喧騒の町にて

拝啓大好きなきみへ

お元気ですか? そんな言葉ももう何回使ったのだろう

楽しかったあの日は懐かしい思い出になってしまって

いつしか僕らの間には見えない壁ができた

僕らはそれぞれ別の道を選択して

それからどんどんきみの後ろ姿が遠くなっていった

きみとの距離が掴めなくなってしまった今になって

あの時の自分の選択は正しかったのだろうかと

自問自答を繰り返してしまう

あの時見たあの景色も、あの時感じたあの気持ちも

もう昔と呼べる時間の中にしかないんだろう

もう一度あの時間か訪れればいいのに

そうしたら

あの時のきみに聞けるのに

きみが僕のことをどう思ってたのかを

そしてこう言えるのに

僕はきみのことが好きだったんだと

喧騒の町にて

喧騒の町にて

  • 自由詩
  • 掌編
  • 青春
  • 恋愛
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2013-02-08

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