すべてを捨てられるか。

 ゆうひを飲み込んだ。

 うっかりしていた。


あまりにも美しくて独り占めしたかったから
誰にも渡したくなど無かったんだ。


 白状すると


昨日、やつが沈むその瞬間に
こっそりと食べてしまいました。





 味など無いけど


            わ
 光になった



だから、今のあたしには顔が無い。
みんな朝が来ない理由を知らない。



  太陽になったから

  何も必要ないわね。


大切でずっと捨てられないと思っていたものさえ
幻想だったって気がついたもの。





 たいせつなひとも
 たいせつなまちも
 たいせつなたからものも
 わたしをつくりだすすべて
 あした血になりからだと心をつくるものすべて



 ほんとうにほしいものひとつを手に入れるときには

 今一番大切なものを三つ捨てなければならないのよ



それでもほしいというのなら
いつだって目の前にあるんだから
てにとればいい




                あなたは全てを捨てられる?

すべてを捨てられるか。

すべてを捨てられるか。

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2011-06-01

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