映画『ゴジラ ー0.0』レビュー
人災として描かれるゴジラに、人間の罪が重く絡み、復興という流れで誤魔化すことを許さない破壊の限りを尽くして残った焼け野原。その光景を前にして、人類が背負うべき責任の所在を鋭く問う。ある種の発明じゃないかと感心するほどにクリティカルな作品となった前作でしたが、最新作でそのアクセルをさらに踏み込み、正面衝突をぶちかましてくるとは思いもしせん。
①広島に帰郷した矢先に原爆を落とされ、家族を失った村上博士が憎しみの果てにゴジラと同じ顔つきに変容。頭の中で繰り広げる最悪の「復讐」と、②一応の解決がなされた特攻兵を巡る敷島と野田の間にある因縁に対して果たされる事実上の復讐。太平洋戦争の当事国それぞれが背負うべき業を天秤に乗せ、ケタケタと笑い声をあげる運命の女神と人の意志の真価を問うこのドラマパートがあるかないかで『ゴジラ ー0.0』に覚える印象は大きく変わったと思います。
敷島一家が迎える結末にも納得でした。GHQの間接占領下において、ゴジラを呼び寄せる媒介装置としての価値を証明してしまった典子を逃がすだけでも精一杯なのに、敷島は明子も連れて行くことを決意する。本作初登場の青山女史を含め、主要人物の誰もが償い切れない罪責に苛まれる中、明子だけが真っ新な未来の象徴だったことを思うと、その選択が信じれないくらいに輝いて見える。バイクに乗った3人=3頭をシンボリックに捉え、本作のメイン怪獣となるキングギドラに重ねて解釈できるのにも心を激しく燃やしましたね。各々の口から放出できる熱線の量はゴジラ=GHQに負ける。けれど、3頭にしかできない闘い方はあるのです。絶望的に思える状況でも、彼らは必ず生き延びる。そう思って止まないラストに私は素直に感動しました。拍手喝采です。
映像表現の部分については、キングギドラのうねうね感を過剰に推したいですね。それぞれの頭が、それぞれの反応で多方面に暴れ回るあの姿こそまさにキングギドラ。vsゴジラの場面でも、生き物めいたエゲツなさで噛むわ千切るわのバイオレンス。その周囲で作戦を実施する人々の迫真の演技と相まって、見応えたっぷりのハイライトになっていました。音圧による演出も非常に効果的で、その場に居合わせたような体感に思わずゾクゾクしてしまう。観終わってすぐに轟音シアターで2回目レッツゴーと即決しました。こちらをメインに注目している方も是非、その期待値をフルMAXにまで高めて観に行って下さい。全打席、場外ホームランの気持ち良さで劇場を後にすることができます。むちゃくちゃ面白かった!!ちょ〜お勧めの一作です。
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