zoku勇者 マザー2編・30

スカラビ編・2

「鍵ーっ!何処だー!、おーい、いたら返事しろーっ!」
 
「ジャミル、頼むからさ、真面目に鍵を探そうよ……」
 
「鍵さーん!どこーっ!?私達、あなたがいないと困るのーっ!
お願い、出て来てーっ!話合いましょうーーっ!」
 
「……」
 
アイシャまでおかしくなっている……、という事は、砂漠を
歩き過ぎで相当暑さにやられているらしかった……。
 
「おい、あんたら……」
 
「!?」
 
必死で砂漠を練り歩くトリオの前に……、ぬっと、ハゲた頭の
男が現れた。地元の原住民なのか、槍を持って腰ミノをつけている。
 
「うわあ!ウンバホ!」
 
「……?」
 
「ど、どうもすみません、相手にしないでやって下さい!あはは、
少し疲れてまして……」
 
「いてて!頭抑え付けんなっ、腹黒!」
 
「何か探し物かい?こんな砂漠で……、大変だな……」
 
「ダンジョン男の部屋に入れる鍵を探してんだよ、その、
ダンジョン男の知り合いって奴がさ、……部屋の鍵をこの
砂漠に落としちまったらしくて……」
 
「ほう、それでお前達が探しているのか……、わざわざ……、
人が良いな……、ダンジョン男かどうか知らんが、変な塔なら
此処から北西に立っているが」
 
「ホントですかっ!?」
 
「マジっスかっ!?」
 
トリオが思わず身を乗り出す……、その勢いに押されてか、
原住民の男は何かを思い出した様に頷いた。
 
「もしかするとさっき拾った鍵はその塔の物かもしれねえな、
おれはいらんからお前さんにやる、ほれ」
 
「おおおおっ!鍵ー!」
 
「……じゃあな」
 
原住民の男はジャミルに鍵を手渡すと何処ともなく何処かへ
去って行った。
 
「よしっ、目指すは北西っ!」
 
トリオは北西へ向かう。……確かに奇妙な物が立っていたが。
木彫りの木造の様な……変な建築物であった。
 
「これがダンジョンなのかしら?変わってるわねえ~……」
 
「入口は……と、此処だな!」
 
ダンジョンへの入り口を見つけ、鍵を開け、中に入る。
入口近くに看板が立て掛けてあり、何やら文字が書いてある。
 
『ようこそ、あるいはウエルカム 此処は私の体の中 
ブリック・ロード』
 
「……」
 
看板を見てアルベルトが何やら考え込んでいる。
 
「どうかしたのか?」
 
「うん、やっと思い出したよ、僕、前に一度、ダンジョン職人の
ブリック・ロードさんに会っているんだ、皆と会う前に、
ウィンターズでね、次に作るのはもっと面白くするから、
何処かで又会った時は宜しくって言っていたっけ……」
 
「そうなのか、それにしても変わった知り合いだな、ダウドの
野郎もそうだけどさ、変人には変人が集うのかな……、集まれ
変人の会だなあ」
 
「あのね、君に言われたくないんだけど!」
 
「それじゃ私達も変人て事になるじゃないの!」
 
「えーとっ!知らねえ!あ、ほらほら、あそこにベンチがあんぞ!
ほれほれ、座ろうや!あっはっはー!休憩、休憩っと!」
 
「もうっ!」
 
誤魔化す様にしてジャミルが先にベンチに座り、アイシャと
アルベルトに手招きをし、二人もベンチに腰掛ける。どうやら
このベンチはおやすみベンチと言うらしい。
 
『このベンチをチェックする事はホテルにチェックイン
するのに似ている』
 
「ついでに自動販売機でもあればいいのにな、ジュースも
ねえから水でも飲むべ」
 
ジャミルはリュックから水の入ったペットボトルを出すと
アイシャとアルベルトにもそれぞれ一本ずつ渡した。
 
「凄いわ……、このベンチ……、座っているだけで本当に疲れが
とれちゃうのね……」
 
「あああ~……、本当に凄いね……」
 
「それにしても、嫌にギシギシ言うな……、このベンチ……、誰か
横綱でもいるのかよ……」
 
「ちょっとジャミルっ!何で私の方見るのっ!?」
 
「多分、作りが悪いんだよ……、ずっと此処に座っているわけにも
いかないよ、さあ動かなくちゃね……、よっと」
 
アルベルトがベンチから立ち上がる。リラックスし過ぎで、
本当は彼が一番動きたくなさそうだった。
 
「それにしても……、看板だらけだなあ~……」
 
『私の統計によればまず70パーセントの人は右を選ぶ』
 
『この看板は是非記憶にとどめておくべきであろう 
ブリック・ロード』
 
更に歩き回ると、其処は何だか休憩所の様な雰囲気。
ATM、公衆電話、病院、などなど。おもてなしの
サービス精神旺盛の配備だった。ジャミル達は散歩がてら
珍しそうにダンジョンを歩いてみる。
 
『医者と看護師を雇うのはダンジョン持ち主の業務である』
 
「……おっ、便所までっ!」
 
「またあ~、よしなさいよ、ジャミルは……、もう~!」
 
「よしなよっ、ジャミルっ!人が入ってたらどうするんだよ!」
 
アルベルトが慌ててジャミルを引っ張ると、トイレの中から
か細い声と呻き声と唸り声が聞こえた。
 
「おれ、何でこんなところでトイレにはいってるんだろうなあ、
おれってだれなんだろ、あっ、気になっちゃったらごめんね、
ほんとに何でもない男なんだ」
 
「気になるーー!」
 
 
……パンッ!!
 
 
「さあ、行こう!……全くっ!」
 
なおもトイレに近づこうとしたジャミルをアルベルトが
スリッパで引っ叩いた。ジャミルは不貞腐れていたが
そのまま連れて行かれた……。
 
「トイレの花男さんだったらどうすんだよっ!」
 
「……そんなモンいないよっ!勝手に作るなっ!全くっ!」
 
これ以上アルベルトをキレさせてバズーカを発射されたら
たまらないので仕方なしにジャミルはそれきり黙っていた。
 
「破壊兵器味方につけやがってからに……、今にみてろ、腹黒……」
 
「何?」
 
「い、いや……何でもありません……、ん?」
 
「どうかしたの?」
 
「……アイシャが……いねえ……」
 
「ええええーーっ!?」
 
ちょーっと油断するとこれである。二人は大慌てでアイシャを
探し回る……。
 
「あっ、いたよっ!」
 
見ると、アイシャは別のお休みベンチに座ってほわ~んとし、
寛いでいた。
 
「はああ~ん、癒されるわあ~……」
 
「こらああーーっ!!ジャジャ馬あーーっ!!」
 
ジャミル、アイシャを捕獲すると数発デコピンをデコに
発射しておいた。
 
「ぶう~っ!いいじゃないのーっ!だって座ると気持ち
いいんだもん!」
 
「たく、どいつもこいつも……、どうしようもねえ……」
 
「……其処にアンタも入ってんのっ!!」
 
「すいません……」
 
アイシャとアルベルトにびしっと指を突きつけられ……、少し
ジャミルが大人しくなった。
 
ジャミル達が下の階で揉めている頃、最上階にいる
このダンジョンの主、ブリック・ロードは……。
 
「さてさて、お客さんは無事に此処まで辿り着けるでやすかね、
♪お会い出来るのが楽しみでやす!」

トリオはアイテムを回収しつつ更に広いダンジョンを巡る。
雑魚ではあったが、敵も段々出てくる様になった。あの
ムーンサイドで出現し、ジャミル達を苦しめた怒りのプラグ、
ロボ・ガロンも出現したが時の流れは残酷な物なり、すでに
雑魚的になってしまっていた。
 
「……」
 
フォーサイドのモノトリーデパートでも出現したキラーカップも
現れる。もうジャミル達には敵わないと悟ったのか、やや怖気
づいている感じ。
 
「……くいくい」
 
キラーカップがおずおずとジャミル達に近づき、自身のカップの中の
コーヒーをピックアップ。どうやら飲めと言っている様だ。
 
「くれんのか?じゃあ、貰うかな……」
 
と、ジャミルがさっき水を飲んで空にしたペットボトルを
リュックから取り出そうとした瞬間……、突然キラーカップが
ジャミルに熱いコーヒーをぶっ掛けてきた。
 
「うわっ!あっちっ!……て、てめえ、この野郎!」
 
「♪~」
 
……キラーカップはしゅたたと走って逃走する。どうやら唯、
嫌がらせをしたかっただけらしい。
 
「大丈夫……?」
 
「さ、災難だったね……」
 
「ううう~!畜生、覚えてろよこの野郎!」
 
多分、もう覚えていないであろう。
 
「……この場所は、何だろう?」
 
色々歩きまわっている内に何故か車やら、ヘリコプターなどがやたらと
置いてある場所に出る。……潜水艦まで置いてある始末。
 
「ブリックナントカのおっさんの趣味なんだろ、次行こうや……」
 
「う~ん……」
 
アルベルトが考え込む。もう少し見ていたかった様である。
ジャミルとアイシャがその場から動いてしまったので
仕方なしに諦めた。
 
そして、2階への入り口を探し当てたジャミル達。垂れている
4本のロープのうち、どれか一つがちゃんと上の階まで行ける
仕様の様であった。適当にロープを選んで上に登ると、それらしき
表記がある看板があったのでアタリらしかった。
 
『ここは私の体内の2階である』
 
2階も看板だらけであり、下の階よりも厄介な敵が屯する
様になっていた。
 
「おい、段々サービスが過激になって来たな、こんなサービス
要らねえよ……」
 
『この上にはモンスターがうようよいるであろう、心配はいらぬ』
 
「……この階の数だけでも相当うぜえのに……」
 
「優しいと思ったのに……、やっぱり何処か辛口ハードなんだねえ~……」
 
「どうする?下の階に戻ってベンチに座りましょうか?」
 
「いや、いいよ……、てか、お前が座りたいだけだろ?」
 
「うん」
 
てへっとアイシャが舌を出した。どうにもあのベンチが
癖になってしまった様で。
 
「折角此処まで登ったんだから、だーめっ!……オラ、次の階を探すぞ!」
 
「ぶう~!」
 
剥れるアイシャを連れ、更に上の階への通路を探す三人。
 
『此処に漂うはフローラルな香り、匂わぬ者は鼻が詰まっている』
 
「……フローラルどころか、……何か異様な臭いが……」
 
「生臭いわ……」
 
そう言ってアイシャとアルベルトがジャミルの方を見た。
 
「何だよ……」
 
「臭いの原因、何となく分ったわ……」
 
「僕も……」
 
そして、3階……。
 
『ここは私の体内の3階である』
 
「♪わあ、可愛いー!ふふ、おいでおいで!」
 
『つっぱりダック 離れてさえいれば良きペット』
 
「アイシャっ!可愛くても敵だよっ、不用意に近づいたら危ない!」
 
アルベルトが慌ててアイシャに注意するが、アイシャは平気な様で、
つっぱりダックもグワグワ鳴き、アイシャに甘えている。
 
「大丈夫よ、こんなに可愛いじゃない!くすぐったーい!」
 
「グワワワ~♡」
 
「ふ~ん、平気なんだな、顔はブサカワだし、飼うのはあれだけどなあ~……」
 
「……グワっ!!」
 
「いっ、てえええええーーっ!!」
 
「♪グワっグワっ!グワ、グワワーワワ~!」
 
……つっぱりダックは近づいてきたジャミルのデコを思い切り
嘴で突き、逃げて行く……。
 
「もうっ!アヒルちゃん逃げちゃったじゃないのっ!
ジャミルのバカっ!」
 
「知らねえよ!あんの糞アヒルめええ~!……覚えてろよっ!!」
 
突かれたデコからの出血を抑えながらジャミルが飛び跳ねた。
……だからもうアヒルは覚えていないと。
 
「あっ、おやすみベンチよ!なーんだ、この階にもちゃんと
あったのね、丁度いいわ、ジャミルもほら、休憩しましょ!」
 
アイシャがとてとてと、ベンチまで走って行った。
 
「どうする?」
 
「座るよ、畜生、デコからの血がどうにも止まんねえし……」
 
そして、ベンチに並んで座る3人……。
 
「……はああ~っ……、きんもちいいい~……」
 
寛ぎ過ぎて……、思わず顔が歪んでしまったのであった……。
そして、トリオは漸く、最上階の4階へとたどり着いた……。
 
「ウェールカム!お久しぶりでやす、アルベルトさん!」
 
「うっわっ!壁に顔、顔がっ!!」
 
ジャミルが思わず盆踊りポーズを取る。壁から変な親父の顔が
にゅっと突き出て喋っている……。
 
「お久しぶりです、……ブリック・ロードさん、等々、ご自身が
ダンジョンになられたんですね、何て言っていいか分からないん
ですけど、おめでとうございます」
 
「そうです、アンドーナッツ博士のお蔭で遂に悲願の
ダンジョン男になれたでやす!あんた方さえ良かったら
暫くメンバーについていきやす」
 
「つ、ついてくって、どうやって……」
 
「とにかく、外に出てみましょうよ」
 
「そこのお帰り穴に飛び込めば、すぐに出口に出られるでやす、
ささ、行きやしょう!」
 
……トリオは言われるままに穴に飛び込み、外に出る……。
 
「でわ、行くでやす!……ダンジョン男、GO!発進でやす!!」
 
「……うわあ~……」
 
「それっ!パンチでやす!キックでやす!屁でやす!」
 
ダンジョン男は動きだし、巨神兵の如く暴れ、現われた敵から
ジャミル達を護衛する。……ドザガランも、気配りユーホーも、
高級ユーホーも、スケルピオン・デッドも……、一撃でぶっ飛ばした。
その凄まじさにトリオはあんぐり口を開けて見ているしかなかった……。
 
「見掛けはカッコ悪いけどな、こりゃいいな!」
 
「ホントっ、ダンジョン男さん素敵ーっ!」
 
「頼もしいボディガードになってくれそうだね!」
 
と、3人が絶賛するのもつかの間であった……。突然のある
悲劇がダンジョン男を襲う……。
 
「なんと、これはっ!……ヤシの木に挟まれたでやす!
うーんっ、動けないっ!……どうやらあっしは此処までの
ようでやす……、動けなければ動けないで別にいいでやす、
大変お名残惜しいですが此処でお別れしやしょう……」
 
「え、えーっ!?そんな……、マジかよ……」
 
ダンジョン男がデカすぎた為に、ヤシの木の間に胴体が
挟まって動けなくなりこれ以上の一緒の移動は不可能に
なってしまった様である。
 
「アルベルトさん、あっしの事は大丈夫でやす、構わず先に
行って下せえ……」
 
「でも……」
 
アルベルトも心配そうな顔でダンジョン男を見るが、これ以上は
どうにもならず、ダンジョン男は自分に構わず早く行けと促す。
 
「ジャミルさんも、アイシャさんも、どうかお気をつけてでやす……」
 
結局……、トリオは再び、自分達の力で戦って進まなければ
ならなくなってしまった……。勿論、いつまでもダンジョン男と
一緒に行動出来る訳ではなかったが……。何となく複雑な気持ちで
ジャミル達は又、歩き出した。

ダンジョン男と別れ、トリオは更に東へと歩いて行ってみるが。
 
「……ありゃ、この向こうは……、でけえ川だ、これじゃ先に
進めねえなあ~……」
 
「本当だわ、困ったわね……」
 
「ジャミル、向こうから……、誰か来るよ……」
 
「ん?」
 
トリオが困っていると、又、ピラミッド近くにいた原住民の
男がやってくる。が、この人はピラミッド周辺にいた男とは又、
別人の様であった。
 
「アンタ、ウンバホ?」
 
「だからっ、やめろっての!こ、こんにちは!」
 
ジャミルを引っ叩き、アルベルトが挨拶すると原住民の
ヤリ男は首を傾げた。
 
「あんたら、川を見てたようだが……、まさかこの川を渡り
たいってんじゃねえだろ?この川の先は魔境と呼ばれる
恐ろしい場所へ続いてるんだが……」
 
「おーっ!川の向こうは魔境なんだな!んじゃ、いっちょ
泳いでいくか!」
 
「ちょ……、馬鹿言うなって……、君、本気で言ってんじゃ
ないだろうね……」
 
「そうよ!無理よっ!何言ってるのっ!」
 
アルベルトがずれたメガネを押し上げ、アイシャが頬を
膨らませて抗議するが……。
 
「そうだよ、馬鹿言うんじゃねえよ、魔境は恐ろしい
毒の沼だ、沼は歩くだけで体力が減る、怪物は強い……、
この大河だって底なしだ、泳いで行っても引きずり
こまれちまうよ、……まあ潜水艦でもあれば話は別だがな」
 
「……何だよ、皆して馬鹿馬鹿言うなよ……、冗談だっての……」
 
馬鹿なんだからしょうがないのであろう。
 
「うるせーってんだよっ!どっかの声っ!」
 
「潜水艦……、ん~、そうだ!確か、ブリック・ロードさんの
ダンジョンに!」
 
「あ、そうよね!そんな様な場所があったわ!」
 
「よしっ、一旦戻るかっ!」
 
アルベルトが思いだしたお蔭でどうやら道が開けた様である。
トリオは再びダンジョン男の元へと走った。
 
「……潜水艦でやすか?確かに、1階の秘密のあっしの宝物ベースに
置いてありやすが……」
 
「お願いします、魔境へ渡るのにどうしても潜水艦が必要なんです、
どうか力を貸して下さい!」
 
「あんた方になら喜んでお譲りしたい処でやすが……、何せ、
あの潜水艦は修理が必要でやしてね、壊れてしまってるんでやす」
 
「ああ、それなら僕、直せるかもしれません!」
 
アルベルトがそう言うと、ダンジョン男(中はブリック・ロードは)
喜んで潜水艦を譲る承諾をした。そして、トリオは再びダンジョン
男の中に入らせて貰った。急いで、ブリック・ロードの秘密の
宝物ブースへ……。
 
「あった、これだね、イエローサブマリン!」
 
「これが有れば川の中を進めるのね!」
 
「よし、僕がメンテナンスと修理をしよう、……暫く時間掛るから……、
二人は少しダンジョンを歩いて来たら?」
 
「ほーい!」
 
「はあーい!」
 
アルベルトに潜水艦の修理を任せ、ジャミルとアイシャはまだ
ダンジョンで行っていない場所があるか探してみる事にした。
 
「♪探検、探検~、……ジャミル、どうしたの?」
 
「ああ……」
 
急にジャミルが立ち止まった。嫌にジャミルらしくない真剣な表情。
 
「いや、何か……、心配になってきちまってさ……」
 
「何がよう!」
 
「……潜水艦、まさか爆発したりしねえだろな……、川ン中で……」
 
「……」
 
二人はスカイウォーカーが……、2度爆発したのを思い出す……。
 
「大丈夫よ、アルを信じましょ……」
 
「……」
 
それから、一通りもう一度ダンジョン内を巡った後、二人は
アルベルトの元へと戻る。
 
「お帰り、案外早く修理終わったよ、ほら!どうだい?これ」
 
アルベルトが修理とメンテナンスを終え、ピカピカに磨き上げた
イエローサブマリンを二人に披露した。
 
「あのさ、……その、大丈夫……、なんだろうな……」
 
「ん?……あ、もしかしてっ!……爆発の心配してるんだろっ!
あのね、スカイウォーカーが爆発したのは、大元のアンドーナッツ
博士が作った所為だよ!この潜水艦は大丈夫な筈だよっ!!
キーキー!」
 
「わ、分ったから、アップになるなっての……」
 
「ふんっ!!」
 
アルベルトは鼻息荒くし、ジャミルに顔を近づける……。
 
「じゃあ、早く外に出ましょ!私、早く潜水艦乗ってみたいわ!」
 
もしかすると爆発するかもしれない潜水艦の心配を忘れ、アイシャが
興奮している。
 
「分ったよ、んじゃコレ運ぼうや……、ちと重労働だなあ~……」
 
ジャミルとアルベルトでイエローサブマリンを外まで運ぶ。
えっさえっさと重いサブマリンを運び出すその様子をダンジョン男
(本人の本体は4階なので顔はみえないが)ニコニコしながら見ていた。
 
「皆さん、お気をつけてでやす!サブマリン、是非お役に立たせて
下さいでやす!縁があったらまたお会いしやしょー!」
 
「おっさんも元気でなー!」
 
「色々ありがとうー!」
 
「さようならー!お世話になりましたー!
 
今度こそ、ダンジョン男に別れを告げて、トリオは川沿いへと
又戻るのであった。
 
「……さてと、これからこいつに乗って魔境まで行くわけだが……、
お前ら、覚悟はいいか?」
 
「大丈夫よ!」
 
「心得てるから……」
 
「よし……」
 
二人の返事を聞き、先にジャミルがサブマリンに乗り込み、
後からアイシャとアルベルトも乗った。……トリオを乗せ、
いよいよサブマリンは川へと潜る。最初に進んでいる時は
まだ軽快だった。ところが段々と……、潜水艦から見る外の
景色が濁って来た。
 
「さっきまでお魚さんいたのに……、何だか何も見えなく
なっちゃった……」
 
「それだけ魔境に距離が近づいて来たって事だろ!」
 
「うん、もう少しだと思うよ……」
 
操縦士のアルベルトがちゃんとレーダーで現在位置の確認を
取っている。落ち着いて操縦している様であり、今回は爆発の
心配も無さそうであった。
 
「ねえ、ジャミル……」
 
「あん?」
 
「魔境は過酷ってスフィンクスさんが言っていたけれど……、
今度は何が待っているのかしら?」
 
「分んねえなあ~、ま、とにかく行って見るしかねえよ……」
 
「そうね……」
 
……潜水艦に乗る前までは元気だったアイシャが、段々魔境が
近づくにつれ、何か悪寒を感じたのか、急に不安定になって
きている様だった。明るかった川が暗くなってきたのを見て
気分が滅入って来たのかも知れないが。それにしても、どうして
女の気分つーモンはこんなにコロコロ変り易いんだと相変わらずの
鈍感でニブチンなジャミ公は思う。
 
「二人とも、そろそろ魔境に着くよ、準備して……」
 
「来たか!」
 
「……」
 
潜水艦は地上へと浮上する。、ジャミル達は潜水艦から降りた。
其処で待っていた物は……。密林地帯に囲まれた広大な沼地が
広がる景色であった。
 
「うわあ、マジですげえなあ~……」
 
「この沼を渡るのね……」
 
「行くしか……、ないね……」
 
3人は意を決し、魔の沼地帯へと踏み込んでゆく……。

zoku勇者 マザー2編・30

zoku勇者 マザー2編・30

SFC版ロマサガ1 マザー2 クロスオーバー 年齢変更 ジャミル×アイシャ カオス ギャグ 下ネタ

  • 小説
  • 短編
  • ファンタジー
  • 冒険
  • コメディ
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2026-06-21

Derivative work
二次創作物であり、原作に関わる一切の権利は原作権利者が所有します。

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