「生」と「命」

第二次世界大戦後…南北分断国家の建国を目指していた大韓民国で…分断国家建国の
単独選挙に反対する蜂起が起こった…その蜂起行動は南北分断に反対していた約300人の
済州島民が起した小さな抗議行動であったのだが…この小さな…小さな…抗議行動が…
後に…3万人近くの島民を犠牲にする「史上の悲劇」…「済州島4.3事件」となって往く…
そうした戦後の大韓民国建国に纏わる「悲劇」は…一九八〇年代まで韓国国内でも封印され…
南北分断国家へと…「解れて」往った「史実」は…「漆黒の闇」へと…葬られて往った…

そんな…「史上の悲劇」は…戦後の「貧困」という「現実」から逃れ…「得」る「術」として
興された「火種」であり…「独立国家」という「志」が「覆わせた」…「闇」でもあった…
それは…「人」々の「気高き思い」を…重なり「逢せ」…「紡ぎ」続けた「心の糸」が…
大国が興す「利権の波」で断切られ…「尊き思い」で「紡ぎ」「逢った」「心の心棒」を…
「誘われ」往くがまま「暗黒の海原」へと投出させた…「煩悩」という「迷紕(まよひ)」であり…
「使命の灯火」をも…吹き消し…去らせたがゆえ…「誘われる」「闇」への「旅路」でもあった…

それゆえに…「尊き思い」で「導き」…「得た」「使命の灯火」を…吹き消し…去らせた…
大韓民国では…新たに「生」まれ往く「命」と共に…「成」らせ…「得て」きた「灯火」の
「灯花」をも…「敗戦国」「日本」に「祓い」往く…「戒め」の「光陰(とき)」を過ごす事となる…
そうした…「塵事(じんじ)」は…「人」が「人」であるがゆえの「果敢なき」「心」を「誘い」…

「無念の思い」で「覆う」「漆黒の闇」を齎し…
「尊き命の炎」を「悼た」「希望の光」を宿す…

そして…「人」が「人」であるがゆえの「煩悩」が齎し…宿し往く「希望の光」は…「日本の地」へと
投出された「血族」へと…受継がれ…託され往く…「命」の「真果」を育みながら…新たな「灯火」の
「灯花」を「成」らせ「得て」往く「光陰」を待った…そうして…「成」らせ「得て」往く「光陰」を
「敗戦の地」「日本」で過ごさせる「塵事」は…「国境」を超えた「命(めい)」をも「使」わし…
「敗戦国」という「試練」で灯された「使命の灯火」は…「日本」の「人」々と共に「悼」「心」を…

「導いた」…

そうして…「導かれ」往く「思い」は…先人達の「尊き思い」で「生」らし…「得」させて往った…
「使命の灯火」で「導かれ」…「成」らせ「得た」「灯花」が…「命」の「真果」という「希望の光」を
放つがゆえ…「境涯の淵」へ「誘う」…「煩悩」という「迷紕(まよひ)」を祓い往く「道」をも照らす…

そうして…「誘い」…「導かれ」往く「岐路(きろ)」は…

「紡がれ」往く「心」を断切ろうとする「悪しき思い」への「道」…
「紡がれ」往く「心」で繋がり続けたい「気高き思い」への「道」…

でもあった…

それは…「紡がれ」…「解れ」「逢い」ながら…絡み「逢って」往く「人」の「心」が…
二本の「生糸」で…「織」「逢う」「生絽(きろ)」と「成り」…互いの「心」で奏で…
「織」「逢って」往く「人生」という「名」の「生絽」を…「精誠」させ往く「旅路」が…
「導き」…「誘う」「岐路」をも「生」して往く…そうして「精誠」され往く「旅路」で…
「紡ぎ」…「逢せ」往く「心の心棒」が…「恩愛の心」を「悟らせ」…「得させ」往く…
「使命の灯火」を…「灯花」へと「成らせ」往くがゆえ…「国境」を超え「使(つかわす)」…
「命(めい)」は…「紡がれ」続けたい「気高き思い」をも…重なり「逢せ」…「織」「逢った」…

「心」で…「富国の地」「日本」を…築き上げて往く…「礎」となって往った…

そんな…「光」と「闇」が齎し…宿し往く「思い」の「連鎖」が…「人」々の「心」を…
「導き」…「誘う」がゆえに…「人」という「尊き礎」が「生」まれ…築かれて往く…
それは…「人」という「尊き礎」が新たに「生」まれ往く「命」を宿し…育まれ往く…
「光陰(とき)」の中で…重なり「̔逢って」往く「心」を奏で…「紡ぎ」「逢わせ」「得た」…
「心の心棒」が…「家族」という「絆」をも…「縒り」「掛け」…「逢わせる」がゆえ…
そうして…築かれて往く…「家族」という…小さな「社会」が…「尊き」「思い」を…
「生(な)」し往く「命(めい)」を「悼」「光」を放ち…「人」々の「心」が欲して止まぬ…

「泰平の地」へと「導いて」往くのだろう…

【前章】

一九四五年 八月十五日 多くの「命」を消し…去って逝った…
「悲劇」は終幕を迎え…六十八年という…歳月が流れていった…
「尊い命」の「炎」を…吹き消し…去って逝った…あの日から…

“「人」は…何を「得」…何を「失って」 きたのだろうか…”

「地獄絵巻」と化した「終戦の地」で…「失われた」「尊い命」…
それは「言葉」では語り尽くせないほどの「思い」となって…
「人」々の「心」 へと「宿り」新たな「国家」を築き上げる…

“「礎」となって往った…”

そんな…「人」々の「尊き思い」が…
幾重にも…重なり「逢い」…迎えた…

|今日(こんにち)

“「人」は…一〇〇年という「命」を「得て」往く…”

だが…「尊い命」によって「導かれ」…「得た」「富国の地」でさえも…
己の「エゴ」や…「絶望感」に苛まれ…永らえゆく「命」の「炎」を…

“吹き…消そうとする「人」々がいる…”

また…未だに「血」で「血」を洗い続けて往く…「貧困の地」では…
国家の「エゴ」が齎す「抗争の波」へと「誘われ」「命」の「炎」を…

“消し…去って逝く「人」々もいる…”

豊かな「富国の地」で「命」の「炎」を…吹き…消そうとする「人」々…
貧しい「開拓の地」で「命」の「炎」を…消し…去ろうとする「人」々…

“「人」が「人」であるがゆえ…”

貧しかった「開拓の地」から脱し…「富国の地」を…「得」ようとも…
「命」の「炎」を…吹き消し…去って逝く「人」々が絶える事はない…

そんな…「殺伐」とした日々の中で…

“なぜ…「人」は…「生きなければ」ならないのだろうか…”
“なぜ…「人」は…「生きたい」と…「願う」のだろうか…”

「人」が「人」として…「生き」「続け」なければならない…

“「本当の意味」…”とは…

その問いかけは…

「人」々の「尊き思い」が集い…築き上げられてきた「人間社会」へと繋がって往く…
流れ往く歳月の中で…幾度となく…「命」の在り方を問われ続けてきた「人間社会」…
それは…新たに「生」まれ往く「命」と共に小さな「家族社会」を築き上げ…形成し…

“「得た」 …”もの…

また…

「人間社会」を「形成」し往く…「家族社会」は…
「人」と「人」との「縁」によって「導かれた」…
「人」々が…互いを「慈しみ」「育み」続けてきた…

“「恩愛」の「心」…”によって支えられている…

そうして…

「慈しみ」…「育まれて」きた「恩愛」の「心」が…断つ事のできぬ「絆」となって…
「人」々の「心」を「導き」…「家族」という…小さな繋がりを「宿し」続けてきた…

それゆえに…

「尊き思い」によって齎され…築き上げ…「得て」きた「人間社会」こそが…
「命」の「炎」を灯し続ける…気高き「使」「命」を「担って」ゆくのだろう…

そんな…「人」々の…「尊き思い」によって…「得た」…
「人間社会」の中で…「家族」という…小さな繋がりを…

“「再生」し…”

「生きる」「意味」を…「模索し続けて」きた…「ある家族」の「人生」から…
「人」が「人」として…「生き」「続け」なければならない「本当の意味」を…

“「皆様」と共に「悼(とう)て」往きたい…”

そして…
「天」より「|使(つか)」わされし「|(いのち)」の「真果」は…
「人」々が…欲して…止まぬ…「泰平の地」へと…

「導いて」往くのかを…

【序章】


二〇〇六年 九月 深夜〇時二〇分
“「ビシィ……」…、「ビシィ……」…、 ……” 

中秋の|明月(めいげつ)が迫る秋空の|()に…忽然と響いた…「奇怪」な「物音」…
それは…私達「家族」の人生を一転させる「口火」となって往った…

「人」ゆえの「縁」が齎たらす「|塵事(じんじ)」は…「幸運」もあれば「不運」もある…
私達「家族」を襲った「人災」という「火種」は「試練」という名の「不運」であり…
今もまだ…「不運」の「火種」は「燻り」…再び「熾こる|光陰(とき)」を待ち続けている…
だが…この世に齎される全ての出来事は…「幸運」と「不運」が「表裏一体」となり…

“「|熾り《おこり》」…「得た」…「|天命(もの)」…”

そうして…「|熾り《おこり》」…「得た」…「|(めい)」が「使わし」…
“「宿す」…「|(いのち)」の「真果」が…”

「境涯の淵」へと「鎮めて」きた「心」の「火種」をも…呼び「熾し」…
「人」々の「利己的」な「思い」が連なる「人災」へと「誘って」往く…
だが…「|天命(てんめい)」より「使わされ」…「熾され」ゆく「人災」という「火種」に…
怯む事なく立向かい「身命」へと…「課され」ゆく「使」「命」の「灯火」を…

“「悟り」…「得た」…「|光陰(とき)」…”

「人」々の「利己的」な「思い」が齎す…「人災」という名の「不運」の「火種」は…

“「幸運」という名の「灯花」と「成って」…”

「歩むべき」「道」をも…「照らし出し」…「人」々の「心」が…
「欲して」止まぬ…「泰平の地 」へと「導いて」往くのだろう…

【命名】

【命名】

一九七〇年 秋暑し風が舞う 大阪の下町に…

“新たな「生」「命」が誕生した…”

この世に「生」を授かった「赤子」は「己」に…
課せられし…「使」「命」を…拒むかのように…
ヘソの尾を…「己」の「首」へと絡ませていた…

だが…

そんな「赤子」の「思い」を断ち切るかのように…
産婆の手は柔らかな赤子の「臀部」を叩き続ける…

“「パァシィー…」「パァシィー…」「パァシィー…」…”
“「………」…「………」…「………」……”
“「パァシィー…」「パァシィー…」「……」…「…」…”
“「オッ…」…「オギャー」、「オギャー」…”

「煩悩の闇を破る」「子」…「明」「子」…

“「ミョンジャ」… ”

父「繹奉」が「娘」に託した切なる「願い」…
そんな…「尊き思い」が籠られゆく「名」に…

“「命」の「炎」 ”が灯る…

「生」と「命」

「生」と「命」

生活に追われ…煩わせ往く…「人」々との「縁」を断切ろうと「心」を逸らした日…「戦前」の殺伐とした時代が脳裏に描かれ…現代の「不況」と重なる「思い」を…齎した…それは…「人」が「人」であるがゆえ…齎され…宿し往く「煩悩」という「迷紕(まよひ)」…そんな「人」が「人」として「生(いき)」往く「命(めい)」を…「紐」解き…現代社会が抱える本当の意味での「不孝(ふきょう)」を…「悼(とう)」「心(こころ)」で「織」「逢せ」…「人」が…「人」として「生」き…「生」かされ往く「人間社会」の在り方を…「悼て」みたい…

  • 小説
  • 掌編
  • 時代・歴史
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2013-02-14

Copyrighted
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Copyrighted
  1. 【前章】
  2. 【序章】
  3. 【命名】