悔しさ向けた音楽

とある演奏者のお話だ。
ある者は音楽が大好きでした。大好きで大好きで堪らなくて、聴覚で感じ取る音も体で感じ取る音も心をグッと引っ張られるような感覚で襲いかかり、その感覚か忘れられないほどまでに惹かれ、ある演奏者は眩くほどキラキラとしたまばらな形の固形のようなものの光を撒くように見えた



憧れだった。どうしても音楽のことをもっと知りたかった
一番最初にベースを始めた。自分の一番最初のベースはとても愛おしく感じた。ほとぼりが付いたらギターやドラムについてや、作曲に関する知識も学ぼうと思っていた




しかし、ベースは中々上達出来なかった
綺麗な音が出ずに音が歪む。指の動きが何ヶ月経っても上手く動かない。楽譜の読み方を覚えてはすぐ忘れてしまう。覚えが悪いのか、または努力が足りないのか、それとも……それとも向いていなかったのか


音楽知識も豊富な者はこう言うんだ。ありふれたベースの音はもう飽きたって、もっと音楽性を出した良いものを作りたいって、そういう音楽も出して欲しいって…その感覚もほとんど分からない自分は音楽を奏でる事も向いていなかったのだろうか





嫌気が差して、ふと置いたベースに目を向けているととても苦しく感じてしまった

音楽が好きなのに、音楽のことを学ぶことすら出来なかったんだ








辛いなぁ…



努力が足りないって言うんだろう?分かってるよ、それはもう分かってるんだ…

悔しさ向けた音楽

悔しさ向けた音楽

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2026-07-15

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