星導
星導
これは、ごくごく一部の魔導書にしか書かれていない旅人の少女の話。昔々、世界がまだ地図も持たず、深い混沌の闇に包まれていた時代。ある1人の魔法の使えないうら若き旅人の少女がいた。彼女は大切な約束を果たすため、遠く離れた未知の国を目指して旅をしていたが、ある闇夜、深い深い森の奥に迷い込んでしまった。訪れたのは、音すらない、指先も見えないほどの真っ暗な夜。少女は転び、泥にまみれ、孤独と恐怖で涙を流した。何度も、「ここで諦めてしまおうか」と下を向いた。しかし、彼女はここで終わらなかった。泥をぬぐい、呼吸を整え、もう一度、と顔を上げたその時、木々の隙間から夜空にポツンと、しかし圧倒的に強く輝く一番星を見つけたのだ。少女は自分の持っていた小さな金属板に毎日、その星が昇る位置と時間を刻んだ。これが、アストロラーべの原型。彼女はうつむくたびに自分を奮い立たせ、星の光と自分の現在地を計算し、再び歩き出すのだ。
星導
未来の自分へのタイムカプセル!