐず文句をいい始めた。
シアラ「姉さん・・・。それは昔一人で入って迷子になったからでしょ?」
セイラ「ちょ、それは内緒にしててよ~!」

 セイラはひどく赤面した。

 町長によると、近頃ポッカの洞穴に怪しい人影があったらしい。ソラたちの強さを見込まれて、、調査にいくことになった。

~ポッカの洞穴前~
ハンナ「や、やっとついた・・・。」
ソラ「(あんま距離ないんだけどなぁ・・・。)
シアラ「ハンナさん、頑張りましょう。」
ハンナ「は~い~」

 ハンナはもうすでにへたれている。シアラやソラが励ましても、気のない返事しか返さない。

~ポッカの洞穴~
ソラ「結構要り組んでるな・・・。」
シアラ「それに暗いですね・・・。」
ソラ「ハンナ、ついてきてるか?」

 ・・・

ソラ「え・・・。」
シアラ「もしかして・・・、はぐれた?」
ソラ「そうみたいだね・・・。」

一方、

ハンナ「なんで毎回みんないなくなるのよ~!」

 例のごとく、ハンナは道に迷ってた。


ソラ「仕方ない、先に進んでみようか。ハンナも先に進むだろうし。」
シアラ「そうですね。」


ハンナ「入り口に戻ってみよう・・・。ソラさんたちも戻っているだろうしね。」


~アリババ&セイラ~
アリババ「ここがポッカの洞穴・・・。」
セイラ「アリババ君~。私のそばはなれないでよね~。絶対だよ~?」
アリババ「あ・・・は、はい。」

 一足遅れて、アリババたちも洞穴へ入っていた。洞穴の中は、いたって普通だが、すごい要り組んでいる。

アリババ「深いですね・・・。」
セイラ「痛っ!」
アリババ「大丈夫ですか?」
セイラ「足・・・くじいちゃったみたい・・・。」
アリババ「治療しなきゃ。足見せてください。」

アリババ「とりあえず固定しておきました。」
セイラ「アリババ君って、器用だね・・・。」
アリババ「ありがとうございます。歩けますか?」

セイラ「ちょっと痛いかも・・・。」
アリババ「では・・・、はい。」

 アリババはセイラに背中を向けてかがんだ。

アリババ「痛みが収まるまで、つれていってあげます。」
セイラ「・・・いいの?」
アリババ「はい。」

 セイラは、ゆっくりアリババの体にしがみつき、体をアリババに預けた。

セイラ「・・・アリババ君って・・・、暖かいね・・・。」
アリババ「体温は高い方ですから。」
セイラ「そうなんだ・・・。」

 セイラの顔が、赤かった。それは、足の痛みのせいなのか・・・。それとも・・・。
 セイラの、アリババを抱き締める腕の力が、ほんの少しだけ、強くなった。

セイラ「(アリババ君・・・・・・・・・・・・・・・。)」

 セイラの内なる想いは、心に留まったままだった。セイラはそのまま、夢の中へと落ちていった。

 アリババたちは、しばらく進むと、意外な人物に出会った。

ハンナ「あ!アリババ!セイラさん!」
アリババ「ハンナ!どうして!?」
ハンナ「迷ってた!てへっ♪」
アリババ「(やっぱり・・・。)」
ハンナ「それより、あんたどうしたの?」
アリババ「ああ、セイラさんが怪我したから、おぶってるんだ。」
ハンナ「へ~♪」

 ハンナは、ニヤニヤしていた。

ハンナ「アリババ、顔赤いよ~♪」
アリババ「!!!そんなことないだろ!?」
ハンナ「ふっふっふ~。さてはお主、」
アリババ「だぁ~かぁ~ら!!そんなことはないって!」

 大声に反応したのか、セイラが目を覚ました。

セイラ「あ、アリババ君!寝ちゃって、ご、ごめんね!」
アリババ「あ・・・、い、いえいえ!」
ハンナ「あ!セイラさん!聞いて!アリババったら、セイラさんを担いでいるとき、・・・?」

 ハンナは、驚いた。セイラの顔も赤かったから。

ハンナ「(なにやらすごいことに・・・)いや、なんでもないです・・・。」
セイラ「???」
アリババ「足、だ、大丈夫ですか?」
セイラ「・・・まだ・・・痛いかも・・・。」

 それが嘘だとは、誰一人気づかなかった。

謎の少女と謎の石

ソラ「痛っ!なんだこれ・・・針?」
シアラ「ソラさん、慎重にいきましょう。罠が多くなってきました。」

 ソラたちは、洞穴の最深部へと進んでいる。階層が深くなるにつれ、あたりがみるみる暗くなり、罠が増えてきた。

ソラ「ハンナはどこにいったんだろう・・・。心配だなぁ・・・。」
シアラ「奥にいるのかもしれませんね・・・。」


~20分後~
ソラ「なんだここ・・・、広い・・・。」
シアラ「ここだけ壁の装飾がすごい・・・。何があったんでしょうか・・・。」

 ソラたちは、洞穴の最深部にたどり着いていた。そこは、今までの道とは浮き世離れした、豪華な装飾が施されていた。ソラたちは、中央の、一際目立つ祭壇に目を向けた。

ソラ「あれ・・・、怪しいな・・・。」
シアラ「ですね・・・。」
ソラ「!?」
シアラ「どうしましたか?」
ソラ「お宝発見!!」

 ソラはそういうと、深緑に光る宝玉を取り出した。

シアラ「すごい・・・!なんてきれいなんだ・・・!」

 その宝玉は、限りなく澄みきった深い緑だ。見ていると、吸い込まれそうになる。

???「見つけた・・・。」

 ふいに、黒装束の少女が声をだした。

ソラ「誰だ?」
シアラ「女・・・の子?」
???「まさかこんなところにあるなんて・・・。あなた、その宝玉をちょうだい?」
ソラ「これは、俺が見つけたのに!渡さないぞ!」
シアラ「(もしかして・・・、盗賊かも・・・。)」
黒装束の少女「クスッ、欲深い人・・・。」
ソラ「それは君もだろ?」
黒装束の少女「もういいわ。」

 少女はそういうと、口笛を吹いた。。

 黒装束の少女「おいで!ジャミラス!」 

 突然、黒の羽を持つ怪鳥が降りてきた!

ジャミラス「カァァァァァァ!」
黒装束の少女「宝玉を、奪い返して!」
ソラ「な・・・まじかよ・・・!」
シアラ「あの子、あんな魔物を従えてるなんて、一体何者なんだ!?

 怪鳥ジャミラスが現れた!

ソラ「・・・戦うしかないか・・・!。」
シアラ「はい!」

 ソラは戦士の剣を抜き、斬りかかろうとした!しかし、

ジャミラス「ハァァァァ・・・!」
ソラ「うう!なんだこれは・・・!」
シアラ「やけつく息だ!吸ってはいけません!」
ソラ「体が・・・、動かない・・・!」
シアラ「(まずい・・・!)ソラさん!」

ドウッ!

 動かなくなったソラに、ジャミラスの攻撃が入った!

ソラ「うぐっ!!」

 ソラは吹っ飛ばされ、壁に叩きつけられた!

ソラ「ぐはっ・・・」

 背中を強く打ちつけ、ソラの口から鮮血がとびちった。

シアラ「ソラさん!ベホイミ&キアリク!」
ソラ「ありがとう・・・。」
シアラ「やけつく息は、吸うと麻痺を起こします。・・・厄介ですね。それに、一撃が重い・・・。当たるとやばいです。」
ソラ「まさか、ハンナはこいつに!?」
シアラ「たぶん・・・、それはないと思います・・・。ハンナさんはまだここについてないようですし。」
ソラ「それならよかった。でも、俺らはやばいな・・・。」
シアラ「さすがに二人じゃ、部が悪すぎますね・・・。姉さんたちがくるまで、耐えるしかないですかね?」
ソラ「それしかないな・・・。逃げようにもあいつの麻痺が厄介だ・・・。」

 現に、ジャミラスは逃げる隙すらない猛攻撃を繰り出してくる。当たれば致命傷、パワーだけならこの前の魅魔エサリアを軽く凌ぐだろう。

黒装束の少女「そろそろ終わりにするわ。バイキルト!」
シアラ「(何っ!?)」

 ジャミラスの力が、二倍に膨れ上がって行く・・・!

ジャミラス「クワァァァァァ!!!」
ソラ「や、やばい・・・!ソラさん!逃げて下さい!!」

 シアラの声が届く前に、ジャミラスはソラへ攻撃していた!背中に壁があったせいか、ジャミラスの拳が、深くソラの体にめり込んだ。後ろの壁をも砕く威力だ。

ソラ「・・・がっは!!」

 ソラは大量の鮮血を吐きだし、その場に倒れこんだ。ジャミラスは、追い討ちをかけるように、ソラを鷲掴みした。

ソラ「は、放せ・・・・・・!」

 ジャミラスは容赦なくソラをきつく締め上げる。ソラの全身の骨がきしんでいく。

 ミシミシミシ・・・!

ソラ「うぐぁ・・・!」
黒装束の少女「さあ、その宝玉を渡しなさい。さもなくば、貴方の命をいただくわ。」
ソラ「冗談じゃ・・・ねえよ・・・、渡してたまるか・・・!」

 黒装束の少女は、深いため息をついた。

黒装束「もういいわ、死になさい。ジャミラス。殺って。」

 ボキボキボキボキ!

 ジャミラスが力を込めると、ソラの全身の骨が折れていく。

ソラ「うぐぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 ソラは絶叫を上げたあと、ジャミラスの拳の中で力なく崩れ落ちた。

シアラ「ソラさん!」

黒装束「ジャミラス、宝玉を奪いなさい。」

ジャミラス「クワァァァァァァァァ!」
ソラ「シア・・・ラ・・・逃げろ・・・、うぐっ!!・・・今のうちに・・・!」

 ソラは必死に耐えた。シアラを逃がす時間を作るために。ソラはもうボロボロだ。しかし、ジャミラスはそんなソラをも容赦なく握り潰そうとする。

メキメキメキッ!
ソラ「うが・・・あ・・・・・・!」
シアラ「ソラ・・・さん・・・。僕は・・・なにを・・・?」

 シアラは、パニック状態に陥っていた。逃げるどころが、その場から動き出さない。

ソラ「シアラ・・・!逃げて・・・くれ・・・。がふっ・・・。」
黒装束「そこのウェディもバカね・・・。死になさい、ドルモーア!」

闇の力がシアラを襲う!!

シアラ「ぐあ・・・!!」
ソラ「シ・・・シアラ!!」

 その後、二人は必死に抵抗した。しかし、シアラは倒れ、ソラは一人で戦った。全身の骨がきしみ、足をふらつかせ、血を吐き、意識が朦朧となりながらも、ソラは戦い続けた。しかし、ジャミラスと黒装束の少女との猛攻に耐えれるはずもなく、ソラは力尽きた。少女は、嘲笑した。

黒装束「・・・哀れなドワーフとウェディ・・・。この宝玉はいただいていくわ。」

 少女が去った後の広間は、怖いくらい静かだった・・・。

 ソラが目覚めたのは、二日後の朝のポッカの宿だった。激戦に敗れ、倒れていたソラたちを、偶然ハンナたちが発見し、脱出したのだ。ソラは意識を取り戻したが、全身を負傷しており、動ける状態ではなかった。

ソラ「・・・すまない・・・、足引っ張っちまって・・・。」
セイラ「無事でなによりよ。」
アリババ「でも、一体あの広間で、何があったんだ?」

 ソラは、広間であったことを、全てアリババたちに話した。宝玉のこと、謎の少女のこと、ジャミラスのことなどを、ゆっくり話した。

ハンナ「ソラさん・・・。」
アリババ「そんなことがあったのか・・・。」
セイラ「無事でよかったわ・・・。」

 突然、ドアを軽く叩く音が聞こえた。ハンナは、隙間から恐る恐る覗いてみた。ハンナ黒装束の少女らしき人が、いるとみんなに告げた。すると、ソラが血相を変えて、

ソラ「なに!?なんであいつが!・・・うぐっ!!」

 ソラは驚いた様子でベッドから起き上がった。しかし、その衝撃で、傷が開いてしまった。ソラの包帯が血で赤く染まっていった。ソラは傷を押さえて、苦しそうに話した。

アリババ「ソラ!無理するな!」
ソラ「うぐっ・・・、そいつは・・・ハァ、ハァ・・・、こないだ洞穴で俺を襲った奴だ・・・、危険だから、ぐうっ!・・・中に入れるな・・・!」
一同「ええ!?こいつが!?」
ソラ「気をつけてくれ・・・。」
???「あの~、私、この町のシスターの、メアリですが、シアラさんいますか?」
一同『えっ?』

ドラゴンクエストX~第二章~『失われた秘宝編』

ドラゴンクエストX~第二章~『失われた秘宝編』

前作の続きとなります。

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  • 短編
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  • 冒険
  • アクション
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2013-02-18

Copyrighted
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  1. 誘惑
  2. 合流
  3. 決断
  4. 決闘
  5. 再起
  6. 人物紹介
  7. ポッカの洞穴
  8. 謎の少女と謎の石