NO OPEN FIRES

 娘が帽子をなくしたと言うので探すことになった。探すと言っても来た道を引き返すだけだ。いつからないのか聞くと、自然公園を出たときにはもうなかったらしい。
 どうしてうちの子はこんなに物を失くすのだろう。何かさせてもすぐ他のことをしたがるし、飽き性だ。よその子どもを見ていても、特に集中力がないように感じる。帰るのが遅くなりそうだから夫に電話をしたが出なかった。
 公園はだいぶ暗くなっていた。広い公園だから、探すにしてもどこを見ればいいのかわからない。
 本当にこっちであっているの?と娘が言う。
 わからない。と私が言う。どこまで行っても似たような景色が広がっている。足元を見ながら進んでいると、急に開けた場所に出た。「ここで焚き火をしないでください」と書かれた看板が誰かの忘れもののように立っている。
 あっ、と娘が言い、私の側を走り抜け、その先でかがみこんだ。立ち上がると、その手には今朝娘に被らせた帽子が握られている。
 最近娘の顔立ちは父親によく似てきた。綺麗な顔立ちの人。関心しながら走り寄ってくるその子を私は見た。

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  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2026-07-26

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