春色エプロン チャプター5 ~順吉さんの謎が解ける・・?!~
【今までの あらすじ】
吉田くるみ(36歳)は、前の会社を辞めて、夏のバイトで、老人の世話をすることになる。
葉子おばあちゃん(82歳)は、一見、おだやかそうだが、なんと「ボケの症状」があり、けっこう大変だった。
病院に行くのを拒否したり、くるみを困らせていたのだ。
一方、葉子には、彼氏である、細川順吉(78歳)とか、スーパーの配達員の、町田 恭介(36歳)も現れて、
くるみも助かる。この夏が、どうなるのか・・くるみも、想像がつかないようだ。
【 ここから 】
「ひ、ひえー 順吉じいちゃんが〜〜!?」
吉田くるみは、飲んでいたメロンフロートをテーブルの上に置いて、かなきり声をあげていた。
それを見ていた吉田あかね、、は、
「まあ、まあ、くるみちゃん、落ち着いて、、。」とコップの水を差し出していたのだった。
ーー順吉おじいさんと、その老婦人は、いかにも仲睦まじく外を歩いている。
ーー それから、10分後ーー
吉田くるみと、いとこの、吉田あかねは喫茶店を出て、そこで別れることにしたーー。
早くから看護学校に入り、老人の心理に詳しいあかねによると、、
「今日、見たことは、穏便(おんびん)にして、葉子おばあちゃんには、内緒だよ」と、
くるみに、釘を差したのである。
早くに父親が他界して、その代わりに働いている吉田あかねは、めったなことでは、驚かないらしい・・。
一方の、くるみは、、その夜、布団に入り、もうすでに深夜の1時過ぎである・・。
『あ~あ、順吉おじいさんたら、、二股(ふたまた)なのかしら・・??絶対、あれは彼女ね。』
「ほんとに、、、葉子おばあちゃんが知ったら、、ますますボケが進んじゃうわ」
くるみは、もんもんとして眠れず思わず起きて、、苦いブラックコーヒーを飲むのであった。
ーーついに、くるみがウトウトしたのは、明け方の4時すぎになってしまった。
今日の葉子おばあちゃんは、めっちゃ・・明るい雰囲気である。
「ねえ、くるみちゃん、これ、これ・・。」
「なんですかあ・・?? え?これって焼きそばですか? キャベツが大きいわね」
なんでも、葉子おばあかんは大らかな女性なので、料理にしても、キャベツを一枚そのまま使ったり、野菜のきゅうりを、一本そのままお皿に出すのだ。
「ええーー??このきゅうり、切らないんですか?」
くるみは、野菜のきゅうりが、一本長いままお皿に出てきたときは、、さすがにびっくりした!
葉子おばあかんは、少女マンガの主人公みたいに、
「えーーと、今度、順吉さんが遊びに来たらイカの煮物でも、作ってあげようかあな」」などと、料理の練習をしているではないか・・。
ーー 『えーー、その順吉さんは、外で別の女性と仲良く歩いてましたけど・・・』
葉子おばあちゃんに、そう言いたいのをぐっと我慢して、、くるみは野菜を、たんたんと切るのであった。
ーーー 5日後 ーーーー
細川順吉(78歳)は、葉子と約束していたのか、、そそくさとやって来た。
ブラウンのチノパンをはき、青いポロシャツを身に付けて、見た目は60歳くらいにしか見えない。
「やあ、くるみちゃん、ますます綺麗になったね!」
順吉は、くるみの心を知ってか知らずか、、お世辞を言いながら部屋に入ってくる。
な、なんと・・順吉は、手には、縦笛のような楽器などを持っているではないか・・・?!
「今日は、サークルで入って居るケーナの曲を、聞かせてあげようと思って・・」
そう言うと、、順吉じいちゃんは、、葉子おばあちゃんの目の前で、、ケーナを演奏しはじめたのであった。
よく聞いてみるとお、確かあの曲、、そうそう【〇ンド△は飛んでいく】という、ノスタルジックな音楽である。
~まるで、若い青年が恋焦がれる恋人にプレゼントするように、~順吉じいちゃんは、最後まで演奏したのだった。
「まあ、この曲はとっても素敵ね!さすが、、順吉さん、嬉しかったわ。」
葉子おばあちゃんも、にこにこスマイルで、ふたりは仲良さそうに振る舞っている。
ーー、と、その時・・・
急に玄関のチャイムが鳴り、くるみは、ばたばたとかけていった。
「は、はあい、」そういってくるみが玄関のドアを開けると・・・??
そこに立っていたのは、、身長が、130cmくらいの中学生の男子だった・・。
「こんにちは! 順吉じいちゃん、居ますか??」
ちょっと色黒で、赤いポロシャツを着ている。男子は、ふしぎ顔で質問してくる。
「あら・・?いるけど、、」
少年は、くすっと笑う・・。
「お、おれ。。順吉じいちゃんの孫の、涼介(りょうすけ)です!ちょっと、入れてくれない・・?」
吉田くるみは、仕方なく部屋にいれると、涼介(りょうすけ)くんは、いそいそと上がって、順吉のほうに向かっていった・・・。
涼介(りょうすけ)くんは、「これ、、京子さんが持っていけって・・!」
そういって、差し出したのは新聞紙に包まっている、、「みそ饅頭(まんじゅう)」だった。
『えーー! 新聞紙にまんじゅうが包舞っているなんて・・!』
と、内心は思ったくるみだったが、中に入っているみそ饅頭は、とってもおいしそう。。、
順吉じいちゃんは、みそ饅頭(まんじゅう)を見て、くるみと葉子おばあちゃんに、、
「これは、私の妹からのおみやげだよ。田舎の、有名なまんじゅうなんだ」
そう言って、な、、なんと、、順吉は目の前の饅頭(まんじゅう)を次々と、たいらげていったのだ。
1,2,3,、、、8個・・・。
周囲のみんなは、口をあけてあんぐり状態である。
たまりかねた、、孫の涼介(りょうすけ)くんが、、
「じ、じいちゃん、なんてことを、、お腹をこわすぜ」
と笑いだす始末・・。
食べ終えた、順吉おじいちゃんは、ほっとしたのか、そこに寝てしまったのだ・・。
やれやれ、という感じである。
涼介(りょうすけ)くんと、くるみと葉子さんで、お茶を飲みながら、、みそ饅頭をいただく。
その時ーー
葉子おばあちゃんは、急にこうつぶやいたのだったーー。
「あ、あああ、部屋のかたすみに、なんか外国人が居るみたいだけど・・**」
不安そうな表情で、葉子おばあちゃんは人差し指で、ある片すみをさして、、、くるみに聞いてきた。
「居ないわよ、だれも・・。どんな人なの??」
くるみは、ボケの症状で老人が、変な言動をすることに慣れていたので、笑って聞いてあげた。
一方、一緒にいた涼介(りょうすけ)くんは、葉子おばあちゃんが、「変な老人?」になってしまったのかあ?
と心配そうに見ている。
葉子おばあちゃんは、、「ほら、そこそこ、、きっと3人くらいいるわね、怖いわねーー
きっと、脳の機能が弱ってきたので見えない物が見えているのだろう・・。
「だいじょうぶよ、涼介くん、ごめんね!」
葉子おばあちゃんは、ボケてるの。気にしないで」
「う、うん、わかったよ」
「それより、俺にも、おばあちゃんが居るんだけど・・。」
涼介(りょうすけ)くんは、スマホを操作して一枚の写真を見せてくれたのだった。
「ほら、この人だよ、、順吉おじいちゃんの妹で、、京子おばあちゃんっていうんだ・・」
ーー えっ、、? どういうこと・・??--
くるみは、思わず腰をぬかすところであった。
そこに映っていたのは、、、この前、順吉おじいさんと楽しそうにデートしていた、老婦人だったのだ。。!!
涼介(りょうすけ)くんは、嬉しそうに説明してくれる。
「京子おばあちゃんと、順吉おじいさんは、たまに公園とか二人で散歩に行ってるらしいよ・・。」
「あれ・・?、くるみさん、どうしたの?」
くるみは、自分の誤解が解けて、、大笑いしそうになっていたのだ。
「なんだあ、順吉さんと、京子おばあちゃんは、兄と妹の関係だったのね。。」
ーー 日も暮れて、、縁側には、、スズメが3羽くらい遊びに来ていた・・・。
この陽だまりのような、ほっこりした日常が続いてほしい、、と、
くるみは、、、お茶を飲みながら・・願っていたのだ。
春色エプロン チャプター5 ~順吉さんの謎が解ける・・?!~