時間よ止まれ

時間よ止まれ

何度も忘れようとしたけれど、
忘れられない人。
どんなに時が過ぎても、
新しい出会いがあっても、
ダメだった。

それ程にあなたは、私の中で素敵な人だった。
夏の海で輝いていた。

いつか、友達から
「本当に早く忘れちゃいな。
そんなのは幻だったって、
自分に整理をつけないとダメだよ。」
と言われたことがあった。

確かに若かりし日の幻だったと思いたかった。

でも、彼は事実この世界で生きていた。
そして、私の心の中でその若さのまま生きている。
私は、どんどん年をとっていき、あなたとの年の差が開いて行く。

「時よとまれ!」
出来るはずないけど、独り言のように、誕生日になる前の日の夜
23:59:59秒につぶやいてみた。

でも、その一秒後、当たり前のように日付は変わり、
私は、また一つ年をとった。

時間よ止まれ

時間よ止まれ

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2013-02-09

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