発祥の地 第六部

ランドセル状態意識、あるいは500円の帰還

鶏肉がはじけ、フローレンスの顔面に付着する。これは料理の失敗ではない。ピアゴという商品機械の内部で発生した小規模な爆発である。値札は誰が決めるのか。民衆か、民衆の総意か、それとも値段を決めることによって民衆を発生させる見えない管理機関か。無料という言葉は、貨幣の外部にあるのではない。貨幣が自分自身を忘れた瞬間にだけ、無料という幻覚が発生する。

東京駅から新幹線に乗る。音楽の塊が移動し、移動した音楽の塊が像を形成する。メロウな勃起。ジャイカ資料館の放屁。平方四辺形を思い出せない大佐。キリストのバックアップデータ。ソファの注文を承る者は、そこにいるのが自分だったら、と考える。自己は注文書の空欄に記入される前から、すでに別の誰かによって発注されている。

フィラデルフィアに来ただけです。悪意はありません。脱ぐのが好きなだけです。

警官は身体を取り締まる。身体は警官の制服を取り締まる。脱衣は制度に対する抵抗なのか、それとも制度が要求する新しい制服なのか。ファクターSは答えない。答えるたびに、別の人格が抽選されるからだ。

共同墓地には兄貴と親父がいる。献花、野球場、薬科大学のグラウンド。死者の近くで若者たちはボールを投げる。アマチュアとプロの違いは陰影の問題だ、と誰かが言った。理由はわからない。理論もない。ただ陰影がある。介護職に疲れた者は責任者に説明する。共同墓地に入れるべきだ、と。暗闇は墓地の所有物ではない。職場にも、家庭にも、制度にも、すでに配分されている。

登山家の夢は登ることではないのかもしれない。自転車に乗ることすら億劫な身体が、死にたいという古い動詞を反復する。アカシジア。花の名前のような症状。鉄拳の筐体。涙を拭く。憂き世ドリンクの売れ筋ランキング。悲しみは商品棚に並び、賞味期限を与えられる。

そして500円が返ってくる。

世界中どこでも払い戻しできる500円玉。自動販売機に投入すればコカ・コーラが買える。そのうえ500円が戻ってくる。大佐はこの仕組みを理解できない。商品と貨幣は等価であるという古い文明の暴動が起きたのだ。商品は貨幣を生み、貨幣は商品を生み、両者は互いの顔を忘れる。PQOL、PRO QUALITY OF LIFE。デマカセ理論と呼ぶなら呼べばいい。人々はデマカセに飽きたのではない。デマカセを運転する労働に疲れたのだ。

コロンビア武装勢力を眺める私。世界平和のためにタバコを吸う私。CIA極秘、FDA後悔、ベートーヴェンのコーヒー。地球の表面には情報が過剰に堆積している。情報は安らぎを与えない。情報通という職業は、他人の不安を自分の専門知識として販売する。

ウンベルト・エーコの月食。コロンブスの経度計算。時間の誤差は二時間半。船は目的地を誤る。地図は正確さを主張しながら、誤差を蓄積する。会社はポルトガルに移転した。地図を見ても場所がわからない。好きとか嫌いとか、そういう問題ではない。ソウル・メディアは北関東自動車のために微笑みを返す。N刑事の浮気相手が伝言を持ってくる。16進数の語呂合わせ。父ちゃんのラーメン。母ちゃんの埋め合わせ。コントロールする、という言葉だけが残る。

夕方はchampion。
朝はchampion。
夜はchampion。

時間は広告の反復によって編成される。朝日が落ちる。ビデオの中の朝日はすでに映っていない。若者は放課後の景色を登り、下り、快楽回路の16進数を記憶する。革命家になれなかった私。喧嘩に負けなかった私。汚水にまみれなかった私。悲しい報せだけが、淡いイメージの中で何度も再生される。

土田はロスに行く。小太郎はエアコンを消す。地面から音が漏れてくる。土田は気にしないで歩く。小太郎は財布の中の一円玉と五円玉を数える。二人は同じ場所にいるが、同じ経済に属していない。土田の無頓着さ、小太郎の粘着質。貧困は性格の違いとして現れ、性格は貧困の管理装置として機能する。

小太郎は象が怖い。象さんなどと気楽に呼ぶことはできない。漫画にして送るよ、お母さん。読んで、味わってほしい。破廉恥な閲覧者だなんて言わない。言わないという言葉が、すでに閲覧者を作り出している。

麦茶を飲ませてくれ。
このコップは俺のじゃない。
別のものを持ってきてくれ。
今度は空だ。
何もしたくない。
これからもだ。

世界史は白亜紀へと退行する。考古学的な麦茶。国語明解辞典。父親の声はコップの底に沈んでいる。落雷、砲撃、隕石。小太郎はワクワクする。命までは取られないから大丈夫だよぉ。外交化政策は一人の男にしか知らされていない。内密のハチミツ。世田谷チラシ。サラダの上でビートメイキングが始まる。

必要とされていない五万人が、欲しくて欲しくて、よだれを垂らす。

欲望は欠如なのか。それとも、必要とされない人間を五万人単位で生産する社会機械の余剰なのか。サウスカロライナで再会した友達はベージュの服を着ている。ファイナルファンタジーをやらないか。欲しくて。欲しくて欲しくて。世田谷チラシ。いつもの生活。苦しい。もっと賑やかになりたい。

仏よ、里芋。僕は新聞記者。上を見ずにまっすぐを見てメモを取る。ゴシップなど知ったことか。義理の父はオルタナティブに欠伸をする。バッティングセンターの知らない場所。知らない場所は、いつも自分の知っている場所に似ている。

ヒデキが言う。金持ちはいいよな、俺たちと違って。

小太郎は少し寝つきが悪くなる。イヤミが神経回路に侵入する。バッティングセンター代がなくなる。値段を下げろ。魔活魚、重いダニ、BAD7牧場。放牧は続く。礼儀正しい礼儀作法を身につけるまで、うんこがそうだと言うまで、諦めない。限界がある。限界がないかもしれない。アンニョイ。壁紙の中に機内食があり、金色の機内食を童貞がほおばる。

人々はあくびをする。あくびも行動規範になる。レモンを持ってきてください。若年性痴呆がレモン割りで襲ってくる。友達は見舞いに来ない。カチノン、記憶、カート、アケミの肌、ティッシュ配り、口笛、タバコ、寒さ。身体は複数の習慣に占拠されている。弾薬が切れた。平穏が一瞬訪れる。土田はまだ到着しない。

立川のモノレール。小鳥のさえずり。ハートマークは心臓病。ポータブルサイトの誘惑。音階のレ。異常でも内容。ガダルカナルタカは自分がガダルカナルタカであるかどうかを尋ねる。女三人は同時に否定する。マイクロバス二台。施設の借金。二台とも潰れている。右の方が若干マシだ。

財布がない。

土田は財布を失う。小太郎は神戸に瞬間移動する。前川清のつもりか。野望もCIAも女も権力も財布も失った土田政権。国家は一人の男のポケットから崩落する。ヴァン・ゴッホの絵画。モリッシーのインタビュー。エディ・ジョーンズの73階。階段を一段上がるたびに一階上がる。73歩で泳ぐ。伊豆の踊子ではない。トイレはどこだ。

パチンコ行かねーか。
嫌だよ、お金ないよ。

河川敷にパチンコ台を置きたい。電源はない。コンセントもない。ここにあるものは河川敷にはない。森田さん、愛してます。今まで緊張していて言えませんでした。良識は健康診断に付随するものではない。いつまでも寄り添いたい。キリン柄のトラ。鬱縞模様のアメ。高校と寄り添いたい。

任天堂の社員が断片をトリミングする。臭いという概念さえなかった断片。明日晴れかアメか。アルバイト。競馬は外れる。給料で給食を作り、給料で働いた給料を賄う。複雑かつシンプルな炭素。銀行員の休暇。たくあんの上の昆布から殺人の疑いが浮かび上がる。

豆腐が泣いた。樹木に戻る。生まれてきたことを不幸に思う。リサイクルが面倒くさい。テラギガヘルツを求めていた。人間臭くてクールではなかった。裏切り方にもそれが見えた。程度の差でフリーラジカル。父さん、あなたのケツ出したフリが好きだ。間違っていた。どうでもいい。どうにでもなる。黙示録のから揚げ。太陽は一つだけだった。

父さん、ショートホープをもう少しだけ吸わせてくれ。
あと少し書かせてくれ。
これだけでも、それだけでもない。
九日に書くよ。

外は晴れている。冬は過去へ遠ざかる。身内に会いに行く。自然に死ぬようにすることをやめた。床には落書きがある。実際には書いていない。風景はゼロ。破片だけが静かで、あとは口やかましい。取り分は十分の一。十分の二。十分の三。賑やかさを望む。土田は取り分を全部渡すと言う。小太郎は尋ねる。本当にいいのか。土田は舌打ちする。交渉は不成立。弟よ、俺は違った。俺と違った弟はよ。

ランドセル状態意識。

黒いランドセルを背負った子供たちが墓場を歩く。黄色い寮母の墓。枯れたラムネ。バンドエイド。豚バラ丼。株主は豚で、食べることができない。監視カメラがバッティングセンターを見ている。土田は空振りする。暗い、悲しい、ランドセル状態意識。言葉は何度も反復され、反復するたびに意味を失い、意味を失うことで新しい意識の輪郭を作る。

それは心理状態ではない。商品でもない。診断名でもない。子供たちの背中に貼りついた、まだ名前のない社会的な装置である。

土田はため息をつく。悪態に、罵詈雑言に、うんざりしている。照明は明るい。宇宙的なラジコンにガソリンを足す。仕立ての良いシャツ。殺し屋なら納得する。法律は欲望に基づいている。欲望は法律の外部に逃げる。内部の声明。明らかに欲望に基づいた法律で法律は金——

発祥の地 第六部

発祥の地 第六部

  • 小説
  • 短編
  • ファンタジー
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2026-11-02

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