喧騒の町にて
拝啓大好きなきみへ
お元気ですか? そんな言葉ももう何回使ったのだろう
楽しかったあの日は懐かしい思い出になってしまって
いつしか僕らの間には見えない壁ができた
僕らはそれぞれ別の道を選択して
それからどんどんきみの後ろ姿が遠くなっていった
きみとの距離が掴めなくなってしまった今になって
あの時の自分の選択は正しかったのだろうかと
自問自答を繰り返してしまう
あの時見たあの景色も、あの時感じたあの気持ちも
もう昔と呼べる時間の中にしかないんだろう
もう一度あの時間か訪れればいいのに
そうしたら
あの時のきみに聞けるのに
きみが僕のことをどう思ってたのかを
そしてこう言えるのに
僕はきみのことが好きだったんだと
喧騒の町にて