zoku勇者 マザー2編・24

サマーズ編・1

「おお、戻ったのか、お帰り、丁度スカイウォーカーの
改造も終わった処だ、……アルベルトはおねしょもするし、
歯ぎしりはする、寝言は言う、特大の臭い寝屁もする、まあ、
いい子なのでこれからも仲良くしてやっておくれ」
 
「……一度言った事を何回も繰り返さなくていいんです、
それに僕はおならはしないと言っているでしょう!……しかも、
何で特大のが前に付いているんです?」
 
……アルベルトがスリッパを出そうとしたので、それは
まずいですよ!とばかりにジャミルとアイシャが
アルベルトを慌てて抑える。
 
「分かっておるよ、構うとムキになるから面白くてのう……、
プッ……」
 
「そうかもな……」
 
「も、もうっ!アルも落ち着きなさいよ!構いたいほど、
博士はアルの事が可愛いのよ、ねっ!?」
 
「……そういう事にしておく……」
 
「で、何で俺だけしっかり頭叩くワケ!?」
 
「はあ、それじゃ出発の準備をしよう、博士、お世話に
なりました……」
 
ややお疲れ気味モードにアルベルトが博士に挨拶をした。
 
「待ちなさい、スノーウッド寄宿舎のガウス君から連絡を
受けたのだが、お前に夜なべで真面な機械の一つぐらい
作れる様になる様にアドバイスをしてくれた様じゃが、
お前は腕が少しは上達しておるのか?」
 
「……博士、父さ……ん……」
 
「これまでの自身の成果を見せてみなさい、それによっては
お前はこの先、ジャミル君達と行動する事を許さん……」
 
急に真面目モードになったアンドーナッツ博士にジャミルと
アイシャは戸惑う……。これまで、アルベルトが自分で機械など
作る処を見た場面も記憶に無かった為だった。
 
「分りました、ではみて下さい……」
 
「ふむ?」
 
「アル……」
 
アルベルトは落ち着いた表情で、自身が持っていた
バッグの中から大量の機械を取り出すとジャミル達に
披露した。
 
「おま、これ……」
 
「うん、内緒にしていてごめんよ、……僕がPTに入った
直後にこっそり作った物もあるんだけど……、何となくね、
恥ずかしかったのもあるし出しづらかったんだよ」
 
「アル、凄いじゃない!隠さなくても良かったのに!」
 
「え、えへへ……」
 
アルベルトが修理したこれまでの主なガラクタ品……、
アンチPSIマシン、ディフェンススプレー、ねばねばマシン、
チューチューマシン、スーパーエアガン、レーザービーム、
試作品、全自動スリッパ研ぎ機……
 
(何に使うのか良く分からん物もあるが……)「お前も努力は
している様だな、頑張ったな……」
 
「父さん、……博士……」
 
「とりあえずは合格だ、だが自惚れるでないぞ、次はもっと
上ランクの修理品をみせて貰うからな……」
 
「はい……」
 
「……大丈夫なのかしら……」
 
「だろ?俺達だってサマーズまでスカイウォーカーを
動かして貰うのにアルがいなきゃ困るしよ……」
 
「最終的には地球破壊爆弾ぐらい作れる様にならんとのう……、
うふ、うふふ……」
 
「……お、おいおいおいおい!」
 
「プ、冗談だよ、ジャミル君、君も構うと中々面白いのう……」
 
実は、この親父……、ギーグよりも厄介なのでは……、と
ジャミルは思った。そして、トリオは新型?のスカイ
ウォーカーに乗り込む。
 
「アルベルト、ついでにこれも渡しておこう、壊れた水道管だ、
又何か作ってみなさい」
 
「有難うございます……」
 
「な、何でもかんでも……、役に立つのな……」
 
「じゃあ、行くよ……、二人とも、しっかり掴まってて!
……スカイウォーカー、サマーズへGO!」
 
アンドーナッツ博士が見守る中、アルベルトが操縦ボタンを押す。
……スカイウォーカーはふわりと浮き上がると研究所の屋根を抜け、
目指すサマーズへと飛び立って行った。
 
「やれやれ、行ってしまったか、……ん?これは……、ネジだ……、
何のネジかの?……まあええわ……、どうにかサマーズまでは
持つじゃろう……、ビッグフット君もご苦労様だったの、お茶に
しよう、あんドーナツもあるぞ」
 
「うほ、ごちそうになります、うほうほ!」
 
……博士とビッグフットが呑気なお茶タイムを楽しんでいる頃、
ジャミル達はスカイウォーカーで空の上であった……。
 
「今度は大丈夫そうだな……、変な音もしねえし!」
 
「やっぱりお空の旅って楽しいわね!」
 
「……」
 
「サマーズまで、後どれぐらいで着きそうだ?」
 
ジャミルが訪ねるとアルベルトはちょっと眉間に皺を
寄せた表情で一瞬ちらっとジャミルの方を見るが……。
 
「もう、それ程時間もかからないと思うけど……」
 
「だよな!あー、良かった!」
 
「あ、みてみてジャミル、海よ!……海岸みたい、ほら、人が
あんなに沢山……」
 
「お?どれどれ?ビーチだな!っつー事は、俺達無事サマーズに
到着出来そうだな!」
 
「♪わあー!」
 
ジャミルとアイシャはスカイウォーカーの窓から賑やかな
ビーチを見て燥ぎだした。しかし、……そんな二人を尻目に
操縦を続けるアルベルトは……。
 
「君達、あんまり油断しない方が良い、最後まで……」
 
「何でだよ!だってサマーズはもう目の前じゃねえか、後は
離陸すりゃいいだけだろ?」
 
「……コントロールパネルがおかしい……」
 
「え……、……ええええええーーっ!?」
 
「このまま落ちます、もう落ちるったら落ちるんだよっ!!
覚悟しろっ!!……だからあんまり油断しない方がいいと……、
……こてっ……」
 
操縦士のアルベルトが気を失ったらしい……。
 
「……いーやーだーあああああああ!!」
 
「きゃああああああーーーっ!!」
 
……そして、スカイウォーカーは爆発し……、サマーズの砂浜に
墜落したのであった……。バカンスを楽しんでいた客たちは、
一体何事かと騒然とするが……。
 
「……げ、げほ、海に落ちなかったのが……、せめてもの救い……、
げ、げほっ!!」
 
「……いやあああああーー!!もうお嫁に行けなーーい!!」
 
「もう、あのハゲ博士の作る物は……、も、もう……、に、二度と……、
信頼しな……、うげっ!げーほげほ!」
 
おかしな機械から、顔真っ黒、頭も大爆発アフロのジャミル達が
姿を現すと、……ビーチは笑いの渦に包まれたのであった。
 
 
「ドーナツはおかわりもあるぞ、ビッグフット君、ほれほれ
遠慮せずもっと食べなさい」
 
「♪うほうほ!」
 
「おう、いいニオイすんな、ウキャ!おれたちにもくれくれ!」
 
「バルーンモンキー君達も来たか、ほれ、食え食え!」
 
「お世話になりますわ、キャンキキキ!」
 
……息子達が今頃アフロになっているとも知らず、長い
ティータイムを楽しんでいる博士達。しかし、この後
博士の身に起こる危機をジャミル達はまだ知る筈も無かった。
無論、張本人のアンドーナッツ博士も。
 
「ああ、あんドーナツは美味いの!」

色々あって、漸くサマーズに着いた物の、此処で何を
したらいいのか、この先、どうやってスカラビへ向かえば
いいのか……、まだ明確な方法が分からず……。
 
「みんな海で遊んでるわ、楽しそうね……」
 
「だよな、……はあ~、俺らも此処は取りあえず、一旦
置いといて一息つくべきじゃね……?」
 
チラチラと……、ジャミルがアルベルトの方を見た。
 
「……何で僕の方を見るの、別に休憩したいんだったら
好きにすればいいさ……」
 
「ちぇっ!何だよその言い方!まるでどうでもいいような!」
 
「でも、私、水着持ってないわ……」
 
アイシャが項垂れていると、ビーチからサーファーのお兄さんが
こちらにやって来る。
 
「はあーい、君達、泳がないのかなー?折角海に来たんだもの、
じゃなきゃ、ユー達は一体何しに此処へ?」
 
「分かんねえ……、何なんだろう……?」
 
「はあ?」
 
「ちょ、ちょっと、用事がありまして……、サマーズまで
やって来ました、は、ははは!べ、別に泳ぎに来たわけでは
ないんです……、オホン!」
 
つい余計な事を口走りそうになるジャミルをアルベルトが
肘で強く突いた。
 
「でも、やっぱり折角のビーチなんだもの、海を満喫して
行きなよ!ショップで水着もレンタルしてるからさ!」
 
「本当ですか!?」
 
アイシャが思わず嬉しそうに身を乗り出す。
 
「ああ、ショップはこの近くにあるよ、行ってみなよ、それじゃ、
楽しいバカンスをね!」
 
サーファーのお兄さんはトリオに手を振ると行ってしまった。
 
「アル、アイシャがサマーズへ向かう様に予感を感じたのも、
きっと俺らに暫しの休憩をしていけと言う意味だったんだよっ、
うんっ!」
 
「そんなワケないでしょ……、相変わらず馬鹿だなあ~、たく……」
 
「うるせーなっ!」
 
「……そうよ!ジャミルったら……、でも、やっぱり折角の
海だもの……、ね?」
 
「だ、だよなっ!目の前にビーチが有るのに泳ぎたくない奴は
いねえもんな……」
 
「……」
 
しっかりと、此処にいるのだが。どうしても運動が苦手な文学系が。
 
 
……その頃、遥か遠くの自宅で現在は犬になっている、
ジャミ公の相棒……。
 
「……はーっくしんっ!……な、何だよお?言っとくけどオイラ、
物臭じゃないよお!?何か最近、くしゃみばっかりでるよお……」
 
 
ジャミルとアイシャは相変わらずアルベルトの方を見ている……。
 
「だから、好きにすればいいってば……」
 
「よっしゃ、んじゃ行こう行こう!」
 
「♪わあ~い!」
 
「……ちょ、僕は海になんか行かないったら!君達だけで……、
人の話聞いてる!?ねえってば!!」
 
結局、アルベルトも暫しのバカンス休憩に駆り出される
羽目に……。
 
「いらっしゃい、サマーショップだよ、ボートも浮き輪も一通りの
物は皆揃ってるよ!」
 
「水着レンタルしてるって聞いたんだけどさ……」
 
「……たく、先に装備品揃えた方がいいのに、ブツブツ……」
 
「ああ、有るにはあるけど、今の処、君達サイズのは、みんな
あいにく貸出し中でね、地味なのはあるが、……それでも良ければ
貸すけど?」
 
「一応、見せて下さい……」
 
どうしても海に入りたいらしいアイシャが店員さんに
頼み込む。店内には普通に販売している水着もあったが、
この先、水着になどなる機会も恐らくないと言う事を
考えると買っても無駄なのでレンタルの方がいいのであった。
 
「ああ、それじゃ持ってくるよ、試着してごらん」
 
店員さんが店の奥に引っ込み、三人分の水着を出して来た。
試着室を借り、水着になってみるものの……。
 
「うっわ!確かに地味だわ、これじゃ水泳教室だっつーの!」
 
「何で僕まで……、ブツブツ……」
 
「色が紺色……、……真ん中に名札が付いてる……、
名前を書くのかしらね」
 
いわゆる、スクール水着という種類である。どう見てもこれでは
臨界学校の学生さん状態であった。
 
「私、これでもいいわ、おじさん有難うございます、それじゃ
お借りします、さっ、ジャミルもアルもビーチ行こうねっ!」
 
「僕、やっぱり遠慮……」
 
「だーめだっての!!」
 
「ううう~……」
 
アルベルトはジャミルとアイシャに引っ張られて行く。
着いた場所は空いていたビーチバレー専用のコートであった。
 
「???……あの……、ジャミル?」
 
「よし、まずはアルに体力を付けさせる為、ビーチバレー擬きをする!」
 
「やろやろー!」
 
「……勘弁して……」
 
「勘弁しないっ!これから先は敵もますます強くなるんだからな!
その為の体力作りでもあるんだぜ!」
 
「何言ってんだか、自分が遊びたい癖に……、ブツブツ……」
 
「じゃあ、まずは私が最初に審判してあげるね!アル、頑張って!」
 
アイシャが審判に回り、ジャミルとアルベルトの1対1
ビーチバレー擬きがスタートする。まあ、人数もいないので、
どっちかのコートにボールを打ち込み点を簡単に入れるだけの
単純なゲームではあったが。
 
「オラ、俺から行くぞっ!喰らえこの野郎!しっかりボールを
弾き返せよ!」
 
「……うわ!」
 
「はーい、ジャミル1点目よ!」
 
最初のサーブからジャミルあっさり1点を叩き込んだ。
 
「お前、本気出せよな!ボールだってビーチボールなんだから
当たったって痛くない筈だぜ!」
 
使っているのはこれ又ショップで借りてきた、スイカ仕様の
ソフトなビーチボール。ジャミルは鼻息を荒くしながら
鬼コーチの如く、指でボールをくるくると器用に回している。
 
「……うるさいなあ~、だから僕は本読んでた方がいいのに……、
それに君の馬鹿力じゃビニールでも充分凶器になるんだよっ!」
 
「そうかね?俺、そんなに力ある?」
 
「……そうだよっ!たく、身体は細い癖に案外、力はあるんだから……、
冗談じゃないよっ!」
 
「じゃあ、私も入っていい?アルの方に加勢してあげるー!」
 
「お前、そっちに回るのかよ、ずりいなあ~、おい!2対1に
なっちまうじゃんか!」
 
「♪えへへー!アル、頑張ろうーっ!」
 
「う、うん……」
 
アイシャが入ってくれた為か、少しはアルベルトがやる気に
なった様だった。
 
「よーし、アイシャが入ったからって俺は手を抜かねえぞ、
ビシビシ行くかんな!」
 
「望むところよっ!」
 
「うりゃ!」
 
「来るわ!ほら、アルの方よっ!」
 
「……え、ええええっ!く、このっ!」
 
アルベルト、何とか飛んできたボールをレシーブで打ち返す。
 
「なんのっ!」
 
しかし、流石運動神経だけは優秀なジャミ公、砂浜に転がっても
ボールを打ち返した。
 
「あああ!また来……、ああっ!」
 
「よし、まーた1点!」
 
「やっぱりジャミルったら強いわあ~、私達も頑張らなきゃ!」
 
「おーい、坊や達ー!頑張れよー!」
 
「そこのメガネー、駄目だぞ、そんなへっぴり腰じゃー!もっと
ちゃんと構えろー!ははは!」
 
いつの間にか、ジャミル達のへっぽこゲームを見に、ヤジが
集まって来ていた。そんな事はお構いなしに、ゲームは
白熱していた。結局というか、やはりジャミルの勝ちでは
あったが、最初は……うーんであったアルベルトも最後は
いい汗を搔き、少しは?運動になった様子。
 
その後、トリオは海に泳ぎに行ったり、休憩時にワゴンで
売っていた避暑地のジェラートを食べたり。ずっとジャミルが
持っていた味付け小物のタバスコが勝手にジェラートに掛かるなど、
パニックもあった。リュックに入っているにも関わらず、
持っているだけでリュックからタバスコが飛び出し
どうしても自動的に掛るのである。そして、あっという間に
時間は過ぎて夕方になる。夕食はちょっと贅沢し、高台の
高級レストランで取っている。美味しい食事に海辺の夕日を
眺めながらの最高の一時であった。
 
「……結構日に焼けたかしら、でも楽しかったー!」
 
「明日はちゃんと必要な買い物もしようね、情報も集めないと……」
 
「分かってるよ!借りた水着も返さないとな……」
 
「どうぞ、クラーケンのスープでございます……」
 
ボーイさんが温かいスープを運んでくる、そしてトリオの
テーブルにコトリと置いた。
 
「え?いいのかい?」
 
「等レストランで初めてお食事の方にサービスでございます、
ごゆっくりどうぞ……」
 
「へえー、珍しいな、……おおー、うめえっ!」
 
「本当っ、おいしー!」
 
「うん、いい味出てるね!」
 
トリオは珍しいスープに舌鼓を打つ。後々、このスープの素材と
戦わなければならないとは夢にも思わなかったであろう。
何はともあれ、与えられた休憩はしっかりと楽しもうとする
ジャミル達だった。

トリオはサマーズのホテルにて爆睡していた。昨日の楽しかった
バカンスから一転し、今日は再び情報収集へと動いたり、又気持ちを
引き締め気分を変えければならなかった。朝が来て、アイシャが
ジャミル達の寝ている部屋までやって来る。
 
「お早う、これ、私達が借りた水着、夜にホテルの洗濯機さんを
お借りしてささっと洗濯させて貰ったから、私が今からショップまで
行って返却させてもらって来るね……」
 
「おう、わりィな、……これ、レンタル料、アルを起しておくから、
店員のおっさんに渡しておいてくれな……」
 
「はーい、行って来まーす!」
 
アイシャはジャミルからレンタル料を受け取るとショップまで
出掛けて行った。彼女はジャミル達よりも一足早く起き、夜が
明けるまでに干しも全て完了させてしまっていた。
 
「さてと、……アル、起きろ、朝だぞ、おーい……」
 
「……」
 
「アル?」
 
いつもは直ぐに起きる筈のアルベルトが……、今日に限って
何故か起きない。ジャミルは心配になり、慌ててアルベルトを
揺さぶってみるが。
 
「……ごめん、筋肉痛……、身体の彼方此方がもの凄く痛くて……」
 
「そ、そうか……って、困るだろ、昨日のボール遊びが、んなに
堪えたか……?」
 
「何でかなあ?今日は本当に動けないみたいだ……、申し訳
ないんだけど、今日の情報収集等は……、任せていいかな……?」
 
「そりゃ構わねえけどさ……」
 
「ごめんね……、ゆっくりして来ていいからね……、いたた、
こ、腰が……」
 
アルベルトはそう言ったきり、又目を瞑ってしまった。
……爺さん状態のアルベルトに、おいおい、この先、マジで
大丈夫かと心配になってくるジャミル。彼もスカイウォーカーの
操縦、慣れない処に来たばかりで疲れが溜まっているのかも
知れなかったが。仕方ないので、ショップから戻って来た
アイシャに話し、暫く二人だけで色々と港町を歩いてみる事にした。
 
「潮風が気持ちいいねー!」
 
「ああ、……今日も早朝から皆、海に出掛けて行くなあ……、
サーフィンかあ……、快感だろうな……」
 
本当はもう少し海で遊びたかった……らしく、ちょっとジャミルが
残念そうな顔をした。
 
「……此処にもショップがあるな、見に行ってみるか」
 
サマーズの通りのショップで新しい装備品一式を買い込み、
新装備を整えた。ジャミル用の武器、ゴージャスなバット、
少々値は張るが防具のダイヤの腕輪を3人分。
 
「住宅街もあるみたい、そっちの方にいってみよっか?」
 
二人は海辺を眺めつつ、住宅街の方まで足を運んでみる。
通りすがりの人に訪ねると、住宅街はトトと言うらしい。
 
「此処から……、この先のスカラビに行くとなると……、船か?」
 
「船なら港よね、ジャミル、行きましょう!」
 
二人は船の手配をして貰おうと港までやってくる。
 
「こんちわ、……あの、俺達、海を渡ってこの先のスカラビに
行きたいんだけど……、船、手配して貰えるかな?」
 
「船?」
 
「……そう」
 
ジャミルが訪ねると、船長は怪訝そうな顔をする。
 
「あんたらみたいなお子様が……、船に乗りたいってか……、
なんちゅう命知らずなお子様だ……、しかもスカラビに
行きたいとか……」
 
「へ、へへ、……だ、駄目?」
 
「いや、あんたらの自己責任ちゅうことなら、幾らでも出航して
やったって構わねえんだがね、船を出したくねえんだよ、……今、
海ではクラーケンの気が荒くてよ、……海が荒れて恐ろしい事に
なってるんだ……」
 
「クラーケン……?どっかで聞いた事有る様な……」
 
「昨日、レストランで出して貰ったスープの名前よ……、確か」
 
「そ、クラーケンは海の怪物だよ、スープの材料にもなってるな、
けど、俺が船を出したくねえのはクラーケンが怖いからじゃねえんだ、
俺はどんな荒波にも立ち向かう海の男だ、……原因は俺の女房の事だよ」
 
「奥さん?」
 
「俺の女房は、海辺でマジックケーキを売って商売してたんたが、
最近出来た変な店、ストイッククラブちゅー、店に頻繁に出入り
する様になっちまってから、商売そっちのけでおかしくなっち
まったんだ、その事で揉めて、女房と意見が合わなくなっちまってな、
……もう俺達、おしまいなんかな……」
 
アイシャがジャミルを突っついた。一旦、此処を離れようと言う
合図である。船長がそれきり、ジャミル達の方を見ず、反対側を
向くと落ち込んでしまったからだ。
 
「とりあえず、ストイッククラブに行ってみましょ!
まずは船長さんご夫婦を仲直りさせるのよ!」
 
「また、どうしてこういう事情絡みになると……、生き生きしてくんだよ、
オメーはよ……」
 
「何よっ、ジャミルっ!」
 
「何でもねえでごわすよっ!」
 
一旦、ホテルに戻り、アルベルトの様子も見てくる事にした。
二人は急いでホテルへと走る。……全身筋肉痛……、の筈の
アルベルトは……。
 
「ふう、玉にはこういった自分のプライベートな時間もないと……、
嘘ついたのは悪かったかも知れないけどさ、……昨夜だって
ジャミルに読書の邪魔されたしね!でも、身体が痛いのは本当だし、
動けなくなる程じゃなかったんだけど……」
 
ベッドに寝転がったまま、本を読んでいたのであった。普段は
真面目なアルベルトも時にはちょっと羽を伸ばし、色々と
サボってみたかったらしい。
 
「おーい、アルいるか!?アルよう!!アルーーっ!!」
 
ジャミルとアイシャがいきなり部屋に戻って来る……。
 
「!ちょ、ちょ……」
 
……いるに決まってるだろうと思いつつ、アルベルトが慌てる。
そして読んでいた本をバサッと床に落とす。
 
「ん?何だ、それは……」
 
「い、今……、やっと身体の痛みがひけてきた処でね、退屈してたから
二人が戻って来るまで読書してたんだ、あはは、あはは、あーははは!」
 
「アルったら、本当に本が好きなのね!」
 
わざとらしい笑いで、慌ててアルベルトが床に落ちた本を拾った。
 
「ふーん、で、もう動いて大丈夫なんだな?」
 
「う、うん、もう平気!」
 
「……じゃあ、歩きながら話そう、ついて来てくれや」
 
「ほっ、な、何とか上手く誤魔化せた……」
 
「何だ?」
 
「何でもないってば!は、早く行こう!」
 
ジャミルはアルベルトを連れ、先程の件を話すと、町を歩いていた人に
ストイッククラブとやらの店の場所を聞いてみる。
 
「此処だ……、入ってみるか……」
 
が、入ろうとしたが、入り口付近にいた店員に追い出されてしまう。
 
「此処はストイッククラブじゃありません!通り過ぎて下さい!」
 
「……だ、だって、ちゃんと場所聞いて来たんだぜ!それにちゃんと、
ストイッククラブって表記してあるじゃんか!!」
 
「いいんです、通り過ぎて下さい!」
 
結局、そのままジャミル達は店に入るのを拒否されてしまう……。
 
「……何なんだよっ!」
 
「何か、他に店に入れる方法があるのかな……」
 
「もう少し情報収集してみましょうか……」
 
仕方がないので、トリオは又情報収集をしてみる事に……。

zoku勇者 マザー2編・24

zoku勇者 マザー2編・24

SFC版ロマサガ1 マザー2 クロスオーバー 年齢変更 ジャミル×アイシャ カオス ギャグ 下ネタ

  • 小説
  • 短編
  • ファンタジー
  • 冒険
  • コメディ
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2026-05-31

Derivative work
二次創作物であり、原作に関わる一切の権利は原作権利者が所有します。

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