『幻影』

愛と貴方をトレードして
アタシは孤独な幸せを手に入れた


『幻影』


愚かで考えなしなのは昔からよ
貴方を知って拍車がかかっただけ
どっちにしても行き場のない愛なんて
無意味でしかないと気づいてしまった

希望も望みも持たず
毎日を静かに暮らすには
愛なんて必要なかっただけ
ベッドと壁の隙間でピアスが光る

少しは迷ったってことだけは
アタシにも言い訳させて
だけど主張する星のピアスの
思い通りにはなりたくなかった

愛さえ諦めれば幸せになれる
幸せの種類が何だとしても
知らない振りで忘れるだけよ
簡単で安直で考えなしのアタシにぴったり

優しい夢はもう見ることはない
貴方を手に入れたけど
世界でいちばん寂しいの
それでも手放すには惜しいから

空回りする彼女の罠を目にしても
何度だって見過ごして平気な顔で笑うわ
気まずそうな貴方の視線が
今更すぎて失笑を誘うけど

責めないアタシの為にできることは
ただ永遠に席を用意することだけ
黙って椅子を引いてどうぞと
当たり前みたいな顔で貴方も笑って



「離れるには惜しいって、愛からいちばん遠いね」

『幻影』

『幻影』

  • 自由詩
  • 掌編
  • 恋愛
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2026-07-02

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