今日は何の日?
雨の日
さあ叫ぼうぜ
もう全部全部吐き出してさ
もう全部全部流れていきたい
嘘も約束も過去も未来だって
ルールだって不安だって責任だって
なんだっていっしょくた
もうどれがどれだかわからない
さあ叫ぼうぜ
降りしきる雨とわめきき散らす車の声のおかげ
誰にも聞こえちゃいない
誰にも届かない
独りきりの
泣いたのかもしれなかった
すぐに雨といっしょになった
体に染みこんでくる感覚
冷え切っていくココロ
もう全部全部吐き出してさ
もう全部全部流れていきたい
誰にも届かなくていい
大きな大きな独り言だから
天の恵みを全身で浴び
もう全部全部洗い流された気になってろ
さあ叫ぼうぜ
声を張り上げて
そんな日があっていい
だって今日はこんなにも
騒がしいから
雪の日
「おお、雪だ」
君が呟いた。
僕の目の前には雪景色。そして君。
「 」
それは記憶。いつだったかの冬。
もうどんな会話をしたかすら覚えていない。
甘すぎたチョコレートへの不満
寒すぎて出れなくなったこたつの魔力
近すぎてわからなくなった気持ち
白すぎて近寄れなかった君
全然違う気もする。
覚えていないくせに。
忘れてしまったくせに。
雪が降ると
またあの景色がよみがえる
いつかの雪の日
いつかの眩しくて甘くてあったかくって
そんな漠然としたなにかだけが
冬の寒さとともに
やってくる
あったかい風が吹く頃、僕はまた思い出す。
君のところへもこの風は吹いていますか?
そっちは寒いだろうからまだかもしれない
風の日
魔神が現れた
通りのお嬢さんの金髪も
街娘の長いスカートも
全部もみくちゃ
木々をざわめかせ
暗い雲を連れてくる
落ち葉をカラカラ遊び回し
人々の間をすり抜けては
笑いながら過ぎていく
小さき者達はあらかた飛ばされ
大きな者をヒヤリとさせる
楽しそうな魔神の声が響き渡る
晴の日
雲一つない空に
青い風に
青い木々に
青い空に
吸い込まれそうで
「あ~洗濯物干せばよかったなー」
そう呟いて背伸びする君。青い空を見上げると、その長い髪が垂れる。風が吹き、揺れるとふわっといい匂いがした。思わずそっぽを向く。
「なに?」
「・・・なんでもない」
「あ!猫!!」
気持ちよさそうにひなたぼっこしている猫が、ごろんと一回転した。いいな・・・
「いいな~気持ちよさそう・・・」
「ああ」
風が吹く。木々が揺れる。
俺の心も
ざわざわと
でもそよそよと
でもやっぱりなんともいえない
ある晴れた日のこと
眩しい君と二人
今日は何の日?