宝物

本屋で恋愛小説を立ち読みして、淡い心。
近くのコンビニでいちごポッキーを買うようなそんな想い。
なのにそれが今現在一番の宝物で、最優先になっているかも。
雨の日にお気に入りの傘をさして長靴でびしゃびしゃ帰った帰り道に覚えた歌。
毎日繰り返し 口ずさむ。
あの頃から、なんら 変わってはいない。

鏡を覗き込んで 死ぬまで一緒の恋人に
「なにより愛してる。」
かっこいい自分を演じることをやめたときから
自分を本当に愛せるようになった気がする。
ありのままのあたしを知ったら
どんな頑張って作り上げたあたしなんか比べ物にならないくらい
いとおしいって思えたから。

肉体は死ぬまで出口のない入れ物で
死ぬときには全てとおさらば。

だから、雨の日の歌もコンビニのいちごポッキーも
チープな恋心だって今一番大切にしたい宝物。

・・・思った以上に乙女。

宝物

宝物

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2011-05-31

Copyrighted
著作権法内での利用のみを許可します。

Copyrighted