味わいましょう。

夜中に 喉を潤す 一杯の水みたいに、身体の奥まで染み渡る そのような女でありたいものだ。

恋愛の極みはどこまで許せるか、どこまで落っこちる覚悟があるか、そこなんじゃないかなあ。

あたしはといえば、かつて自分でざくざく掘った深い穴を上から覗いてはみたが、それはそれはしっかりと掘り進んだようで、底が見えないのだ。

試しに石を落としてみるが、いっこうにかつーーんと底にぶつかる音は聞こえず、自分で掘ったくせにほとほと途方にくれている。


そのような恐ろしい闇に、いったいあなたはどこまで踏み入れる覚悟をお持ちか。


そして、いったいあたしはどこまで立ち入ることを許そうか。


いっそのこと、今見えるところも見えないところも全てを承知で飛び込む覚悟があるのなら、、、(おそるおそるではなくね、)


あたしはいったいどこまであなたをいただきましょうか、などと
あほなことを考えなくてもいいのにね。



どこまで行きましょう?

行き着くところ、どこまでも。

感覚を鈍らせるような
目先のド派手なピンクの花は、見るだけにしましょうよ。
麻痺してしまうわ。

知りたいのなら、見に行きましょう。その味覚の鈍くならぬうちにね、



甘いかしら。

それが苦い苦いものだとしてもいいよね。

本当に美味なものは、きっと醜い姿をしたものでしょう。

味わいましょう。

味わいましょう。

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2011-05-31

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