とびだせzokuダチの森・5

アホウ村も段々ぶっ壊れてキタ!

ジャミル達がこの村に来ていつの間にか梅雨明けて。
……アホウ村でも超猛暑が続く毎日となっていた……。

「あついあついあつい、あついあついあつい、あついあついあつ……」

「ジャミル、今度暑いって言ったらスリッパが飛ぶよ……」

暑くてアルベルトもイライラ気味。流石に本も読んでおられず。
ジャミルに八つ当たりを始めた。

「はあ~、クーラーが……」

「無理だ、速攻諦めろ!」

「……」

欲しいと言おうとしたダウドの言葉を速攻でジャミルが遮る。
ダウドは唇を突き出して不貞腐れた。

「みんなー、アイスクリーム盛ったわよー!元気出して
これ食べて涼もっ!」

「お?待ってました!」

台所に行っていたアイシャが顔を出し、お皿に乗った4人分の
アイスクリームを…… ………

「っ、きゃああっ!!」

「お、お、お、お、おおおおお……」

アイシャが意味も無く転がり……、運んでいたアイスクリームを
床に落とした……。見ていた男性陣は……上の表記の様になり……、
スローモーション……、声のスピードが0・5倍状態になった……。

「……お、お、お、おおおお~……」

「……いっ、たあああ~い……」


……

「何やってんだよっ!折角のアイスをっ!ああ~、俺の
アイスちゃんがあ~……」

「だってえ~、今日は何だか転がる日なのよう~、
運が悪いのよ……、さっき外でも転がり捲ってたし……、
何なのう、今日は……、ぐす……」

「ま、まあ、仕方ないよ、アイシャも気にしなくていいから……、
ね?」

「うん、また買えばいいんだし……、さ……」

「みんな、ごめんなさい……」

アルベルトとダウドは良いと言っているがジャミルは
不貞腐れ顔であった。

「……子供じゃないんだから何時までも愚痴愚痴言わないっ!」

アルベルトがさっとスリッパを取り出すとジャミルに向けた。

ジャミルは慌てて分った分った!と、漸く不満顔を止める。
……一体どっちが年上なのか。

「……」

「ジャミル、どっか行くの?」

「ちょっとな、頭冷やしてくるわ」

ダウドが首を傾げる。この糞暑いのに……、と思ったが。ジャミルには
咄嗟に思いついた事があった。

「暫く、おしずさんとこ行ってねえからな、顔出してこよ!
……それにあそこクーラー効いてて涼しいしな!」

それが目的らしい。ジャミルは足取り軽く役場へと
向かった……が。

「……君が、この村の村長か?」

「……?」

突如、ジャミルの前にいかつい筋肉、上半身裸で
サスペンダー装着のいかつい髭親父が立ちはだかっていた。
手にはグローブをはめ下は長ズボンであった。

「……な、なななな、なんなん?……気色わりィなあ……」

「君は村長としての自覚があるのか聞いている!どうなんだアアア!!
ドゥりゃああ!!」

髭親父はいきなり近くにあった木にドロップキックし、……倒す。
すると倒れた木からりんごがばさばさ落ちてきた。

「うわ!」

更に。親父は木を掴むとそのまま持ち上げ木にパイルドライバーを掛けた。

「……デぇぇりゃあああ!!」

「ひょえええええ!!マ、マジ基地っ!!」

「私はメトロシティの市長、マイク・ハガーである!君は暑いからと
言ってそれだけの為に役場を利用しようとしているな!イカン、そんな
根性ではイカン!……お前の様な弛んだアホな若者に少し喝を
入れてやろう!!」

突如出現した暑苦しい筋肉髭親父……、通称ハガー市長さんは
無茶苦茶な行動、無茶発言でジャミルを睨んでいる……。

「ちょ、ちょっと待てって!話せば分る!分る!」

しかし市長さんはジャミルにもパイルドライバーを掛けようとし
無理矢理ジャミルの身体を掴んだ。……彼もアイシャと同じく運気が
落ちているのかこの前の話から碌な目にあっていない。

「……アアーーッ!!よせーー!そこは金○……、掴むなあーーっ!」

いかつい市長さんは等々ジャミルにもパイルドライバーを仕掛け頭から
地面に叩き付けた。更に両腕を広げ回転しながらダブルラリアットを繰り出す。

「どうだ!……むっ!?」

「……の野郎、ざけてんじゃねえぞ、糞親父……」

「ふむ、私の技を喰らって立ち上がるとは、やはり只者ではないな、
貴様……」

「だから何だっつってんだよ、……売られた喧嘩は買うぞ、
コラ……」

ジャミルも目つきが変り段々表情が険しくなってきた。このままだと
平和などうぶつの森で本気でファイナルファイトが始まりそうであった。

「……どうかなさったんですかーーっ!?」

其処に。しずえが走って来た。可愛いしずえといかついムキムキ
糞親父。両者揃うと、非常にミスマッチな光景に……。

「む、イカン!では今回はこれにてさらば!」

「……何がだっ!」

「村長、機会があればメトロシティに来たまえ!君の挑戦を
受けて立つ!では今回はさらばだ!」

いかつい市長さんはダブルラリアットの体制のまま
ジャンプで上空に飛び上がると回転しながらそのまま
何処かへと消えた。

「……誰が行くかっ!!」

「あの、どうかなされたんですか……?」

しずえが心配そうにジャミルの方を見た。

「ん?ああ、何でもねえよ、それよりも今役場行く途中
だったんだよ、気にしなくていいから」

「はあ、そうですか、……村長さんがそうおっしゃられているなら
大丈夫ですね!」

「そ、そういう事!」

「はい!」

しずえは非常に天然で呑気な性格なので特にそれ以上
追及せず何事も無かったかの様にこれで済んでしまう。
そして。いつも通り。ジャミルはしずえと今建てている
公共事業の建築物の石橋の状況を話しながら、またお茶
タイムを楽しむ。クーラーの効いた涼しい部屋で。

「初めての公共事業のお仕事、どうですか?何とかなりそうですか?」

「んにゃ、駄目だね、この調子だと後200年ぐらい掛るんでない?
寄付金も全然集まんねえし、何せ一度ブッ壊されたしさあ……」

            
……はくしょんっ!なのですっ!!だ、誰かが私の噂話をしているのです!


「そんなにですかー?んー、それじゃ私、おばあちゃんに
なっちゃいますよう!」

「俺んちも駄目だわ、……ローン払い終えるまでに昇天して
全員死んじまうわ!何せ、……全額751万5800ベル……
だかんな、もう笑うしかねえっしょ、あーっはっはっは!
……はああ~……」

「そんな事言わないで、公共事業のお仕事も、ローンのご返済も
頑張りましょうよ、私も応援してますよ!あっ、お茶のお代わり
如何ですか?」

「頂くかな、んじゃ今度は抹茶くれる?冷たいのがいいや」

「はあーいっ!今お持ち致しまーす!あ、水ようかんもありますよー!」

そんなジャミ公の様子を窓の外から眺めている変な老害が一人。
先程姿を消した筈の何処かの都会の……いかつい市長さんだった。

「イカンイカン、やはりあれではイカン、神聖なる役場を一体何だと
思っているのだ、やはり彼は何処かが抜けている……、もしもの時に
村長として村を守る気は彼には無いのか、……私が徹底的に根性を
叩き直してやらねば、現・メトロシティの市長として……、最近の
若者は、若者は……」

……いかつい市長さんは怒りで身体中の筋肉をブルブル震わせる……。
最もジャミ公だって自ら望んで村長に志願した訳ではないのだから、
根性を叩き直すも何も大きなお世話であるが。

「ちょっと、いかついおっさん、アンタ……、何してんのよ、
まさかアンタもジャミル君に用があるワケ?渡さないわよっ、
……ジャミル君はアタシの物なんだからね……、アイヤーー!」
いかつい市長さんの後ろからゴリラのウズメがぬっと顔を出した……。

「む、イカン!ではさらばっ!」

「……ちょっとっ!!何なのっ、アイヤーーー!!」

いかつい市長さんはさっきと同じようにジャンプするとダブル
ラリアット体制で又も逃走した。ジャミ公がファイナルファイトに
巻き込まれる被害の日も案外近いのかもしれない……。


『みぞれ様御新居 引っ越し予定地…… たぬきハウジング』


「また、近々新しい方が引っ越して来られる様ですね……」

「商店街にも最近新しいお店も続々立ちましたし、やっぱり
あの変な村長さんが越して来て来られてからこの村も大分
変りつつあるのでしょうか……」

「そうですね、村が発展するというのはとても私も嬉しいです、
けれど……、反面何かが壊れそうで怖いですね……、何でしょう、
この不安な気持ちは……」

「……ルールー……」

ルールーとえみるは野原にドデカく建てられたたぬき
ハウジングの立札を見つめた。つい最近まで此処は
辺り一面スミレの花が咲き乱れる静かな場所であった。
二人は散歩の途中など此処に咲いていた小さなスミレを
眺めるのがとても好きだった。

「さあ、えみる行きましょう、夕ご飯に間に合わなくなって
しまいます」

「はいなのです」

今日はえみルーコンビが買い物担当。二人は商店街のまめつぶ
商店へと向かう。

「こんにちは……」

「なのですっ!」

「いらっしゃいだなも!今日はぼく、つぶきちがお店を
担当してまーす!あっ、明日は臨時休業でお休みなので
必要なものがあったら今日は是非沢山買い占めて行って
欲しいだなも!」

「お休み……ですか?」

「珍しいのです!」

「はいだなも、明日一日のお休みを経てまめつぶ商店はコンビニ
まめつぶへリニューアルするだなも!是非楽しみにしていて
欲しいだなも!」

まめつぶ商店もパワーアップして品数も増えるらしい。ルールーと
えみるは顔を見合わせた。という事で、明日は買い物が出来ないので
二人は必要な物をしこたま買い込み店を出る。

「まめつぶさんもリニューアルなのです、ならば私も
リニューアルを……」

「何をですか?」

「い、いいのですっ!」

「あ、えみるちゃん、ルールーちゃん、ちょっとだよぉ~!」

帰りの商店街の通りを歩いていた二人を呼び止める声。園芸店の
ナマケモノのレイジである。

「うっ……!ま、また草むしり……」

「レイジさん、こんにちは……」

「この間はありがとうねぇ~、凄く助かっちゃったよぉ~、
これ、お礼、二人にあげるねぇ~、お花の種だよぉ~!
コスモスさんだよぉ、本当は手伝ってくれた皆にプレゼント
したいんだけど在庫がもう丁度二つしかないんだぁ~、だから
お二人さんに代表としてこのお花を育てて貰えるかなぁ~?」

レイジは二人に花の種を渡した。コスモスの花の種である。

「まあ、レイジさん、ありがとうございます、嬉しいです……」

「ルールー、こうなったら二人で頑張ってコスモスさんを
育てるのです!」

「はい、えみる、頑張りましょう!」

それから数日。二人は丘のある場所に花畑を作りコスモスの
花の種を植えた。

「えみるとルールー、また花畑の所に水やりに
行ってるんだ?」

「ええ、花が咲いたら私達にも見せてくれるんですって、
だからそれまで絶対皆は来ちゃ駄目なのですっ、……だ、
そうよ……、もうー、えみるちゃんたら、ケチなんだから、
でも二人とも凄く嬉しそうだったわ!」

「うーん、待ちきれないよ!楽しみだね、早くお花が咲くといいね!」

「はーぎゅ!おはなー!」

はな、さあや、ほまれ、はぐたんも、コスモスの花が咲くのを楽しみに、
心待ちにしていた。……ところが二人の心を傷つける大事件が……。

「ルールー、早く早くなのですっ!」

「えみる、そんなに急いだら……、コケます!」

「今日はレイジさんがくれた肥料もたっぷり!コスモスさんも
ご飯を欲しがっているのです!」

「もう~、えみるはせっかちです……」

そう言いながらもルールーの顔には笑みが浮かんでいた。

「もうすぐきっと芽が出るのです!そして秋には……!」

二人は手を繋ぎ駆け足でいつもの丘に向かう。そこで二人を
待ち受けていた悲しい現実が……。

「……何でしょう……、ルールー……!」

「これは、……何て事でしょう……」

えみるがルールーの手を掴んだ。二人が見た光景は丘の上に
どでかく立つたぬきハウジングの立札。周囲は囲いがしてあり、
二人が作った花畑は無残にもぐちゃぐちゃに荒されていた。

『さくらじま様 御新居引っ越し予定地…… たぬきハウジング』

「……そうですか、この場所にも……、新しい住人さんが……、
えみる……」

「嫌なのです、嫌なのです!私達の植えた大切なお花さんの種がっ!
……ルールーっ!……この看板の下に……二人で初めて一緒に植えた
……コスモスさんの種が……!!」

「……仕方の……ない事かもしれませんね、さあ、えみる、
……行きましょう……」

「嫌です!もう少しで芽が出そうだったのに……!こんなの、
こんなの酷いです!……酷すぎます!」

ルールーは泣きじゃくるえみるを慰めようとえみるの肩に
触れようとするが彼女も悲しみでその手は震えていた。

「……えみる、心が……、痛い……、私も悲しい、辛いです……」

「……ルールーぅぅぅ……」

そして、ルールーから話を聞いたはな達は激怒。えみるは
ショックで少し熱を出し寝込んでしまう。

「はーぎゅう、ふぇぇ……、えみゆ……、よちよち、よちよち……」

「……大丈夫や、此処はオレがついとる、お前等ははよあの
タヌキんとこ行くんや、幾らビジネスや言うても、黙って
こんな事するとは許せんわ……、卑怯や……」

「ハリー、……ありがとう、……みんな行こう!」

はなを先頭にアニマルガールズ達は家を飛び出す。向かうは
商店街のたぬきハウジング。……一番最初にブチ切れたのは……、
やはりほまれ。

「ちょっとっ!!なんなのっ!黙って花畑潰すとかさあ、
最低じゃん!!どういう事か説明してよ、……タヌキ腹の
タヌキのおっさん!!」

ほまれは片手でテーブルをばしっと叩きたぬきちを睨んだ。

「これはもう最初から決まってた事なんだも、引っ越してくる
お客さんの為、仕方ないだも、ぼくらだってビジネスなんだも!」

「……だから、私達が言っているのは、ビジネスと言う言葉を
理由に逃げないで下さいますか……?と、言う事ですわ、あらかじめ
決まっている事でしたら、何故事前に……、看板を立てる前に注意して
下さらなかったのですか?えみるちゃんとルールーが……、秋に
お花が咲くのをどれだけ楽しみにしていたか……たぬきちさんには
分りまして?」

さあや、黒い笑顔になり隠していたミニドリルを取り出す……。

「わわっ!さあや落ち着いてっ!、……とにかくこのままじゃ
私達も納得出来ません!せめて……、お花の種だけでも
掘り起こさせて頂けませんか、種をルールーとえみるの処に
返してあげて下さい!……どうか、どうかお願いします!」

はな、たぬきちに一生懸命頭を下げる。しかしそれでもたぬきちは。

「駄目だも、明日からもう工事に取り掛かるだも、も……、
な、何を言われてもされても、仕事の方針は変えられないだも!
だももももも!」

さあやは溜息をついてたぬきちの頭に当てていたドリルを
下に降ろした……。

「はな、ほまれ、さあや、ありがとう……、皆の優しい
温かい気持ち、本当に嬉しいです……、ですが今回の事は
私達にも責任があります、……大切なお仕事の場所に……
花畑を作ってしまった私達が悪いのですから……、
たぬきちさんは何も悪くないです……」

「……ルールーっ!」

「どうしてっ、えみるとルールーは何も悪くないじゃんっ!
何であんたが謝んのっ!」

「そうよ、……どうして……」

「はな、ほまれ、さあやも……、心配してくれて有難う……、
帰りましょう、えみるが心配です、……たぬきちさん、
ご迷惑お掛け致しました、それでは……」

アニマルガールズ達はルールーを先頭に肩を落とし、
不動産屋を後にする……。

「ビジネスなんだも、仕方ないんだも……」

「……」

「ルールーっ!みんなーーっ!」

「……あれは?えみる……?」

「はーぎゅ!」

はぐたんを抱いたえみるが走ってくる。頭にはハリーを
乗せている。

「えみる、駄目ですっ!まだ熱があるのにっ!……怒りますよ!!」

「ルールー、みんな、これを見て下さい、コスモスさんの
花の種なのです……」

えみるは掌の二つのコスモスの花の種をルールーと皆に見せた。

「……種が……、でも、どうして……?」

「はぐたんの力や……、凄いで!種もしっかり丈夫で無事や、
また……、一から植え直ししいや……、今ならまだ秋まで
充分間に合う、再出発や!」

「はーぎゅうう!」

「そうですか、はぐたんが……、コスモスさんの種を助けて
くれたのですね、……はぐたん、本当にありがとう……」

ルールーは涙を溢しはぐたんをそっと抱きしめた。

「あい、こすもすしゃん、だいじょぶ、げんきー!はーぎゅうう!」

「ルールー、もう秘密の花園はやめるのです、これからは私達
みんなの花園にするのです!」

「はい、そうですね……、みんな、手伝って貰えますか……?」

ルールーがはな達の方を向く。はな達も笑顔をえみるとルールーに
向けた。

「よーしっ!そうと決まったら園芸店に行こうーっ!道具買わなきゃっ!」

「はーぎゅ!あーい!」

「はいっ!」

「なのですーっ!」

「ふふ、本当に良かった……、ね、さあや!」

「ええ……、ほまれ……、ぐすっ……」

ほまれもやっと一安心。さあやも涙を零す。笑顔を取り戻した
アニマルガールズ達はレイジのいる園芸店へ向けて歩き出した。
コスモスの花の種を植える場所は勿論、自分達の家の側に。


ジャミ公が等々、化石の話を知った……のは、やはりペンギン娘の
レイラが原因。

「なあ、アルの奴、最近早朝にスコップ持って出掛けてくんだぜ?
おかしいと思わねえ?」

「村のお掃除だよお、アルは真面目だから、誰かさんと違っ!
……あいた!」

「う~、気になるなあ……」

ジャミル、ダウドの頭部を拳でグリグリグリグリ……
いじりながら寝室の方を振り返る。現在、アルベルトは
寝室に籠り読書中。

「何だよお!殴らなくたっていいじゃないかあ!オイラ誰かさんて
言っただけで別にジャミルとは言ってないよお!ジャミルとは!」

「だったらジャミルも早起きしてお手伝いしたらどうかしら?
……朝の4時に……」

「むうう~……」

唸るジャミルを見てアイシャが笑みを漏らす。最近アルベルトが
スコップを持ち、のそのそと早朝から出掛けて行くのを
他の3人は知っていた。……アイシャだけは理由を知っているが。
ダウドは特に何も追求せず。……気にしているのはジャミルのみで、
朝こっそり後を付けて行こうと思うのだが眠過ぎでどうしても
寝ぼけ眼になってしまい、後を付けられないんである。……そして
翌日も早朝、 博物館。

「アルベルトさん、本当にいつも展示物の寄付有難うございます、
むにゃ……」

「いえ……、博物館の発展の為なら……、出来る事はお手伝い致します……」

夜行性のフクロウ館長、フータも寝ぼけ眼でアルベルトから化石を
受け取り鑑定する。

「……これは、プテラノドンの頭部の化石、と、……ウンコの
化石になります、いずれも等博物館にはない物ばかりです!
素晴らしい!」

「……ウ、……コホン、最後のは……、どの恐竜のかはっきり
しないんですね……」

「はい、立派なウンコの化石です」

「……まあ、いいです、展示物として資料になるのなら僕としても
嬉しく思います、是非、博物館の為に役立てて下さい」

「はい、ではお預りいたします!……あっ、化石は恐竜のでは
なくとも別の生物の化石も見つかる事があるんですよ!」

「そうですか、他の動物のもあるんですね、奥が深いな……」

アルベルトは博物館を後にした。本日の寄贈は終了。

「……化石だけじゃなくて、虫、魚、……後は海の幸、絵画……、
ふう、大変だなあ~……」

それでも糞真面目なアルベルトは頑張るのである。博物館を
展示品で埋める為に……。

……

「何だろう?あれは……、ぎょ!」

博物館からの帰り道、村に戻ると。……地面に異様な黒い物がいる。
近づいて行ってみる。……巨大なキャンディーに無数のアリが……。
うじゃうじゃ群がっている。キャンディーは誰かが放置して
いったのであろうか。

※これ、いつみてもぞっとします。(´Д`|||) 腐ったカブも
そうなんですが……。

「これも……、博物館への寄贈になるのかな、……そうだとしたら……」

アルベルトは意を決し、スコップから網へと持ち代える。……そして、
アリだあああ!……を、捕獲。無論、根が糞真面目なので放置して
あった飴はきちんと片づけ処理をしていく。その足で再び商店街の
博物館へ急いで引き返す。……そして、アルベルトは再び眠っていた
フータを叩き起した。

「あ、あ、あ、アーー!……リですか、すみません、嫌、
苦手な物でして……、とにかく此方は大切にお預り致しますです」

「……有難うございます」

やはりアリも対象だったらしくアルベルトはほっと胸を撫で下ろす。

「ふう、引き取ってくれて助かったよ、もしも拒否されたら
どうしようかと……、よーし、この調子で頑張ろう!」

アルベルトは自分に気合を入れるのであった。寄贈品コンプまで
まだまだ道のりは遠いが……。

……そして昼間。ジャミルはダウドと川で魚を釣って遊んでいた。

「ヘタだなあ、またブラックバスじゃん……、これで何匹目!?
……鈴木さんと並行でさあ……」

「うるっせー!釣れるモンは釣れんだからしょうがねえだろ!
今度こそっ!……錦鯉っ!!」

化石の件はジャミル達はまだ知らないが、錦鯉を売ればそこそこ高額に
なるという話は既に聞きつけていた。ので、こうして川でショバを張り、
頑張っているのであるが。中々……。

「あーいた!村長さん、村長さん、じゃんよ!」

「うわわわわ!」

レイラがジャミル目掛けポテポテ走ってくる。何となくそのまま突進し、
体当たりしてきて川に突き落とされそうで……、ジャミルは慌てる。

「何あわててんのお!……じゃんよ!今日は村長さんに耳寄りな情報
持ってきたのに!」

「……耳より……?」

「そ!……ねえ、化石の話って、あんたらまだ知らないんでしょ?
じゃんよ!」

「そういやお前、最初に化石がどうのこうので穴掘ってたとか
言ってたよな……」

「うん!この村で採取出来る化石ってさあ、博物館の館長さんの処で
鑑定して貰って、詳細が分れば高額ベルで売れんだよ、じゃんよ!」

「何ですと……?」

「本当にい?」

ジャミルとダウドがレイラの方を見た……。

「だから言ってるじゃんよ!ウチはもうめんどくさくなったから化石
掘るのはやめたの!じゃあね、教えたからね、暇人さん達精々頑張んな!
じゃんよ!」

「……」

レイラは行ってしまった。……ジャミルとダウドは今度は
お互いの顔を見合わせて頷いた。

「あのデブペン、案外いい奴なんだな、成程、……化石ねえ~……」

「オイラ分っちゃったよお、何となく、アルがスコップ持って毎朝
出掛けて行く理由……、アルも博物館に行ってるね、多分!」

「そうなのかな……、う~ん……」

そして更に翌日、早朝。暇人馬鹿二人は真相を確かめるべく、
どうにか目を覚ましアルベルトの後を付ける事に……。

「……あの野郎、マジで化石数個掘って博物館に入って行きやがる……、
にしても、あああっ!近づいただけでジンマシンっ!……やっぱ駄目だ、
ダウド、お前ちょっとこそっと様子を見て来てくれや……」

「わ、分ったよお、仕方ないなあ……」

ジャミルが博物館を拒否し、中に入りたがらないので仕方なしに
ダウドがこそっと様子を覗う。

「……」

「いやあ~、本日も素晴らしい寄贈品を有難うございます!いつも本当に
助かります!」

「いえ、博物館の発展の為なら……」

アルベルトと館長の会話を聞いていたダウドは急いで外で
待っているジャミルの所へと戻った。

「どうだったい?」

「うん、それがさあ……」

「何だと?化石を博物館に全部寄贈してんのか、……そうか、
あの野郎……」

「うん、アルの事だから……、お金儲けなんかしないとは
思ってたけどね……」

ダウドは別にそれならそれでいいと思ったが。やはりジャミルは
納得いかない様子。

「よし、ダウド、俺らも化石探すぞ!……アルの野郎より先に
化石を探すんだっ!」

「……やっぱり……かあ」

そう来るか……と、ダウドは項垂れるのであった……。
そして昼間。ムキになって地面をスコップで掘り起こす村長と
困った顔をした後一名の姿が住人の間で多数目撃された。
しかし二人は知らない。化石が発掘出来るのは一日につき、
4個までという事を。

「ねえ、アル……、最近ジャミルとダウドが……、スコップ持って
彼方此方掘りまくって吠えてるって(主に吠えてるのはジャミルだけ)
村の話題になってるんだけど……、化石の事……」

「うん、分っちゃったみたいだね……」

アルベルトはそう言うと読んでいた本をパタッと閉じ
アイシャの方を見た。

「でもあの二人はまだ肝心な事に気が付いてないみたいだし、
何せ……」

……

「おかしいなあ、掘っても掘っても化石が出ねえ、……ハニワだの
つまらんもんはわんさか出てくるのによ!……アルだけ採掘出来て
俺らだけ出来ねえなんてんな事ありえねえ!畜生!」

「ううう~、腰が痛いよお~……」

(まったく、ジャミルの所為でオイラ達村中の笑い物だよお、
……いや、別に静かに普通に穴掘るだけだったらいいんだよ、でも、
ジャミルの場合……、化石が出てこないって喚いたり大声あげたり
吠えたり……、怒っておならしたり……、……村の掲示板に書かれる
までになっちゃったじゃないかあ!)

悲報 村長さん 今日も吠え捲る。

「お~い!ちょっと村ちゃん、村ちゃん、じゃんよ!」

「また来た……、しかも思いっ切り略すな!」

レイラが相変わらずゆさゆさと、丸い身体を揺らしながら
ジャミル達の処に走って来た。

「あのさ、あんたら分かってんの?化石が発掘出来るのは
一日につき、4個まで……、だよ、じゃんよ!」

「あんだと?」

「そ、4個以上は出ないんだよ、変なんだけどさ、じゃんよ!
もしも幾ら掘っても掘っても化石が出ない時はその日の分は
誰かが全部掘り起こして行った後!ってこと、じゃんよ!」

「……アルの野郎ーーーっ!!」

「はあ~……」

村長、漸く化石採掘システムの仕組みを理解する。……と、
同時にジャミル達が寝ている隙にアルベルトがわざわざ毎日
早朝に出掛けて行く理由も。

「畜生、頭くんな、アルの野郎……」

「やっぱり、アルの方が上手だったね、でもオイラ達には
無理だよお、毎日4時起きなんてさ、絶対無理……」

「んならアルよりも早く化石掘っちまえばいいだけの事さ、
そうだな、あいつが毎朝4時に行くのならそれ以前に……、
もう分っちまったんだからよ!」

「うええ~……、勘弁してよお、オイラは行かないからね……」

ダウドはどうしても嫌だと拒否する。仕方ないのでジャミル一人だけ
アルベルトが起きる以前に化石の採掘を目指す。

※この話では日付変わり化石が新たに地面に埋まる時間帯は
深夜12時頃としています。

しかし。

「……ふがががが!」

「良く寝てるね、これ僕からのプレゼントだよ、いびき防止だよ、
……マザー2の時は世話になったからね」

アルベルトはジャミルの鼻の穴にコルクを2本詰めてやると
いつも通り早朝に外に出掛けて行った。


……

「ちーきーしょーおおお!アルの野郎ーーっ!!普段とろい癖にーーっ!!」

「諦めなさいよ、こういう事に関してはアルの方が優秀なんだから……」

「おい、アイシャ……、もしかしてお前知ってたんか……?」

「何となく……、えへ、えへへ……」

モジモジしながらてへぺろ状態でジャミルの方を見るアイシャ。

「ちぇっ!……あーもういいよ!どいつもこいつもっ!」

「あのね、ジャミル、アルも一生懸命なのよ、村興しと博物館の
発展の為に……、化石じゃなくたって、ベルを稼げる方法は幾らでも……」

そう言ってアイシャはアルベルトが以前に自分に話していた話を思い出す。

「博物館の寄贈には、化石だけじゃなくて他にも色々あるみたいなんだ、
虫とか、魚……」

……この事実を知ったら又ジャミルが……、でも博物館にその都度寄贈
ばっかりしてたらベル稼ぎも厳しいわあ~……と、生活を重視している
アイシャも考える。何せ、自宅のローンが……751万5800ベル……、
残っているのであるからして。

「生活と村興し……、天秤に掛けるのも大変……、ジャミル?」

「……」

ジャミルはそのままソファーの上で寝転がったまま眠ってしまっていた。

「……難しい……、ね」

しかし、その夜、天機は訪れる。

「腹が……、痛い……、何だこれ……」

夜中、突然腹痛を催したジャミ公は目が冴えて寝られなくなって
しまったのである。

「やべ、モロ糞キテる……、何なんだ、……う、あててて!まいった……」

急いでトイレに駆け込む。……中に滞在する事約1時間あまり……。
漸くトイレから解放された時はすっかり目が覚めてしまっていた。

「そうだ、原因はあれか、……畜生……」

原因は多分、昼間アイシャがおやつに作った真夏の肉まん。見た目に
反して結構美味かったので全部ジャミルが食べてしまったのだった。
ダウドとアルベルトは逃走してその場にいなかった。

「そうだっ!……これって、チャンスじゃんか!」

ジャミルはほくそ笑むとスコップを持ち深夜の村へと駆け出す……。

「あったっ!……化石だっ!」

ジャミ公、等々自身の初化石採掘をする……。その後も土を掘り返し、
残り3個の化石もゲット。

「けどなあ、俺、博物館行くとどうにも……、ダウドの野郎を
叩き起すのも難しいしなあ~……、……うわ!?」

ぶつぶつと歩きながら考えていると……、彼に悲劇が……。まーた
落とし穴に落ちたのである。

「……ジャミル、駄目だよ、悪いけど……」

「アルっ!てめえっ!」

穴の中から地上を見上げると、立っていたのはアルベルト。どうやら
穴を掘ったのも彼らしい。

「深夜に起きるとかそのまま碌でも無い事をするんじゃないかと、
君がトイレに行っている間に先回りして準備しておいたのさ、
さ、化石を渡すんだ、そうしたら穴から引き上げてあげるからさ……」

「ふざけんな、この野郎っ!」

ジャミル根性で穴から凄いスピードで這い上がる。見ていたアルベルトは
ジャミルの凄まじく嫌らしい根性に少々たじろぐが負けてはいられず。
……スリッパを取り出す。

「やるかい?遠慮しないよ……」

「掛ってこいや!素手でだってやってやらあ!」

両者睨み合う。深夜の迷惑ビレッジファイトが始まろうとしていた、その時。

「あ、あああっ!?」

「!?」

アルベルト、自身の掘った他の落とし穴に自ら足を滑らせ転落。
掘った箇所を忘れていたらしい。しかもジャミルと違い、そんなに
体力も運動能力もない為アルベルトは自力で穴から這い上がる事は
困難である。

「よしっ、アル、暫く其処で大人しくしてろや!後で引き上げてやっからさあ!」

「くそっ!……ジャミルめえーーっ!!」

ジャミルは博物館へと走る。しかし、毎回毎回、いちいちこんな
アホな事をするのだろうか。

「いらっしゃ……、おや、今日はアルベルトさんではないのですね、
珍しい……」

「お、俺はジャミルだよ、今夜はアルの代理で来た……」

ジャミルは吐き気を堪え館長のフータと会話を交わす……。

「ジャミル?ほほうー!と、いう事は、あなたが新しく村長になられた!
これはこれは、お初にお目に掛ります、わたくし、此処の館長を
務めております、フータと申します、どうぞ宜しく!」

「は、はは……、んで、これ、鑑定してくれや……」

「ほうほう、いつもアルベルトさんには寄贈でお世話になっております、
村長さんにも持ってきて頂けるとは、わたくし誠に嬉しいであります!」
フータがあまりにも毎回の寄贈を楽しみにしている様子なので……、
渡さないのも何だか気の毒になってくるジャミル……。

「ううー!か、金の為っ!……情けは無用っ!」

ジャミルが戸惑う前で化石の鑑定を始めるフータ……。

「ほうほう、これは、ウンコ、ウンコ、……こちらもウンコ、全て
ウンコの化石になります、では、お返し致します!」

「は、はあ!?全部糞の化石か!?け、けど……、寄贈は……?
ウンコは引き取らねえのか?」

「いえ、こちらは一度アルベルトさんに寄贈して頂いて
おりますので……」

「あ、そうか!なーる!」

ジャミルは漸く理解する。一度寄贈した物は2度渡す必要はない、
つまり同じ物がもう一度出た場合、遠慮せずベルに換えても
構わないと言う事。……ジャミルはアルベルトの所へ戻った。

「おい、アル……」

「ジャミルっ!よくもっ!!」

「怒るなよ、引上げてやるからさ、話がある……」

「……!?」

ジャミルはアルベルトを穴から助ける。そして博物館での話を始めた。

「なるほど、じゃあ、一度寄贈した同じ物が出た場合は売ってしまって
構わないと言う事だね……」

「そういうこと、発掘……、その他の採取はアルに任せるわ、
同じモンは俺が売って来てやるから……」

「!ま、待って……、こういう事は……、皆で協力し合おうよ……」

「おい……」

あれ程ジャミルの化石採掘を阻止しようとしていたアルベルトだが……、
状況が変わった事でころっと態度も変えた。

「化石の他にも、虫、魚、海の幸……、寄贈品はまだまだ沢山あるんだ、
ね……?」

「おおーいっ!オメー本当に腹黒いなあっ!」

「い、いいだろ……、じゃあ今度から頼むよ、……じゃあ!」

「……」

アルベルトはそのまま走って自宅へ戻って行く。そんな彼の様子を
ジャミルは呆れた目で暫く呆然と見つめていた……。そして、疲れて
眠くなったのかジャミルも家に戻ろうとしたが。

ずぼっ……!

「……腹黒ーーっ!!落とし穴一体幾つ掘ったんだよっ!きちんと
埋めていけーーっ!!」

アルベルトが掘った落とし穴に又落ちたのであった。

「やば、穴の処理、わ、忘れちゃった……、夜が明ける!わわわ!
埋めに戻らないと!」

……こうして、化石争奪バカ戦争はあっさり終戦を迎えたのであった。

とびだせzokuダチの森・5

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SFC版ロマサガ1 とび森 プリキュア軍団 色々クロスオーバー 下ネタ のほほん ギャグ

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  • 短編
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  • 全年齢対象
更新日
登録日
2026-10-28

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