恋人へ

メッセージ

今日の昨日で変わったって言うのもなんだけど、でも本当。
女は毎日変化していくのだから。

コンビニにずらりと並んでいるファッション誌、
「ほらほら、見て見て。」って笑っちゃうんだけど。


美は永遠のテーマだしねぇ。
かわいい物だって大好きだし。
でも全部流れて行っちゃう。

理解しがたいでしょうけど、あたしのあなたへの気持ちだって正直一刻一秒と変化している。

面倒だって言うかしら。

あなたは安らぎを求めているのでしょうし。
あたしだって一緒だよ。いつも安心していたい。

だからこうしていつもあなたに対して真っ直ぐであるために、毎日伝えるわ。
とても大切なことよ。
絶対的なものってあるわ。
永遠だって信じている。

でもね、それはめったにあることじゃないし、そうだな、偶然には起こらないことだっていうのも知っている。

・・・だから何が言いたいんだって言うわね。


あのね、どうせ変わっていくってわかっているのだったら、
幸せになろうよってこと!(はーと)

てんてん

洗濯をしたら、雨が降ってきた。
長いこと溜め込んでいた汚れ物を
たまの休みに天気も考えないで洗濯機を回したらこれだよ。

洗濯物はとっくに洗いあがっている。
行き場のない僕の心みたいだ。

シワシワのまま、乾いていく洗濯物と
悪臭を放つそれをどう処理しようかということにすでに頭がいっているどうしようもない自分に、もう腹も立たない。

今ならまだ間に合うって。
そんなことは解っている。
でも、どうしようもなく面倒で
いっそのことこのまま、世界中の誰からも忘れ去られてしまえばいい。

雨は勢いを増している



僕の代わりに泣いてくれ
泣き方なんてとっくの昔に忘れてしまった。

全てを洗い流してくれ
幸への幻想も、君の孤独も、愛も、憎しみも

バーテンダー

夜中になるとあなたを思い出して、そしてとても満ち足りた気持ちになる。
きっとまだあなたは仕事の真っ最中で、美しい指先で氷を砕いたりしているのでしょう。
そしてだれにも惜しみない笑顔を注いで、ひと時のオアシスを創りだしている。
都会の薄汚れた夜の空気を
愛に疲れきった女のため息を
最終の満員電車を見送った若い営業マンを

暖めてゆく
一種の魔法だわね。

おしゃべりが溢れ
笑い声と 音楽で誰も気がついていないみたいだけど、
あたしは知っている

あなたが丁寧に一つ一つに想いを込めること。


あの指先で。
あの唇で。
満ち足りた眼差しで。

わたしは、そんなあなたの変わらないたった一つのオアシスでいるために
ここに生きているのだ。

全てを飲み込んでどっと疲れたあなたが、たった一つ帰ってくる場所が
ここなのだ。

恋人へ

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  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2011-05-31

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