シルクロード


 かたかた たかたか たかたてと。
 ゆーくりとくだる
 緩やかな階段
 後ろから ついてくるついてくる
 
 影。

 あいまいにしまったまま
 ぼくの心はいつからかからっぽで
 なくしたままだと言うことには
 もう、とっくのとうに 気がついているのだ。



 だけど、もう もどれない




 重たいとげとげのぎとぎとを両手でかかえたまま
 ゆーくりくだる 夕闇の階段
 踏み外さないように
 一歩一歩
 

 行き先といえばわからないと言うのに
 君の元からは離れるばかりだ。


 それもわかっているけどどうしようもないもの



 痛みなら感じないよ
 静かな風が冷やしてくれるうちは
 
 ぼくはいつからか大人になって
 それでも生きたぼくの死骸を大切に守っていくのかな。

シルクロード

シルクロード

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2011-06-01

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