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『記憶の裏庭(バックヤード)』 ジャンル: ライトサスペンス(コミカルな会話劇と日常に潜む謎)


## 主要キャスト

* 宮下 茜(28) …… 松岡 茉優(主演)
都内の大手クリーニング店「ホワイト・ハウンド」の店長。鋭い観察力と、一度見たら忘れない「衣服のシミ・傷の記憶力」を持つ。一見ドライだが、困っている人を見ると放っておけない姉御肌。
* 久保 徹(24) …… 若手実力派俳優(イメージ:赤楚衛二など)
茜の店で働くアルバイト。おっとりしていてお調子者。茜の推理(妄想?)にいつも振り回されるが、抜群のフットワークで動く相棒。

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## 【プロット概要】
クリーニング店に持ち込まれる「衣類の違和感」から、街で起きている小さな事件の真相に迫っていく連作風ライトサスペンス。コミカルなテンポの会話の中に、ハッとする人間ドラマと緩急のある謎解きが展開されます。
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## 【シナリオ(パイロット版・短編エピソード)】
〇 クリーニング店「ホワイト・ハウンド」・店内(昼)
清潔感のある店内。BGMに軽快なジャズが流れている。
カウンターで熱心にアイロンをかける宮下茜(松岡茉優)。
アルバイトの久保徹(24)が、検品カゴをのぞき込みながら首を傾げている。
徹「宮下店長、これ見てください。常連の品川さんの奥さんの白いコートなんですけど……」
茜「(アイロンの手を止めず)品川さんの? 撥水加工のオプション外した、お高めのカシミアコートね。どうしたの?」
徹「胸元に、すっごく不自然な黒い線が入ってて。これ、何のシミですかね?」
茜「(アイロンを置き、コートをサッと手にとって凝視する)」
茜の瞳がキラリと光る(観察モード)。
茜「……これ、シミじゃないわ。油性マジックのインク。しかも、書かれたんじゃない。擦りつけられたのよ。それも、かなり強い力で」
徹「え? 擦られた?」
茜「(コートの裾をめくる)ほら、ボタンが一つちぎれかけてる。そして、このボタンの裏の生地に、うっすらと『緑色の粉』がついてる」
徹「緑色の粉? 抹茶……ですかね?」
茜「バカ言わないで。これは、黒板のチョークよ」
徹、目を丸くする。
徹「えっ、品川さんの奥さんって、確かただの主婦ですよね? お子さんもまだ小さくて、学校には通ってないはずじゃ……」
茜「問題はそこよ。このコート、預かったのは一昨日。品川さんは『昨日着たから洗って』って言ってた。でも、このチョークの付き方とマジックの跡、どう見ても『誰かと激しく揉み合って、学校の教室みたいな場所に押し付けられた』形跡よ」
徹「ええっ!? サスペンスじゃないですか!」
茜「しかも、このマジックの擦れ方……数字の『4』の形に見えない?」
〇 同・バックヤード(夕方)
パソコンで地域のニュースを調べている徹。
茜はコーヒーを飲みながら、考え込んでいる。
徹「店長! 見つけました! 一昨日の夕方、駅から少し離れた『旧・向原小学校』の廃校舎で、不法侵入騒ぎがあったみたいです。警備員が駆けつけた時には誰もいなかったらしいんですけど……」
茜「旧・向原小学校……。あそこ、4号館まであったわよね。そして、4号館は今、地域の防犯ボランティアの備品倉庫になってる」
徹「……ってことは、品川さんの奥さん、まさかそこで何か悪いことに巻き込まれたんじゃ……」
茜「(エプロンを脱ぎ捨てる)久保、ちょっと店番お願い」
徹「えっ!? 店長、どこ行くんですか!?」
茜「品川さんの家に、仕上がった別のシャツを『お届け』してくる。ちょっと顔色を見ておきたくてね」
〇 品川のマンション・玄関前(夜)
インターホンを押す茜。
ドアが開き、品川美佐子(32)が顔を出す。マスクをしており、どこか怯えた様子。
美佐子「あ、クリーニング屋の宮下さん……? シャツ、わざわざ届けてくれたんですか?」
茜「はい、ちょうど近くを通りかかったので。……あの、奥さん、お疲れですか? 声が少し震えているような」
美佐子「え? あ、いいえ! なんでもないんです、ちょっと風邪気味で……」
茜、美佐子の手元に目を留める。
美佐子の右手の爪の間に、ほんの少し「緑色の粉(チョーク)」が残っている。
さらに、玄関の靴箱の上に、油性マジックで何かが殴り書きされた「古いノート」が見える。
茜「(静かに、しかし真っ直ぐに目を見て)奥さん。カシミアのコート、綺麗に染み抜きしておきました。……4号館の黒板の前に落ちていたボタンも、ちゃんと縫い付けておきましたよ」
美佐子「(息を呑み、顔をこわばらせる)……どうして、それを……」
茜「ホワイト・ハウンドの染み抜きは、服が喋る言葉を聞き逃さないんです。……何か、一人で抱え込んでいませんか?」
美佐子の目から、ぽろぽろと涙がこぼれ落ちる。
美佐子「……助けてください。私、見てしまったんです。あの廃校舎で、地域の防犯レクリエーションの打ち合わせだと思って行ったら……裏の倉庫で、自治会長たちが、町の防犯基金を横領してる証拠の書類をシュレッダーにかけてるのを」
茜「(頷く)それで、見つかって揉み合いになった。その時に、黒板に押し付けられたのね」
美佐子「『警察に言ったら、お前の子供がどうなるか分かっているな』って、マジックでノートに脅迫されて……。怖くて、誰にも言えなくて……」
茜は美佐子の手を優しく握る。松岡茉優らしい、芯のある力強い微笑み。
茜「大丈夫。その汚い大人たちの悪事、私が綺麗さっぱり『洗濯』してあげますから」
〇 クリーニング店「ホワイト・ハウンド」・店内(翌日・昼)
ニュース番組が流れるテレビ。
キャスター「――続いてのニュースです。昨日夜、向原地域の自治会幹部ら3名が、業務上横領の疑いで逮捕されました。匿名での詳細な内部告発と、証拠となるシュレッダーの復元データが警察に提出された模様です――」
テレビを消す徹。
徹「いやー、店長が裏で動いて、知り合いの元デカのツテであっという間に現行犯逮捕ですか。執念深っていうか、さすがですね」
茜「(再び涼しい顔でアイロンをかけながら)執念深いんじゃないの。私はただ、お気に入りの白いコートを、汚い犯罪のシミで汚されたま合点がいかなかっただけ」
徹「かっこいいこと言いますねー。あ、次の検品、お願いします!」
茜「(カゴから次の服を取り出す)……ん? ちょっと待って。このメンズのジャケット」
徹「今度はなんですか?」
茜「ポケットの中に、微量の『高級ウイスキーの香り』と……『映画の半券が2枚』。でもこのお客さん、先週『ずっと一人で出張に行っていた』って言ってたわよね……」
徹「(頭を抱える)あー! また店長のプロファイル・スイッチが入っちゃったよ!」
茜、不敵に微笑んで、ジャケットの襟を正す。
(エンディングへ)
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## 【演出・演技のポイント(松岡茉優の魅力)】

* コミカルとシリアスのギャップ: アルバイトの徹とのテンポの良い掛け合い(ツッコミ)ではコミカルに、いざ事件の核心に触れる瞬間(美佐子を安心させるシーン)では、ガラリとトーンを変えて包容力と芯の強さを見せる、松岡さん得意の「緩急」を活かしたキャラクターです。
* セリフの説得力: 衣類の専門知識や観察眼を早口でまくしたてるシーンは、観客を置いていかない圧倒的なセリフ回しの妙を楽しめる設計にしています。

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  • 小説
  • 掌編
  • サスペンス
  • コメディ
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2026-10-11

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