NEET桃太郎
プロローグ
俺は、鬼桐 桃太郎だ。今年で17歳になる。
学校へは行ってない。働いてもいない。ついでに言うと、外にも出てない。
つまり、自宅警備員だ。
俺を育てた親は嘆いているが、そんなもの知ったことじゃない。どうでもいい。
だが、今日。どうしても外に行かなければいけなくなった。
この俺が、外に。
理由は簡単。親が、旅行に出たからだ。
俺を置いて。
「チクショウ・・・・腹減った・・・」
家に飯が無い。金も無い。どうしようもない。オワタ\(^o^)/
本当に勘弁してほしい。
俺は知ってる。これが、俺を外に出すために仕組まれたことだと。
しかし、知っていてもどうしようもないのだ。
親には逆らえない。逆らったら、マジで死ぬ。怖いとかじゃなくて、餓死する。
というわけで、外。
「暑い・・・」
猛暑日!こんな日に外出さそうとするな!!
さて、どうする・・?働く?・・・簡単な仕事ないかなあ。
とりあえず歩くか。
金がねえなあ・・・・・。
「最悪、水で腹膨らますかぁ・・・はぁ・・・」
そう落ち込んでいると、足下にカサッとチラシが落ちた。
それを見た俺は、
「人生一発逆転チャンス・・・ッ!!!」
自然と笑みがもれていた。
店長
それは、ホストのアルバイトでした。
早速桃太郎は、アルバイトの申し込みをしました。
しかし!店長から思いがけない言葉が!
「うわあwwブサメンだねwww君の顔だとトイレ掃除しか割り振れる仕事がないねwwwww」
なっ!何だと!
桃太郎がうろたえました。いや!まだ終わってねえ!
「ッ待ってください!俺、居合道十段です!」
「ちょっまwww居合道ってwww中二病?www」
ぶちり。
桃太郎の何かが切れた音がしました。
「死ねええええええええええええええ!」
桃太郎は、隠し持っていた刀を振りかぶりました!
ぶしゃああ!
紅い血が舞いました。
店長は死にました。
「うわあ!殺っちまった!・・・また、罪のない人間を殺してしまった・・・」
桃太郎は逃げようとしました。
しかし、走っている途中工事現場に迷い込み、
「!?マンホールのふたがないだと!ッエーーイ☆」
下水道へと落ちて行きました
そして、
「痛い・・・・はぁ、ニートって運が悪いのかな?」
とりあえず歩く。
上の丸い穴から光が差し込むが、ハシゴがない。
「登れねえ・・・・」
なんて不幸だ!
暑い日に外に追い出されたと思ったら、餓死しそうになった挙句、マンホールから落ちるという連鎖。
しかし、嘆いたところで何も変わらないのは百も承知。
幸い、一本道だから、迷うことはまずないだろう。
後は、上に出るか電話するかすればいい。
・・・電話?
あれ?携帯あるじゃん!助かる!!
携帯電話を手に取り、開く。
カチッという音がして、
「・・・・・・・・・・・・・充電きれてる?」
つかない!ふざけんな!!
そうこうしているうちに、どれほど歩いただろうか。
感覚としては、2、3キロは歩いたと思う。
いや、時間的にそれは流石にないな。うん。
まだ10分くらいしか、経ってないよな。
壁に目をやる。延々と続いてるよ、これ。
「あ、懐中電灯見っけ。もらっておこう」
電気をつける。
おお!先がよく見える!
視界と絶望が広がるな。
仲間
先に進むと誰かがいました。
なんか、族上がりみたいなキジがいました。
彼はこう言いました。
「あんちゃ~ん!金貸してくんね!?」
NEET桃太郎