break away

私の目を盗んで

布団や洗濯物を取り込む間が無い程

唐突に強引に

大粒の雨が降ってくれたら

私はそれらが一気に水を含んで行く様子を

数分間に渡って眺めた後

実は何日も前から用意をしておいた

他人にとっては下らない

私にとっては相当に重要な荷物を抱えて

私と同じ位に壊れかけている車に乗り込み

曲がったことのない所を曲がり

読めない地名が延々と続く

私にすれば地の果てまで

自意識を失えることを夢見て

走る



1995.08.29

break away

break away

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2013-02-17

Copyrighted
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