日常と異常の境界 最終章 祟羅と吸呪姫~セカンドキス~

二万文字前後の短編コンクールに応募した作品(一次選考通過作品)の最終章です。
まさか雑誌に自分の名前が載るとは、夢のようでした。

祟羅と吸呪姫 セカンドキス

『祟羅(たたら)と吸呪姫(Kyu‐zyu‐ki)』

 福与は呪いを与える者ではなく、特定の人の呪いを享受する神様だった。
 呪いを喰う神様……。
 彼女はそういう類(たぐい)の存在で、好きな異性の呪いを何よりも好物としている。
 
 ……付き合ってくれなきゃ、殺してやるから――
 
 あの強迫的な告白はつまり、彼女と付き合わなければ、契約者を何らかの災厄から守ることができないということだ。そして自分自身の死を恐れている表情を隠し持った言葉でもあったのだ。
 僕の周りでは不幸の連鎖が続く。近所の人は陰口を言う。「外れ者と裏切り者の子供は災いをもたらす」と。
 僕はいるだけで周囲を不幸にする。だったらいっそのこと、僕が消えてしまえばいいのだろう。町の外からの脅威にさらされることもない。みんなが幸せになれる。
 僕自身、永遠を手に入れることで、福与と終わりのない一生をともにすることができるかもしれないのだ。


「それがあなたの望みなの? なら、その呪われてしまったような絆を食べてあげる。でも条件として、もう永遠に全てから忘れ去られる。あなたの記憶は戻るかもしれないけれど、代価として全ての人の記憶からあなたが消える」
 それでいい。それ以外にもう、道はない。
「もしかしたら、私でさえもあなたのことを忘れるかもしれない。そうなればあなたは、完全に独りになる。あなたが私を裏切ったように、私もあなたを不本意に裏切るかもしれない。本当にそれでいいのね?」と、続けて言いながら、福与は目をスッと細めた。
 世界の神秘に満ちた福与の雰囲気に、白い着物が良く似合っている。
 僕はそんな彼女を見て陶然(とうぜん)と、木曜日の最後の瞬間に広がる澄んだ夜空へ、視線を移して思った。彼女が僕を忘れるわけがないと。
 視界に入る星屑の海がそう思わせたのかもしれない。冴えた月の色を中心に、貴石がつぶつぶと浮いている。この輝く海に浮かぶ地球も、多くの生命に彩(いろど)られているのだろうか。
 宇宙に中心があるとするならば、そこから見る景色は如何様(いかよう)なものであろうか。あふれる光が点在し、星々の海を泳ぐ。眩い流れは燦然(さんぜん)たる輝きそのもので僕を覆い尽くすのか。
「僕が幸福に満ちていれば周囲は不幸になり、僕が不幸にならないと周囲は一生不幸のままだ。もうそんなの、嫌なんだ」
 この大気に包まれた惑星に、星屑達のエピソードが、燦々(さんさん)として輝いて聴こえる。
「僕の呪いを喰ってほしい。そして君と出会えたころの『良い想い出』を完璧に思い出させてほしい。それ以外に思い残すことはもう、何もない。全て、全て君と見る星空の前に、未練は消えると思うんだ。燃え尽きるんだ。だからみんなから僕を消してほしい」
 どこからか、世界の神秘を隠し持つ妙なる旋律が、流麗にたなびく。星屑達の歌声だろうか。福与のハミングと同じようにさえ思えてくる。いや、星屑達の歌声にシンクロしているのが、彼女だ。
 異なる星音(せいおん)の気配は、光の粒となって僕達の周りで浮遊する。
「そもそも、居場所なんてない。呪いに満ちた人生なんだから」
 もう一度福与を見る。髪の間から覗いた額が、月の斜光で綺麗に浮き彫りにされていた。
 福与は僕に近づく。僕の瞳の奥を覗き込み、キスそのものよりも魅惑的な一瞬を長引かせる。
「じゃあ、契約更新(セカンドキス)」と言って彼女は、自分の唇で僕の唇をなぞる。そして彼女は、自らの牙を僕の唇に喰い込ませた。
 鋭利な痛みと熱が胸の奥にまで伝わったとき、記憶と永遠というものがどういうものなのか、解った気がした。そして次の瞬間、たまらなく悲しくなった。
 なぜなら〝存在〟が記憶と永遠の証明者なのだから。記憶と永遠は何かが消滅した瞬間に死んでしまう。つまり〝存在〟が命のしるしなのだ。
 僕は、中学一年生の記憶を取り戻した。記憶が記録という事実に置換されて、現在の僕に追いついてきたのだ。それは、謎に満ちた中学生活を謳歌しているころの、散ってしまった記憶のカケラであった。


 初めて着る制服にまだ慣れていないころ、僕は誰にも迷惑がかからないように、グラウンドより図書室にいることにしていた。図書室は静かで、ほとんど生徒がいないからだ。いたとしても高校受験を控えた生徒ばかりで、同級生は教室で友達とすごすか、グラウンドで昼休みを楽しんでいた。若者の純文学離れが深刻化していることを、肌で感じた。
 そんなある日、クラスで委員を決定するときだった。僕は人口密度の薄い図書委員に立候補し、他に誰も候補者がいないことに安堵した。しかしそれも束の間、隣の席で図書委員に立候補してしまった村瀬美和子という女子がいた。別の小学校から入学してきた子だ。
 この町には当時、小学校はいくつかあるが中学校は一つしかなかった。そのために僕が『祟羅(たたら)』だということを知らない生徒の一人でもあった。
余所者(よそもの)とダム推進派の息子として付けられた、もう一つの名前だ。
 女子も女子で、他に候補者がいないから村瀬が自動的に図書委員となった。周囲はあからさまに僕を避けていた。
 しかし村瀬だけは、積極的に僕に話しかけてきた。初めての英語の授業の感想、将来の目標、そして芸能の話など。
 それからというもの、僕に気があるのかどうか、まぁ、期待はしていたのだけれど……。でも、僕は福与を選んでいた。だからできるだけ遠ざけようとした。周囲が僕を遠ざけるように、僕もまた彼女を遠ざけた。

「ねぇ。今日こそ一緒に帰ってくれるよね?」
 ようやく制服が着なれてきたころだ。梅雨と中間試験が近づいている。
 周囲が発散する空気は、出だしでつまずきたくないという思いで、いっぱいだった。
「クラスメートで席も隣で、委員会だって同じなんだから、たまにはいいでしょ?」
 このころの僕は少しばかり、油断していたのかもしれない。福与と一年数ヶ月をすごしてからというもの、村瀬とのあいだにさえ何も不幸がないからだ。

 ――その子、殺すわ。
 
 福与の射抜く氷のような視線が、僕の心に一つの形として落ち、波紋となって不安が広がる。
「殺すってそんな、一緒に帰っただけなのに」
「怖いの? 失うのが」
 瞳の輪郭が、急に、優しくなった。
「僕は、友達もつくれないの?」
 普段は掠れている低い声が、湿っていることに自分でもよく分かってしまう。本当なら、村瀬も僕に関わらせない方がいいに決まっているのに。
「……つくれないことは、ないわ。ただ、その人は不幸になるし、あなたはもっと不幸になる。今までずっとそうだったんでしょ? 人はね、恋と愛というものは迷惑をかけあったり喧嘩しながらも、寄り添って生きていけるものだと、心のどこかで信じているものなの。ただ、その愚直なまでの正直な気持ちが、から回りしてしまうこともある」
 福与は僕から視線を外し、目をスッと細める。遠くの、茜色に染まっていく薄い青空を、見つめている。
「例えばこの神社。昔はこんな立派なものではなかったわ。ただただ町の安全をと、その建て前で町を観光地にしようとした住民の隠れた意思がある。町の総意が、町の自然なままでの意思を破壊した。私にとっての不幸は、町の総意なの」
 遠い昔は御神木とされていた大木に、福与は手を当てて続ける。
「この町は、あなたを通過点にして世界から呪われてしまった。神社の改築だけでは飽き足らず、新たな神の木を植えたために。
だからあなたは違うのよ。たった一人だけで必ず綻びを生じさせて、相手を傷つけてしまう」
 そうだけど……。
「でも、普通の友達が――」
 言ってから、しまったと思った。慌てて口をふさぐが、もう遅い。
「そうね、私は普通じゃない。だからこうして、世界から間違われてしまったあなたの前に現れたのよ」
 夕陽が福与の愁(うれ)いを帯びた顔を浮き彫りにする。
「今日はもう帰りなさい」
 だんだんと、僕達のあいだには会話が少なくなり、逆に村瀬と友達として付き合う回数が増えていった。

 
 今日は、一緒に帰ろうか。

 僕はそのように、自然と村瀬を誘えるようになっていた。そして福与とすごす時間が減っていく。
「ねぇ、コンビニ寄ってかない?」と、鈴の音のような声色で言った。リズムが良く弾んでいる。
 この町にたった一つだけの貴重なコンビニに寄って、ジュースやアイスを買う。そしてバス停で一緒に時間をすごす。まるで一瞬だけ時間が止まり、僕達だけの世界が訪れたかのように楽しかった。
「最初、私のこと遠ざけてたのに……でも嬉しい。ねぇ、今だから訊くけど、どうして私のこと遠ざけようとしていたの?」
 僕は何て答えればいいのか分からず、悩んでいた。僕の近くにいるだけでその人が不幸になるからとは、とても言えなかった。中学生活が始まって初めての友達を失いたくなかったし、福与より村瀬といた方がなんだか楽しかったからだ。
「ちょっと、緊張していただけだよ」
 僕はそう、答えていた。
「緊張、か。とてもそういうふうには見えなかったけれど、でもま、いいか。ねぇ、今度の日曜日にどこか遊びに行かない? 映画とか、カラオケとか」
 雨があがると同時に、バス停の小屋で過ごしていた時間が外の世界とリンクした。
 え、二人で?
 もちろん!
 村瀬の笑顔を、雨でさっぱり洗われた空気と、洗練された波光のきらめきが覆った。

 ここから先の記憶は鮮鋭に、不幸の影をともなって、脳の中枢から蘇ってきた。

 村瀬との約束の日曜日、僕は寝坊した。急いで歯を磨き、洗面をする。そして髪を軽く遊ばせるような感じでソフトに、クセのある後ろ向きにした。朝食を食べる時間はない。
 今日の服装は、昨夜遅くまでかけて決めた。最高気温が珍しく例年よりも下回ると予報にあったので、気持ち暖めにした。黒のチョッキに白のTシャツ、そして黒のジーンズ。左手には、つい最近買ったばかりのブレスレット。首にはフェラーリのネックレス。
 走って駅前のロータリーにむかう。このときばかりは、完全に村瀬のことしか頭になくて、福与のカケラさえ存在してはいなかった。
 息を切らしながら村瀬を見つけようとするも、なかなか視界に捕まらない。
 少し離れた場所で人だかりができているが、今の僕には関係ないことだ。
 ――あの子、大丈夫かな?
 遠くから救急車のサイレンが近づいてくる。
 ――誰かと、待ち合わせてたのかな? 今どきの運転手ってホント、マナーを知らないよね。
 そんなことも、どうでもいい。
 まだ、来ていないのだろうか。僕と同じように遅刻をしたのなら、お互いに笑えてしまう。同じ時間帯まで同じことを考え、そのせいで遅刻したのなら、なんて幸せなことなのだろうか。
 それとも、僕がなかなか来ないので、怒って帰ってしまったのか。あるいは暇つぶしに野次馬にまぎれているのだろうか。少し考えてみて、僕も野次馬の群れと化した。
 すでに到着している警官がその詰め寄る人達の防波堤となっているが、混雑は増すばかりだ。この野次馬のなかにある思いは他人の不幸に対し、どのような形や色をして渦を描くのか。
 しかし僕の思いが急速に変化したのは、まもなくのことだった。まるで偶然に人格でもあるかのように……。
「え?」
 一瞬、何が起こっているのか、脳が視覚情報を上手く処理できなかった。刻印することを拒絶しようとして失敗し、不確かで不安定な状態で貯蔵される。そして再生と再考を断固拒否しようと、脳が身構える。まるで世界の色が裏返り、現実を拒否するかのように、思考回路が混乱した。僕そのものが現実から乖離していくようで、目の前の事実がぼやけて霞んでいく。涙腺がそれをより一層強めているようだ。心に広がっていた純白の輝きの中心に、一点の暗い影が落ちる。そして波紋を呼んだ。いつかの福与の氷のような視線で生じた不安の波紋が、現在に追いついた。そして目の前で実体をともなって現実になる。本当に、まるで偶然に人格があるのかと思えてしまうほどに、その現実は僕の幸福を否定するものだった。
 救急車が到着し、隊員が飛び出してきた。
「年齢は十二歳、女子中学生。名前は、村瀬美和子!」
 あれだけコロコロと変わる表情を出していた顔からは、何も浮かぶことがなくなっていた。両目も閉じられてしまっている。春を思わせる麗(うら)らかな日差しが刺すアスファルトのコンクリートには、村瀬の頭から流れる黒い血が広がっていた。

 ――この人殺し!
 ――殺してやる、殺してやる!
 そう、手術室の前で二つの黒いシルエットに、襟首を持たれて本当に絞め殺されそうになった。親戚の人達の泣き声に包まれながら。
 本当に、どうしていいのか分からない僕は、福与に助けを求めた。彼女ならどうにかしてくれるかもしれないと。
 だが、そんなに都合良く世界はできていない。
 福与のいる場所まで全速力で走った。しかしだんだんと暗くなる空の下で、足の筋肉はすぐに鉛を含んだように重くなる。それでも彼女ならば現実を変えることができると思い、悲鳴をあげる筋肉をさらに酷使する。
 雲は、今の僕の足と同じようにどっしりとした重い様子で静かに動き、今にも泣きだしそうだ。けれど粒はまだ一つも落ちない。
 やっとの思いで坂を途中まで登り、今度は神社へ続く石階段を駆け上がる。
 しかし森公園には彼女のカケラの気配がなかった。木々の匂いも感じられない。小動物や虫の息づかい、森の神秘性もなかった。まるで神社全体が、もぬけの殻のようであった。
 そういえば僕は、彼女のことを名前と存在理由しか、知らなかったのだ。
 気がつけば、昔は御神木とされていた古い大木に、絞め殺しのアコウが発芽していた。まるで福与に寿命が芽生えてしまったかのように、僕は思えた。
 僕は鳥居まで戻り、町を見渡した。澱んだ水をいっぱいに溜めこんだような雲が、この町にのしかかるように覆い始めていた。湿って生温かい空気が僕の頬を撫で、目の前にある世界の色彩が、ふっと消えたように感じた。胸が冷たくなる。
 同時に、最初の雨粒が逃げ場のない僕を選ぶかのように、ぽつりと目の下を流れた。僕自身の涙のようにも思える。いや、もしかしたら本当に涙だったかもしれない。しかしそれはすぐに分からなくなった。水が落ち、どんどん増殖し、地面も空と同じ色に染まっていったからだ。

 ボクハドウスレバヨカッタノダ。

 今日の雨は、なかなか止むことを知らないで、ずっと降り続くのだろう。
 どうして僕は、いつもこうなのだろう。誰も幸せになど、できないのか。

 それからの日々の一つひとつは、まるでプールのようなレールはない大海原を、溺れないよう泳ぎ抜くことだけで、精一杯だった。そのようななかで、僕は村瀬と交わした大切な何かを失った。

 ……なんだ、結局、不幸をばらまいているだけじゃないか。幸福だと思えることは、福与と一緒にいるときにさえ、ないじゃないか。それどころか福与にも迷惑をかけて、失望させてしまった。
 どうして僕はこんな大事なことを忘れていたのだろう。東京へ引っ越したのも、この現実から逃れるためだったのかもしれない。そして忘れてはならないことを綺麗さっぱり忘れてしまった僕は、なんて残酷な人間なのだろう。
「ごめんね。あなたの呪いは強すぎて喰いきれない。
 この町の人々の憎悪が、全てあなたに集約されていて手に負えない。ごめんね」と、僕にとっての真実の天使は謝罪する。
 僕と繋がりが強い者は、強いだけ僕を忘れさせることができないという。つまり家族や親戚はもちろん、僕への怒りが強い者も、僕を忘れて幸せになることはできない。
 福与が苦しむのも、僕のせいであろう。彼女を長いながいいっときのなかで、完全に忘れていたのだから。
 その間、彼女は死の気配に脅えていたのだ。この町の住人の意思で改築された神社と、開かれてしまった森の傷跡で苦しんでいた。
 僕達二人は、住民の意思の境界線で、この町から隔離されている気がする。
 いつのまにか雨が降ってきた。福与が濡れる。彼女の着物もぐっしょりと濡れている。
 僕の唇にできた牙の痕からは、深紅の水滴がぽたぽたと落ち、地に着く前に雨水に吸い込まれるようにして溶けていった。
 福与は夜空を見上げて言う。
「私は夜が好き。暗闇じゃないと、星々の海が観えない。季節ごとの夜空の物語が、語られることがない。だから、雨は嫌い」
 そして僕の方へむいて続けた。
 
 ……ねぇ。まるで私達は、自分達の運命に反逆されている、神様と悪魔の遣(つか)いみたいだね。
 
 僕は、自分の首筋に当たる彼女の息吹に、死の気配を感じた。同時に、冬を連想させるような指が、僕の唇を優しくなぞった。瞬間、理解した。町が死ぬまで僕達は死ねないが、町が滅びれば僕達も別の世界へ移される。
 降り出してきた雨は、僕の心の芯にまで染み込んでくる。胸の奥は冷たさに痛がり、身も心も全てがふるえた。まるで僕達の人生の結論が『お前達のための幸せなど、この世のどこにもありはしないのだ』と、不治の病を宣告しているようだ。
「そうだね」
 再び重ね合わせた唇は、お互い哀しみに満ちていた。そして絶望のなかの愛の祝福は、一つの物語を終わらせるのだ。
 僕達は哀しみに暮れ、濡れていく。お互いの世界だけを視ていく。世界を覆う蜘蛛の糸を持てない理不尽な責めを、町の人達からの妄執を、永遠とともに二人で背負っていくのだ。この、ミニチュアのような町で……。

日常と異常の境界 最終章 祟羅と吸呪姫~セカンドキス~

以上で、日常と異常の境界は完結です。読者の皆さん、読んでくださり、ありがとうございました。
まだ統合失調症などで句読点の位置が変だったりしていますが、現在執筆中の作品は、だいぶ小説らしくなってきました。
その作品は、別のコンクールに応募予定です。
また、時間を作っては「日常と異常の境界」の続編を書いています。ネット公開用として作るため、字数などにとらわれることなく、のびのびと書いていきます。
公開したときは、また、よろしくお願いします。

短歌の会で発表した歌もこちらでアップ予定です。
続編ができるまで、そちらを少しずつアップします。

日常と異常の境界 最終章 祟羅と吸呪姫~セカンドキス~

いつからだろう。 僕は、ただただ、普通の生活が欲しかっただけなのに。 いつから、ありえないことに足を踏み込んだのか。 村人から忌み嫌われている少年と、村人を心のどこかで良しとしない異質な少女。 それでも少年は、大切なものを守るために村人を許し、異質な少女は無力な自分を嘆く。 そして二人の契約が更新されるとき、何が起きようとするのか。

  • 小説
  • 短編
  • ファンタジー
  • 恋愛
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2013-02-09

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