夢境の傍観者

泡沫(うたかた)よりも儚く 薄氷よりも薄く
深海より浅く 暗闇より鈍く
汚泥より濁り 腐敗より臭い

夢は夢 幻は幻
だからこそ人間は
眠りの虚影(きょえい)
理想を重ねるようだ

夢幻であっても
本人には現実だ
実在しているのと同じ
だからこそ
この欺瞞(ぎまん)に安寧し入り浸る

夢は連鎖し 密接することで
それは形成されていく
幾層も積み重なっていく

……
……
……

されど
神の子から見れば
どこまでも都合がよく
果てしなくでたらめで

それは『夢境(むきょう)』と呼ばれるようだが
それは世界ですらない

人間の逃避の思念の
集合体に過ぎない

だからこそ
神の子が触れてしまえば
一巻の終わり

いとも簡単に崩壊し
跡形もなく消える
それくらい脆いのだ

だからこそ
神の子は傍観することしができない

夢境の傍観者

夢境の傍観者

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2026-07-30

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