とびだせzokuダチの森・2
村長始動する
次の日の早朝。ジャミ公はしずえに呼ばれ、役場へと足を運んだ。今日は
村長としての心構えなど。色々としずえから教わった。しかし村長として
本格的に稼働するには住人の支持率を100パーにする事。ジャミルは
その内のまだ50パー。ちなみに頭もパー。
「頑張って下さいね、とにかく村の皆さんが困っていたら助けて
あげたり……、あとは村の中の環境を恒に最高にして保っておく
事とか……」
「……ウーン」
花やりとかそういうのは自分には向いていないのでそっちの方は
アイシャに任せておこうと思った。ジャミルはアイシャに村の
環境大臣になって貰おうと考えている。まあ、完全に村長に
なったらの話だが。
「後は、アルとダウドはと、……腹黒大臣と、……ヘタレ大臣……、
何のこっちゃ」
ぶつぶつ言いながら歩いていると、……と、顔が異様に大きい鮫がいた。
「……オウっ!!」
「シャキーン!ボクはシャッキー・チェンだよ!……あれ?此処のお家、
ボクのお家なんだけど……、たぬきちさん、ドアのサイズを間違えたかな!
これじゃお家に入れないよ!困ったなあ!」
サメは家の入口のドアに挟まってでかい頭がつっかかって困っていた。
仕方がないのでジャミルはサメを蹴り飛ばし家に押し込んでやる。
挟まっていたサメは漸くドアから解放される。
「良かったー!これでお家に入れたよー!どうもありがとうー!
……あれ?君、何処かで会った事あったかな?」
「いや、気の所為です、……私は通りすがりの村長(仮)です、……では」
「ああ、村長さんなんだねー!ボクはシャッキー・チェンです、カンフーの
楽しさと素晴らしさを広める為、世界中を旅してるんだ!暫くこの村にも
居座るから宜しくねー!」
「そうかい、……あまり人……?に、迷惑掛けねえ様に……(←お前もな)
じゃあな……」
「はーい!……村長おおおお!!」
「こ、こら待てっての!」
ジャミルはシャッキーが大声を出しそうになったので慌てて制した。
「まだ俺は仮なんだって、……住人の支持率を集めなきゃなんねえの、
だからまだ村長に上がれるかどうかも分かんねえっての、ま、落ちたら
落ちたで俺はそれでもいいんだけどな……」
「そうなんだ!ボクは大歓迎だよっ!ぜひぜひ、正式に村長に
当選する事を願ってるよ!」
「は、ははは……」
ジャミルの支持率が少しアップした。サメに支持されてもあまり嬉しゅう
ないのうとジャミルは思う。
「あれ?でも、ボクは今度はどうやって家から出たらいいのかな?あれれ?」
「……疲れんなあ~……」
「こーんにーちーはー!」
「♪はーぎゅ!」
「おおおおううっ!?」
……頭にウサギの耳飾りを付けた濃いピンクの髪の女の子と赤ちゃん。
顔は普通に人間なので、ケモノフレンズ型さん……、なのだろうか。
もっとも、ジャミ公も人間であるが。
「私、メチョクうさぎのはなぴょんでーす!あ、普通に、はなって
呼んでください!こっちは、はぐたん!宜しくお願いしまーす!」
「はぎゅ!」
「いハア、此方こそ……、ま、ドジ踏まねえ様にな」(お前もだ)
「……めめめ、めちょっく!なななな、何で私がそそっかしいって事、
知ってるのおー!?」
「嫌、何となく……」
「めちょっく……、はぎゅう~……」
はなにドジを踏まないよう、そう言っている側からジャミルは何かを踏んだ。
……誰かがやった、しり立てのほかほかウンコ。
「……めちょっくうううーーー!!」
「何ですかあー!?」
「かあー?」
はぐたんを抱いたはなが再び走ってきた。ジャミルは大慌てで自宅へと
逃げるのだった……。が。
「……見たのです、私は……、見てはいけない物を見てしまったのですwww」
「畜生っ!誰だよっ、糞しりやがったのはっ!あーぶつぶつ!」
「でもこれでウンが付いたでしょ、おめでとう!支持率アップだよお!」
「……があーーっ!!」
ジャミルとダウドは取っ組み合いの喧嘩を始める。呆れたアルベルトは
静かにさせようと、毎度おなじみのスリッパ(最新型)を取り出す……。
「やめなさあーいっ!二人ともっ!ご近所迷惑よっ!ほらっ、今日は私が
美味しい夕ご飯作ったからっ!食べてご機嫌になったら仲直りするのよっ!」
「……」
「……」
「うわ……、来た……」
ジャミルとダウドの手がぴたっと止まり……、顔には脂汗が浮かび始めた。
アルベルトは読んでいた本で咄嗟に顔を隠した。
「アイシャ、僕、今はお腹いっぱいだから……、もう少したったら
頂こうかな、是非、この二人には沢山食べさせてあげてよ……、
遠慮しなくていいからさ」
「ア、 アルうううーーーっ!テメエ、この野郎!自分だけ逃げる気かっ!!」
「ずるいよおーー!」
アルベルトは二人に舌を出すとさっさと寝室へと逃走。
「もうっ、しょうがないなあ、アルったら!ご飯は皆で食べないとよ!
じゃあ、3人で先に食べてよっか、ね?」
アイシャは台所に行き、一旦姿を消す。そしてすぐにリビングに戻り、
全然切っていないでかい丸ごとの生タマネギのサラダを運んできた……。
後は、良く焼けていない川魚……と真っ赤な謎のスープ……。
「ね?じゃ……ねええーーっ!!」
「神様あああーーー!!」
……次の日。ジャミルは早朝の村を散歩していた。
「あああ~、昨夜はえらい目にあった、ふう~……、そうだな、これから
毎日……共同スローライフ生活っちゅう事は……、あいつの料理を食う
確率も格段に上がるっつうこった……、とほほのほ~……」
上がるどころか、……ほぼ毎日であろう。別に出来ない事もないが、
ジャミルは自分でも何か料理を作れる様にもう少しレパートリーを増やして
おこうと思った。
「ん?」
「困ったよぉ~……」
大きな木の側でぽつんと肩を落としているカエル。顔にはカールおじさんの
様な髭?……。カールだった。そして、まるで何処かの誰かを思い出させる
ような口調。
「何が困ったんだ?」
「あ、君は確か、今度新しく村長さんになるジャミル君だねぇ~!」
「まだ正式に決まった訳じゃねえけど……」
「ぼく、お腹が空いて……、さくらんぼ食べたいんだよぉ~、
誰かとってきてくれないかなあ、……チラ、あ、ジャミル君、ねえ、
さくらんぼ取って来てくれる?」
ジャミルはちらっとカールの側の大きな大木を見上げた。木にはしっかり
さくらんぼ。
「おい、お前のすぐ側の木に……」
「♪お願いだよぉ~、ジャミル君!さくらんぼ!」
「ふぇ……、えーいくそっ!この野郎!!」
ジャミルはやけになって木を揺すった。するとぼたぼたと
さくらんぼが落ちてくる。
「うわあ~!」
どうにも何だか村長というよりも、とってもパシリな気分の
ジャミルであった。
「どうもありがとうだよぉ~、あ、これ、お礼の……」
「お?な、何かくれるん?」
「ガスマスクだよぉ、大事に使ってねえ~!」
「……いーらーねええええ!!」
ジャミ公は疲れ切って……、ブリブリ、自宅へと帰った。
「ふう~ん、で、お礼にそれ貰ったワケ?良かったじゃない、親切はしとく
もんだよお!」
「いるかっての!全くっ!あーっ、何かオメー見てるとあのカエル
思い出すっ……!」
ジャミルは勢いよくガスマスクを床に叩き付けた。そして。
……ブーッ!!
「これ、こういう時役にたつなあ、本当……」
ダウドがさっとガスマスクを着け速攻でジャミルの屁をガードするのだった。
ジャミルの村長支持率、現在65パー上昇……。
今回のケモノゲストさん……
獣拳戦隊ゲキレンジャー シャッキー・チェン
ハグプリ はな&はぐたん・うさぎさんバージョン
等々。ジャミルが本格的に村長になる日がやって来た。
ナンダカンダで支持率を集めてしまい、村長支持率100パーに。
なってしまったのだった。
「ああ~、うう~……、憂鬱だよお……」
「ジャミル、やめてよお!そんな言い方するとまるで
オイラがトイレで唸ってるみたいじゃん、しゃきっと
しなよお!」
「そうよ、今日から本格的にお仕事始まるんでしょ?頑張って!」
「……仕事って言ってもなあ……」
「僕らにも何か出来る事があったらサポートさせて貰うよ?
さあ、早くしずえさんの所に……」
「ううう~……」
仕方なしに仲間達に見送られながらジャミルは家を出て
役場まで歩き出した。
「いい天気だなあ~……っと、!?」
歩いていたジャミルは突然穴に落ちてしまう。落とし穴に
はまったのだった。
「うわ!?うわわわわ!」
「ありゃ、ごめんよ、はまっちまったか、でもわざとじゃ
ないんだよ、ちょっと穴掘って化石探してたらさ、つい
うっかり忘れててそのまんまにしちゃっててさあ~、
ごめんごめん、じゃんよ!」
「くそ、オメーの仕業かっ!って、また見た事ねえ奴だなあ~……」
ジャミルの目の前でケラケラ笑っているのは……、丸々とした
ペンギンの活発そうな女の子。
「ウチ、レイラ!昨日この村にお引越しして来たんだ!今後とも
宜しく!では!」
「おい……ちょっと待てっての!これ何とかしていけっつーんだよっ!
……手を貸せーーっ!」
「♪~」
「……こらあああーーっ!!」
薄情ペンギン娘、レイラはそのまま行ってしまった。
……んでもって、役場。
「よう……」
「いらっしゃーい!ジャミルさ……って、どうなされました!?
お顔が真っ黒ですよお!!」
「どうしたもこうしたも……、落とし穴に落ちてこのザマだよ……」
「とにかくお顔を拭かないと!」
しずえは慌ててタオルを持ってくる。それと温かいお茶を
ジャミルへと振舞った。
「わりいね、大分気分が収まった……、畜生……」
実際はあまり収まっていない様である。
「そうでしたか、新しい住人さんが……、本当にごめんなさい、
……でも、此処の村に住むどうぶつさん達はみなさん、とっても
温かい心の持ち主のどうぶつさん達なんですよ、ちょっと癖の
ある方も中にはいらっしゃるかもと思いますけど……、どうか
嫌いにならないで下さいね……」
「いや、謝らなくていいよ、別にアンタが悪いんじゃ
ねえんだしさ……」
ジャミルはそう言いながらお茶を一気に飲み干そうとした。
そして、お約束発動。
「あっ……、ぢぃぃぃぃーーー!!」
「大丈夫ですかっ!あああーーっ!」
……ジャミルの様子が落ち着いた頃。しずえは漸く村長としての
主な仕事の説明を始めた。
「ええと、まずは今日は公共事業の説明からさせて頂きますね、一辺に
説明しても混乱してしまいますし」
「へーい……」
「これは村民の皆さんからのリクエストなどで公共物を建てて頂くお仕事です、
村民の皆さんは常に色んな物を村に望んでいます、そう言った声に耳を傾けて
頂くんですよ」
「ふーん、で、その出しどころは?」
「主に村民の皆さんからの募金になりますね、勿論村長さんにもご協力して
頂いて公共物を建て、村の発展をお手伝いして頂きます」
「やっぱ俺もか……、ま、いいか、で、どんな物が建てられる?」
「そうですね、まずはこんな処でしょうか……」
「どれどれ……」
ジャミルはしずえから受け取った公共物リクの書類に目を通す。取りあえず
目に付いたのは、橋……。
「うん、取りあえず……、まずは仕事始め、石づくりの橋を建ててみるかな、
いいかい?」
「はい!では早速下見に行きましょう!」
ジャミルはしずえと一緒に橋建設場所の下見に行く事に。適度な場所は
役場から東の方向にある川沿いに創る事にした。
「はい、此処ならばっちりです!皆さまからお預りした募金額の管理は
このハニワ君にお任せする事にしています」
「どうもでヒー!」
「何か落ち着かねえなあ~……」
「後は橋が建設されるのを待つばかりですね!あっ、では私はこれで
役場に戻ります、ジャミル村長さんもお疲れ様でしたー!段々慣れてきたら、
村民の皆さまからの個人的なリクエストやご要望も来ると思いますので、
是非お声に耳を傾けてあげて下さいね!」
「ああ、またな……」
そして……。数日が過ぎた。
「……して、募金の状況はと……」
「こんにちはでございまヒー!ただいま、石づくりの橋を作る為の
募金をしておりまヒ、目標の128000ベルに向けて、現在、
400ベルの寄付があつまっておりまヒ」
目標金額、128000ベル、現在、400ベル…、その
400ベルはジャミル達4人組が寄付した額である。
「……誰も村の連中募金してねええーーーっ!!」
「ヒーヒーヒー!……でヒー!カラ○ーチョでヒー!」
「冗談じゃねえよ、これじゃ橋が出来る前に死んじまう……」
ジャミルは項垂れ、建設途中の橋の側でしゃがみ込んだ。
「……その橋の建設、ちょっとまつのですーーっ!」
「何?……うわ!」
突如、何処からか、栗毛色のツインテールの女の子が凄い勢いで
走って来た……。女の子は、はなと同じく頭部にうさぎの髪飾り。
「ハアハア、こ、この橋は危険なのです!うっかり渡ったら崩れて
しまうかもなのです!」
「何だよ、オメー……、第一、まだこの橋作り掛けだぞ、
勝手な事……」
「私はシャウトうさぎのえみぴょんなのです!……この橋の
安全は私が確認するのですっ!」
「おい、何す……うわーーー!」
「……おーりゃあああああ!!」
シャウトウサギ、……えみぴょんはハンマーを取り出し、
まだ建設途中の石橋を思い切りぶん殴る……。……建設途中の
石橋は粉々に崩れて崩壊した……。
「ふう、皆さまの安全は守られたのです!では!」
「ではじゃねえええーーーっ!!待てーーっ!!」
「待たないのでーーす!」
えみぴょんはジャミルに負けず物凄い俊足で逃走し、姿が見えなく
なったのであった……。村長としての初仕事を妨害されたジャミルは……、
その場に立ち尽くすしかなかった。
今回のケモノゲストさん ハグプリ えみる うさぎさんVer
此処はアホウ村。此処には2足歩行で歩き、人間と同じ様に言葉を
話す不思議などうぶつさん達が住んでいる。その村の中に、何処から
見ても外見は人間の可愛い女の子達がいる。頭には付け耳飾りを付け、
何だかアニマルウサギさんな5人組のガールズ達&赤ちゃんが住んでいた。
「オレもいるでーっ!忘れんといてやー!」
と、チームの知恵袋&はぐたんのお世話係、ハムスターの
ハリハム・ハリー。
「はあ~、新しく来た村長さんてさ、すっごいイケてるよねえーーっ!
顔も中々カッコいいしさあー!!」
「♪はーぎゅう!」
赤ちゃんのはぐたんを抱いて興奮して喋っているのは、5人組の中で
リーダー格、頭部にはうさ耳を付けた濃いピンク色の髪の女の子、はな。
アニマルネームはメチョクうさぎのはなぴょん。
「そうなの?私、まだ見た事ないんだけどさ、何か噂によるとさ、すっごい、
ドジでおっちょこちょいで……、おまけにお調子者でそそっかしいらしい
じゃん……、今時顔がイケメンなだけじゃ……、ちょっとねえ……、
私はパス……」
「ドジでおっちょこちょい……、まあ、何だか、はなみたいね……」
「……めちょっくううーー!?」
はなと話しているのは一緒に暮らしているメンバーのほまれとさあや。
さあやの髪は青色。おっとり理系のお嬢様タイプ。一方のほまれは活発で
ボーイッシュな黄色髪のショートヘアスタイル。ほまれとさあやも頭部には
うさ耳装着。ほまれのアニマルネーム、スケーターうさぎのほまぴょん。
さあや、アニマルネーム、ドリルうさぎのさあぴょん。
「はあ、取りあえずはまず村の名前を何とかしろって感じだよ、大体
アホウ村なんて一体、誰がんなネーミングセンス付けたんだか……、
たくさあ……」
「……公共事業の提案として村の名前を変えて貰える様に、しずえさんに
リストに加えて貰える様、村長さんにお願いしたらどうかしら?」
「……ちょ、わざわざんなモン提案すんのもどうかと思うけど……、
いちいちベルが掛るんでしょ?」
「でも、こんな言葉を聞いた事があります、……同じアホなら踊らにゃ
そんそん……」
「……」
ぼそっと喋り出したのは同じく頭部にうさ耳を付けた此方もメンバーの
ルールー。アニマルネームはアンドロうさぎのルーぴょん。おっとり型で
やや天然気味のアニマルガールズで時々とんでもないボケ発言を噛ます
事がある……。
「つまり、……アホウ村ですから、みんなアホの様に踊って仲良くなれる
みたいな~?」
「ルールー、それじゃ私達もアホって事になっちゃうじゃん!」
「あら……」
「うふふ、はなは元からアホだけどね……」
「!しゃ、しゃあや~、ひどお~い……」
「うふふ!冗談よ……、はなったら、お鼻垂らして、可愛い♡」
さあやは天使の様な心優しい美少女……なのだが……。時々、黒い何かが
彼女に纏わりついている……。
「……び、びええええーーー!!」
「めちょ!?えみる、どうしたのっ!?」
それまで黙って話を聞いていたシャウトうさぎ、えみる事、アニマルネーム、
えみぴょんが突然号泣しだす……。彼女は5人組ガールズの中では一番下、
最年少である。
「えみる、どうしたのですか、……泣いていては分りませんよ、さあ、涙を
拭いてお話して下さい……」
「……ルールー……、うっ、ぐすっ……、はい……」
ルールーとえみる。この二人は性格は全然違い、凸凹なのに何故か
気が合い、とても仲良しな名(迷?)コンビ。姉妹の様な、親友の様な、
強い絆で結ばれている。しかし……、えみるだけでも暴走するのに、
ルールーは天然の為、ひとたび二人で一緒に行動すれば更に騒動を
起こす事も多い……。
「ぐす、……私……、えみるはやってしまったのです……、ううう~……、
村長さんが……建設中の橋を壊してお仕事を妨害してしまったの
ですーーっ!!」
「ありゃま、……アンタ、またやったの……?」
「あらあらあら……、えみるちゃん……」
「え、えみるう~……」
「……えみる……」
「だって、心配だったのです!私は見たのです!新しい村長さんは
うっかりウ○コを踏むようなオドジさんなのです!……建設した橋も
渡ったらうっかり壊れてしまわないか心配だったのですーーっ!!」
「あのさ、確かに橋建築は公共事業として行う村長の仕事かも
知れないけど、実際に橋建てる作業はその、おドジ村長がやるんじゃ
ないんだからさ……」
「そう言えば、私達、橋建築の募金全然してなかったわね……」
「わわわ!こりゃやばいっス!」
「はぎゅ!っしゅー!ぼきんー!あい、いちべりゅー!」
「あらあら、はぐたん偉いわね、お小遣いをちゃんと募金して
くれるのね?ふふ!」
「あーい!しゃあやー!はーぎゅ!」
「は、はぐたん、……きゃわたん……」
スマホで写メ撮影をし、はぐたんきゃわわわコレクションを
作っている……、ほまれ。
「その前に……、えみる、しずえさんの所と村長さんのお家へ謝りに
行きましょう、私も一緒に行きますから……、ね?私もまだ新しい
村長さんにご挨拶が済んでいませんし」
ルールーはえみるの手を取って優しい笑みを見せた。
「……ルールー……、はいっ!なのです!」
そして、こちらの4バカ住居。……えみるに公共事業を妨害され機嫌を
損ねたジャミルはあれから何もせず、家に引き籠りでゴロゴロしてばかり
いた。村の住人に贈り物で貰ったばかりの巨大なLLソファーの上で……。
「ジャミル、それじゃやってる事がマンションの時と変わらないわよ!
ちょっとは動かなきゃ!……お家のローンの借金だって返さなきゃ
ならないのよ!……751万っ!5800ベルっ!!」
「ちょ、アイシャあ~、何で金額のとこ強調して言うのさあ~、しかも
オイラの方見ながら……」
「うるせえなあ、俺は何もしたくねえんだよ、落とし穴に落とされるわ、
仕事は妨害されるわ……、冗談じゃねえっつーんだよっ!」
「駄目だよ、こういう時は……、突いても余計機嫌が悪くなる
だけだから……、何かジャミルにとって良い出来事でもあれば
いいんだけど……」
アルベルトがジャミルを暫くは刺激しない様、アイシャに注意。
……アイシャは困った様に項垂れた。
「こんにちは……」
玄関の方で声がする。静かでおっとりとして……、綺麗な落ち着いた声。
「誰かしら?はあーいっ!」
アイシャが急いでドアを開ける。……立っていたのは紫色の髪のちょっと
タレ目気味の可愛らしい女の子。頭部にはうさぎさんの付け耳。そして、
ルールーの後ろに隠れる様にして、ちょこちょこ顔を出しているのは……。
「……こ、こんにちは……、なのです……」
「初めまして、私はルールーです、この子はえみる、私の友達です……」
「えみる?……なのです?……です?あ、ああああーーーっ!!」
「……ジャミル?」
思い出した様にジャミルが大声を出し、そしてソファーから転げ落ちた。
「何やって……、ちょ、ちょっと!よしなさいったら!」
アイシャが止める間もなく、ジャミルがずかずかと……、二人の前に
率先して近寄って行った。
「ひいいーっ!……キター!なのですっ!」
えみるが身を縮める様にしてルールーに抱き着く。それを見たルールーは
えみるに声を掛ける。
「えみる、逃げてはダメです、悪い事をしたらきちんと
謝らないと…、さあ……」
「はい……、なのです……、あの、そのう……、この間は……、
その……」
「こいつっ!性懲りもなくっ!何の嫌がらせだっ……!今度は
俺ん家を壊しに来たのかっ!まだローンも払い終わってねえんだぞっ!」
「……ひ、ひえええ~っ!!」
えみるが言葉を発しようとする前に……、切れて噴火の収まらない
ジャミルがえみるを脅す。それを見、見兼ねたアルベルトは……。
……パンッ!!
「!?めちょっくううーーー!なのですっ!!」
「……いっ、つううううーーー!」
思い切りスリッパでジャミルの頭をひっ叩き、頭を冷やさせた……。
「切れてたらちゃんと話が聞けないじゃないか、……全く、あっ、
すみません、立ち話も何ですから、どうぞ中に入って……」
「有難うございます、さあ、えみる、お邪魔させて貰いましょう……」
「はい……」
「アルーっ!てめ、……うわわわ!」
今度はダウドがジャミルを押しのける。何だか異様に顔がにやにやしている。
「さあどうぞどうぞ、汚い所だけど……、上がって!」(えへへ、二人とも
可愛いなあ~……)
「はい、有難うございます……」
「オールバックのお兄さん、どうもなのです……、渋くてかっこいい
ヘアスタイルなのです」
「えへへ?そうかなあ~?」
「はあ、全くもう、あんな小さい子に切れたりして、……呆れた」
アイシャも呆れながらジャミルを置いてリビングルームに戻って
行くのであった。
「……ふーーんっ!」
そして、リビング。ルールーとえみるもソファーに腰掛け、4人組と
向き合い、話をしている。
「この度は……、えみるが暴走してしまって……、村長さんのお仕事を
お邪魔してしまった様で本当に申し訳ありませんでした……」
「ごめんなさいっ!なのですっ!!」
「……」
「ですが、……えみるも本当に悪気があってした事ではないんです、
えみるは少々心配性過ぎる処があって……、村民の皆さんの安全を考え、
心配をし過ぎてつい、してしまった事なんです……、えみるは優しい子です、
本当に村民の皆さんの幸せを誰よりも願っています……」
「ルールー……、ぐすっ……、うっ、ほ、本当にごめんなさいっ!!」
ルールーも必死に頭を下げ、えみるの失態を謝罪する。それを見た
ジャミルは流石にいたたまれなくなったのか、等々折れる……。
「ハア、もういいよ、俺も言い過ぎたわ、今度は邪魔しないでくれな、
……頼むよ……」
「村長さんっ!あ、ありがとうございますっ!なのですっ!!」
「うふふ、良かったね、えみるちゃん!」
「……お団子頭のお姉さん、はいっ、はいっ!なのですっ!」
えみるは頭部のうさぎ耳と左右のツインテールが揺れ捲るほど、
何度も何度も四人に頭を下げた。
「良かった、本当に……、えみる……」
ルールーが目頭を拭いて微笑む。その表情は……、それはもうこの世の
物とは思えない程、気高く、美麗で……、そして本当にうっとりするほど
美しかった。
「ん?……んんーー?」
アイシャは男共の表情をちらほら覗う。……ジャミル達野郎3人は顔を
赤くしてぽーっとしている。
「では、私達はこれで……、ご迷惑をお掛けしてしまいましたけれど、
今日は村長さんにもきちんとご挨拶出来て良かったです、では、また……」
「村長さん、皆さま、さよならー!なのです!」
「あ、ああ……、またいつでも来いよ……」
「はい……、では……、これにて……、あ、ご迷惑お掛けした分、私達も
きちんと今後は公共事業の寄付をさせて頂きますので……」
ルールーがにこっと微笑んだ。そしてえみると共に帰って行く。それを
見送っていた野郎3人は……。
「ちょっと……、ルールーとえみるちゃん帰ったわよ、ねえっ!いつまで
そうしてるのっ!あああっ!……このスケベ変態ーーっ!!」
今度はアイシャが激怒する。その日、野郎共のあそこは……、
タケノコの様に……ずっと尖って立っていたままになって
いたという。
「……はっ!!」
「えみる、どうかしたのですか?」
「……危険なのです、何だかシン・ゴジラが降臨した様な気が
したのです!」
「気の所為です、この村には出ませんよ……、えみるったら……」
「ふふ、そうですね、ルールー、何だかお腹が空きましたね、
今日の晩ごはんは何でしょう?」
「さあ……?うふふ、楽しみですね……」
「♪はいなのです!」
ルールーとえみる。凸凹だけど最強の仲良し名コンビ。二人仲良く
手を繋いでお家に帰りましたとさ。
「こんにちは、……だよぉ~」
「誰?」
玄関先で声がしたのでダウドが行ってみる。今日はダウド以外は
全員外出中。来たのは顔に丸い髭の生えたカエルのカール。
「ぼく、カールだよぉ、今日は村長さんのお家にお邪魔しに
来たんだぁ~」
「そうなんだ、……今日はジャミルは役場行ってるし、アルは博物館
行っちゃったし、アイシャは商店街に買い物行ってるし……で、オイラが
留守番なんだ……って、単にオイラが動くのが嫌なだけなんだけどね」
「そうなのぉ~、残念だなあ~、でも、ぼく村長さんのお家みたいなあ~、
ねえ、上がっていい?」
「あ、いいよいいよ、散らかってるけど良かったら、……どうぞ」
「♪えへへ~、おじゃましま~す、だよぉ」
カールは遠慮せず、とてとて中に入ってきた。……置いてある家具を
真剣に見ている。
(そんなに面白いのかなあ~、別に大した物は置いてないと思うんだけど)
「ここのおうち、すごいねぇ~、リビングにトイレが置いてあるよぉ~!
いつでも……出来て便利だねぇ~!何なら台所にコーデした方がいいと
思うよぉ、だって食べたらすぐ出来るでしょぉ~?」
「ああっ!それはっ……!たくっ、ジャミルってばっ!……ってか、
とんでもない事言いだすカエルだなあ~……」
その水洗トイレはジャミルが木を揺さぶった際に落ちてきた物らしい。
次から次へと大量に増える家具の処理で混乱し、まだちゃんとした
部屋のコーデも出来ていない為、ジャミルが適当に配置していったの
であった。無論、アイシャが今日ジャミルの前に外出した隙に。
ダウドが水洗トイレを蹴ると葉っぱに戻ったので急いでクローゼットの
中に押し込めた。
「はあ~、疲れたよお~……」
「ねえ、ぼくに気を遣わなくていいからねえ~、ミルクセーキなんか
お構いなく……」
(請求してる、明らかに請求してる……)
「ねえ、ミルクセーキはないけど、麦茶ならあるから……、
淹れてあげるね」
「ありがとう~、だよぉ~」
「……」
ダウドは冷蔵庫を開ける……。と、冷蔵庫の中に貰った家具やら
なんやかんや入っていた。このゲームでは冷蔵庫もタンスや
クローゼットと同じ扱いになってしまうのである。
「とりあえず、麦茶どうぞ……、はい」
「いただきます!……あーおいしかった、よぉ」
「そう、良かったね……」
それから数分、……ダウドは特にカールと何も話す事が
思いつかず……、沈黙が流れた。一方のカールは相変わらず
部屋を彼方此方移動してみて回っておりウソウソと、とにかく
落ち着かない。
(早く、帰らないかなあ~……)
「あのね!」
「はっ、はいいい!?」
急にカールが又喋り出す。気の小さいダウドはちょっとびびって
しまった模様。
「今度ね、村の新しいイベント企画として村一番美人コンテスト企画
してるんだって、んで、参加者の女の子を募集してるみたいなんだけど、
……優勝は誰だと思うかなぁ?」
「はあ、……それはもち……」
ダウドの脳内にすぐにルールーとえみるの顔が浮かぶ。はな、
さあや、ほまれとはダウドはまだ会った事がなく、面識がないので。
「……ちょっとっ!何でっ!ねえ、私はっ!?」
「……うわ、アイシャ、ちょっとうるさい、出て来なくていいから……」
「ダウドっ!ちょっとっ!」
ダウドは頭の片隅にちらっと出てきたアイシャを押し込めた。
「ぼくはねえ、……ウズメちゃんだと思うなぁ~……」
「はい?」
「ウズメちゃん……」
「あの、ゴリラの……ですか?」
アイヤーーーーーーーーーーーー!!
「そう」
「プ……、……あひゃ、ひゃひゃひゃひゃひゃひゃ!!」
「ど、どうしたのぉ~!?」
ダウド、突如狂った様に転げまわって笑い出した。ツボに来た模様。
「どうしたのぉ~、何かおもしろい事でもあったのぉ~……」
「い、いや、別に……、プッ、ひいい~っ!」
「ぼく、そんなにおもしろい事言ったかなあ~、まあ、コンテストは
まだやるかわからないけどねぇ~、でも、ぼく、後はみやびちゃんも
可愛いと思うなぁ~、……えへへ……」
「……」
みやびは麻呂顔のアリクイである。ダウドは馬鹿笑いを止め、
ふと考える。素のどうぶつ達の異性に対する見方は違うのでは
ないかと。はなを始めとするアニマルガールズ達は人間顔の
美少女アニマルである。後、今の処この村に住んでいる素の
どうぶつの女の子はしずえさんと最近引っ越して来たらしい
ペンギンのレイラ。レイラの落とし穴の件はジャミルから嫌と
言う程、愚痴愚痴毎日ダウドは聞かされていた。
「まあ、しずえさんはOKとしてだよお、……やっぱりウズメは……
ないなあ~……」
「呼んだかしら?」
「……アイヤーーーー!?」
「あー、ウズメちゃんだぁ!」
突然窓の外からウズメがぬっと顔を出した。……変質者の如く。
そしてそのままウズメは玄関に回ると家に入って来た。
びびって思わずアイヤー状態になるダウド……。
「あらー、カール来てたの?アタシも今、村長さんにこれを
お届けしようと思って……、持って来たのー!スズメバチの
生け捕りーー!」
「あのね、今ジャミルはいないんだよおー、条例の説明で役場に
行ってます……」
「あらっ!そうなの、……んー、でも折角取ったスズメバチだし、
うふふ、役場の前でお待ちする事にするわん、ではお邪魔しましたー!」
ウズメはリズミカルに戻って行った。もてる男は本当に大変
だなあ……と、ダウドは思ったんである。
「じゃあ、今日はぼくも帰るねぇ~、おもしろかったよぉー!」
「そう、それは何より……」
「えへへ~、ダウド君も今度ぼくのおうちにぜひ遊びにきてねぇ~、
待ってるからねぇ~!では、おじゃましましたぁ~!」
「はあ、疲れたあ~……」
カールが帰った後、ダウドは死んだ様にソファーの上で眠って
しまうのであった。
そして、アニマルガールズ達……。
「ねえ聞いた?今度この村の新イベントで美人コンテストやるかも
だってさ……」
「へえー、ねえ、ほまれ出てみたらどう?」
「えーっ!すっごおーいっ!わ、私……、イケてるお姉さんの
レッスンとして……、えへ、で、出てみようかなあ~、ちら……、
ねえ、どう思いますう~?」
「はは、悪いけど私そういうの興味ないし、さあやこそ
考えてみれば?」
「え、えええええっ!わ、私がっ!?だ、ダメっ!そんなの
おおおおーー!恥ずかしいじゃない、ほまれったら!きゃーーっ!」
「あの、……わだじはあ~?」
「あれ?……はな、いたんだ?」
「めちょっくう……」
さあやは興奮し寝室へ行くと、ドリルを持ってくる。そして興奮した
さあやはリビングの壁にドリルで穴をこじ開けようとする……。
「おい、落ち着きなよ!さあやっ!」
「あら?あららら!いやだ、私ったら!」
「あの、はな、さあや、ほまれ……、えみるを知りませんか?」
「ルールー?えみる一緒にいないの?……珍しいね……、
どうしたんだろう……」
はなが声を掛けるとルールーは困った様な顔をした。
「はい……、心配です……」
とびだせzokuダチの森・2