ときめく恋はカフェオレの香り(番外編 ③)


 
(あらすじ)

鈴原結奈は、最近、復活愛した蒼空(そら)くんと、同棲していた。だが、先輩の、美香さんと滑川さんの恋愛も気になっていたのだ。煮え切らない美香を置いておき、友人の琴葉(ことは)は、滑川に、知人女性を紹介する。滑川とその女性は、意気投合して、デートしたり、交際することになる。



( 本文 )

 〜 滑ちゃんと 美月と美香の場合 ~



滑川は、自分のことを気に入ってくれた女性ーー 琴葉の同僚の、河村美月(かわむら みつき)と交際することにした。

1回目のデートで、見かけはあまり家庭的ではない美月が、、手作りランチとか持参してきたので、、びっくりして見直していたのだ。


『美月ちゃんて、、太っていてズボラそうだけどな。最初のデートで、手作りのランチなんてポイントが高いよな』
と、滑川は、自分の中でランク付けをしていたのである。



けれど、、心の中では、おっとりしていてあぶなっかしい漆原美香(うるしばらみか)ちゃんを、思い出していたのだった。美香は、そんなに家庭的でもないし、美月と違って人柄も良くは無かった。



いつも会っている、30代の結奈ちゃんや琴葉ちゃんのほうが現実的でしっかりしているのに反して、、、美香ちゃんは、見ていられないような「鈍くさい」ところもある。



『美香ちゃんは、、きっと、マンションの部屋でひとりっきりで、お茶でも飲んでいるんだろうな・・。』
滑川の脳内で、美香のしょぼんとした顔が思い出されたのだ。


でも、振られたのは事実だし、「女の子のほうが、好き」って言ってたような気がする・・。
「いかん、いかん、、美香ちゃんはもう忘れようぜ」



そういって、、滑川は美月にメールを送ったのだった。次のデートに、積極的な美月を誘ってみたのだった・・。


~それから、1ヵ月後~

河村美月と、滑川は、あまりどちらも恋愛をしたことが無いタイプだったが、それなりに楽しんでいたのだ。


美月は、自分で「私ってデブなんですよね」と言うだけあって、わざとミニスカートをはき太い足を見せたり、、濃いメイクをしてきて、滑ちゃんを笑わせてみたりユーモアもあったので滑ちゃんも救われていたのだ。


「ねえ、滑川さん、私のSNSなんだけど、、カップルの写真を載せてもいいかなあ」と、珍しく美月は甘えたように聞いてくる。なんでも、そろそろ友人とか知っている人に彼氏(滑川のこと)の自慢をしてみたいらしいのだ。



「ああ、別にかまわないよ、どうせだったら、いちゃいちゃしているところを載せたら・・?」
と、滑ちゃんも乗り気マンマンである。

「はいはい、じゃあ、2人でジュースを飲んでいるところね、、」


そう言って、調子にのった美月は自分のSNSでデートの様子を拡散したのだった。


それが、、ある事件を、引き起こすきっかけになるとは、美月は想像もしてなかったーー。



~ そのころ、結奈と美香は? 〜

結奈は、最近よく会っている美香先輩と蒼空くんのアパートにいたのだった。今日は、仕事も休みで蒼空君も同席している。


「こんにちは、、美香さん、なんか結奈ちゃんが、よくお世話になっているようで。。すみませんね」と蒼空くん。


気の利いた美香は、「いえいえ、私なんて年上だけど結奈ちゃんに 助けてもらってばかりなんですよ。」と、謙遜して答えたのだった。3人の前には、、美香がお土産で持ってきたホットドッグとアメリカンコーヒーがあった。



「わあー、、このホットドッグって、中に入っている ウインナーが美味しいのよね。。先輩、ありがとう!」

そう言って、結奈は、さっそくホットドッグにパクついている。それを見ている蒼空君と美香先輩は、、にこにこと笑顔だった。



女性に優しい、蒼空くんは沈黙を恐れてか、、今のナイトバーの後輩のことや、いつもよく来るお客さんのことなど、おもしろおかしく、2人に話してくれる・・。

楽しくなった結奈は、、最近、蒼空くんからお酒を教わっていたので、冷蔵庫から、日本酒やビールを持ってきたのだ。

「先輩、今日は泊まっていったら??私のベッドに寝てくださいよ、」


「え。。そう言って、朝まで飲ませるつもりなんでしょ?」とおどける美香先輩・・。



結奈から見ると、、美香先輩は、あまり滑ちゃんのことは思い出してないようで、自分の生活を大切にしている感じだった。

「よーーし、じゃあ、俺もビールをいただこうかな」」



蒼空くんも、テンションがあがったようで陽気になって飲み始める。

『良かった、、美香先輩が元気そうで、、そうよね。。もう少したったら、違う恋ができるかもしれないし・・。」

結奈は、そう考えて美香先輩のほうをじっと見つめていたのだ。


‐‐と、その時だった。

結奈のスマホに、友人の琴葉から画像とメールが送られてきたのだ!

「あれ?琴葉からね、、何の画像かしら・・?」

「確か、、、琴葉が、前に旅行に行ったときの、風景を送ってくれる、って話してたわよね。。」と納得する結奈。



結奈は、たぶん楽しい話題だと思い、、、偶然にも、「これ、、みんなで見てみない・・?」と、蒼空くんと美香先輩に持ちかけたのだった。



3人で、スマホをのぞきこんで琴葉が送ってくれた、画像を見てみると・・・?!

そこには、、滑ちゃんと美月が、、いちゃいちゃしながらジュースを飲んでいるのが、うつっていたのだった。


「ちょ、ちょっと、それってやばくないかな・・?」

結奈に、事情を聞いていて美香先輩の恋愛事情を知っている蒼空くんは、、、心配になってつぶやいた。


一方の美香先輩は、、、なぜか、ちょっと固まっていて思考不可能の状態に見えたのだった。

「えええ、、これって何かの間違いよね。。まったく、琴葉もどうしたのかしら・・?」結奈は、美香先輩を気遣い、ごまかして笑ってあげたのだ。「いいのよ、ありがとうね、蒼空くん、結奈ちゃん、」


「きっと、琴葉さんが滑ちゃんの恋愛を応援して、、嬉しくって、結奈ちゃんに送ってきたのね」

事情を察した美香先輩は、コーヒーを飲んで落ち着いたのか、にこっと笑いながら推測したのだった。



脇にいた、結奈は気遣ってなぐさめるが、美香先輩は、「平気よ、、」と言って小さく笑っていた。


ーーーその夜、美香のマンションでーー


漆原美香(うるしばら みか)は、昼間、皆で見たSNSの画像が、頭から離れなかったのだ。

それは、滑ちゃんがふくよかな女性(年下?」と、一緒に楽しそうに、ジュースをのんでいたからである。
滑ちゃんの表情は、美香が今まで見たことのない顔で、、「え?こんな顔もするのね」と、一瞬、美香は驚いてしまったのだ。

『ああ、脇にいた、年下っぽい女性は、、なんか太っていたけど面白そうな人だったな』と美香は落ち込む。


はっきり言って、滑ちゃんの隣に若い女が居て笑っているのが、とっても気に食わなかったのである・・。


「ああ、あの時、私は告白をOKしていたら、どうなったの?!」
「な、なんで、私ったら断ってしまたったんだろう??」

美香は、思わずそうつぶやいって、菓子パンを3個くらい食べはじまったのだ。


「もう、遅いわよね、、いいわ、このパンを食べて、、忘れることにしようーーと。」


食べ物で胡麻化したり、悩みがあるとふて寝をしてしまうところは、なんとなく、結奈に似ているのだった。


その時、美香のスマホが鳴って着信を見ると、な、なんと・・気にしていた滑川からだったのだ。


「よお、美香ちゃん、久しぶり、、元気にしてる?」

「う、うん、まあまあよ、いつも結奈ちゃんと遊んでいるの。滑ちゃんも彼女ができたみたいね」



美香は、急に滑川の声をきいてびっくりしたが、元気を装ったのだ。

「ああ、そのことね、それより、美香ちゃんの車のほう、、だいじょうぶ??」
「いつも、俺がメンテナンスの予約とかしてあげてたよね? ちょっと調子が良いか、
  確認したいんだよ」



なんで、滑ちゃんから連絡があったのか、美香はやっと気づいたのだった。実は、自家用車を持っている美香だったが、、 車のことはあまり詳しくなかった。
それで、友人の滑ちゃんに相談していたのである。



「乗っている車は、だいじょうぶ?見てあげるよ」

『あらあら、滑ちゃんたら、、彼女ができたって言うのに、あいからわず、優しいのね。』美香は、ほっとして電話を終わらせた。

自分の手帳に、、、滑ちゃんと会う日時を書き込むと、、3つ目の、菓子パンをかじっていたのだった。



~ 琴葉の不倫の行方は・・?? 〜


緑川琴葉(みどりかわ ことは)は、今の不倫の彼氏・川元さんとは、とても、うまくいっていたのだった。

たまに、泊まりがけで旅行に行くのもスリリングだったし、彼の奥さんに、「勝っているなっ。。」と優越感をいつも感じていたのだ。


「やっぱり、若さよね、女性って。それに、私は面白い女だから彼氏も私にべったりね」と、嬉しい気持ちでいっぱいだったのだ。



ある日・・。

ある土曜日の昼下がり、琴葉はベレー帽をかぶり、、グリーンの男モノのポロシャツを身に付け、変装して電車に乗る。

今日は、いよいよ川本さんの自宅まで、行ってみるわ・・。どんな奥さんで子供もいるのかしら・・・?
どんな家で、、どんな風に過ごしているのか、、隠れてのぞき見をするつもりだったのである。
琴葉は、恋愛に奥手の結奈や美香先輩と違い、いわゆる「肉食系の女子」で、、今までも何人か、自分からゲットしてきたのだった。



彼氏の住んでいる街の、駅に到着して、、その辺の、おじさんに住所の場所を教えてもらう。


「わ、、着いた、着いたわ!川本って表札もあるからこの家なのね。。チャイムでも押してみようかな。。まずい、まずい」


さすがの琴葉も、チャイムを押す勇気は無くって、数分立ち止まっていた



ーー 10分くらいすると・・


家の中から、エプロンを付けた中年女性(40代?)が出てきたのである。

手には、お盆を持っているのではないか・・?「え?あの人が、川本さんの奥さんなの・・?わーー。めっちゃ、地味目の女性よね、、、勝った、、勝ったわ!」琴葉は、瞬間的に勝利を確信したのだった。



けれど、お盆の上には、手作りらしいお菓子のパイや紅茶のカップ、あとは、、(遠目で分からないが、、)、ボトルに、ジュースまでのっているのだ。



「あなた、、早く外に出てきて、アップルパイが冷めてしまうわよそれに、、手作りの、梅ジュースもあるわよ」

至近距離で覗いていた琴葉にも、中年の奥さんの話す声がしっかり聞こえてきたのである。



『えっーーーー?? 手作りアップルパイ、ですって、、?それに、梅のジュースまで作る女性なのね。。」

琴葉も料理好きであったが、せいぜい肉じゃが程度で、お菓子までは、あまり作らず、、たじろいでしまったのだ。な、なんと、その後に、、いつも琴葉と会っている、不倫相手の川本さんが出て来たのだった。


「ママ、、待ってて、俺、ママの手作りパイ、好きなんよね。切り分けてくれる・・?」

そう言っている、川本さんの姿は、、いつも琴葉が憧れている、年上のダンディーな川本さんでなくって、ただの、「妻に甘えている、中年おやじ」に見えてきたのである・・。


それから、奥さんと川本さんは(琴葉が、のぞき見しているのも知らないで、、、)自宅の庭で、アップルパイを食べたり、、嬉しそうに庭に咲いているバラを見て、おしゃべりを続けたのであった。



『ふうん、、あの庭のバラも、あのダサい奥さんが、園芸でもしているのかしら・・?? やんなっちゃうな。。』


いつもは、不倫のデートでは、琴葉のほうが川本さんに甘えて、レストランに連れていてもらったり、悩みを相談していた・・、けれど、川本さんは家では、園芸をしたりお菓子作りをするような、
家庭的な奥さんに、甘えてみたり楽しく暮らしていたのだった。



家の庭は、きれいに手入れされた花でいっぱいで、、家庭がハッピーなのが、伝わって来たのだ、



「かなわないな、、こんな幸せそうな家なのに?なんで不倫とかするの・・?私って、遊ばれていたのかしら?」と琴葉は落ち込んで、やめる気持ちになる。


帰りの電車で、琴葉は今日のことでぐったり、疲れていたのだった。今日のことは、まだ誰にも話さないでおこう・・。琴葉は、自宅に戻り、、そっと空の月を眺めていた。



川本さんが、ささやいていた言葉が思い出される。


「琴葉ちゃんって、かわいいね。いつか一緒に暮らそうね」


~ 3人の恋愛模様 〜



いよいよ、美香と滑ちゃんが再会する日がやってきた。口実は、、車のメンテナンスで滑ちゃんは本心は、まだ「美香に会ってみたかった」のである・・。滑ちゃんは、ユニークで誰にも好かれるぽっちゃり系の美月も
好きだったのだ。「この人と結婚したら、明るい家庭になるかな」など、たまに想像することもあった。


けれど、、なぜか頭の中には、居酒屋に居て自分を励ましてくれたり、くだらない話題で一緒に笑いあった、美香ちゃんの存在が離れなかったのである。



『美香ちゃんは、男性に頼るのも苦手らしいから危なっかしいよね。放っておいたら、孤独死とかしそうだものな』と、滑ちゃんは心配もしていたのだ。


待ち合わせの喫茶店にて・・。

「久しぶり、滑ちゃん、なんかカッコよくなったんじゃない??彼女のせいかしら?」美香は、そう言っておどけた表情で、滑ちゃんに声をかける。

「う、うん、そうでもないよ、まだ友達止まりなんだぜ」
なぜか、滑川は、美香ちゃんには彼女の存在を隠したかったのである。


滑ちゃんは、その時、、また美香に伝えたくなったのだ。

「オレは、、やっぱり、まだ美香ちゃんも好きなんだよ、俺のこと嫌いなの・・?」


「えっ・・・?この私を?だって、もう彼女が居るでしょ?私より、若くって面白そうな女性よね・・」
美香は天然系らしく、、おとぼけで応えた。

「ええ?どうして、美月さんのことを知ってるの?」

そこで、美香は、琴葉から結奈にSNSの画像が送られてきたこと、その場所に、自分もいて一緒に見てしまったことを告げたのだ。その後、美香はやはり昔の恋愛のトラウマがあり、恋愛すると、傷つくのが怖い。。ってことも、滑ちゃんに打ち開けたのだ。


滑ちゃんは、いつも自分の冗談で笑っている美香ちゃんが、そんな「昔の恋愛のトラウマ」をずっと、抱えていたとは・・・思ってもみなかったのである。
「でも、俺のことも、男として見てくれているんだろ?」と滑ちゃん。


美香は、思わず飲んでいたメロンソーダをこぼしそうになって、じっと滑ちゃんの顔を見つめたのだった。

「。。う、うん。もちろんよ、滑ちゃんが一緒にいてくれる楽しいし安心するのよ」



初めて、美香ちゃんから好意の言葉を聞いて、滑ちゃんは心の奥まで嬉しくなっていたのだった。

「すみません、、、カレーライス、お代わりね。」

そう、ウエイトレスに、大きな声で注文したのだ。




「なんだ、、、美香ちゃんと、俺って両想いだったんだね、ガハハ、、カレーライスでお祝いしたくなったよ」
さすがに、お笑い系の滑ちゃんだけあって、面白く切り返す。



美香「私も好きだったよ、でも、もう彼女がいるからあきらめちゃったのよ。

美香は、いつも居酒屋でくだけて言う感じで、滑ちゃんに笑いかけたのだった。
滑ちゃんも、こう言ったのだ。「オレは、ずっと美香がすきだよ。美香に、そばに居てほしんだよ」と、学生時代の、ペアのコーヒーカップを見せたのだった・・。



それは、美香との思い出の品で、、大学時代のサークルで一緒だった時に、みんなで行った旅行先で、、ふたりで買ったものだった。
「そうよね、、もし、40歳でお互いに独身だったら、一緒に暮らそうか、、って、ペアのコーヒーカップを買ったわよね」


「そうそう、まあ半分は冗談だったけどね。。」と滑ちゃんも笑う。

美香は、ふたりだけの思い出の品を、ずっと持っていてくれる滑ちゃんに、改めて胸が熱くなっていたのだ。もちろん、美香もマンションの宝物箱の中に、ペアのコーヒーカップのかたわれを、閉まってあったのだ。


ーー 2人は、盛り上がっていたが。その時、、滑ちゃんは、今付き合っている美月の存在をすっかり忘れていたのだーー


それから、およそ、1時間くらい後ー

美香と、滑ちゃんは両想いになったことが分かり、気恥ずかしかったが、大学時代のことなど話したりして、喫茶店でだべっていた。


「もう、そろそろ、行こうか、、また、後で、連絡するからね」と美香をきづかう滑川だった。



ーーーと、その時、



喫茶店の、自動ドアの向こうにある女性の人影が見えたのだ。

その女性は、、ふくよかでミニ丈のワンピースを身に付けて、太い足を、恥ずかし気も無しにさらしているのだ。

「あっ、、滑川さん、やっぱりここだったのね、2時間も、いろいろな喫茶店を探しましたよ」



そういって、喫茶店の中に、ズカズカと入ってきたのは、、あ、あの・・ 河村美月だったのであった・・・!



滑ちゃんは、今にも美香ちゃんの手を取って椅子を立とうとしている最中で、、美月の姿を見るや否や、ぶるぶる、、と少し震えてしまったのである。



「あ、ああ~あ、どうしてここに・・? 美月ちゃんが・・。」

美香ちゃんと、せっかく両想いになれたのに、、、自分の不覚さ、で。。


「そうだ、自分には、今は美月っていう彼女の存在があったんだな、、」と、滑ちゃんは、やっと自覚していた。

「あれ・・?このおばちゃんみたいな人、誰ですか?
 会社の人なのね、、、こんにちは、美月です。」

美月は、勝手に美香ちゃんを、「おばちゃん呼ばわり」して、あいさつを明るくするのであった。

いつもは、天然系で癒し系な美香は、他人に怒ったりすることはめったに無かったが、知らない人に「おばちゃん」と呼ばれて、、


「なんですって、、私? おばちゃん、、まったく、失礼な女性ね」と美月に向かって、言い放ったのだ。



いつもは、性格もよくておとなし目の美月だったが、、今は、大好きな彼氏・滑川の脇に、、仲良さそうに座っている美香が気にいらなかったのか、、こう言い返してきた。

「ねえ、滑川さん、この天然っぽい、おばちゃん、知り合いなの・・・?」



美香も、さらに「天然っぽい??」とからかわれて、、顔が真っ赤になり、、イライラしてきたのだった。



「えっつ??天然って、なんなの?初対面のあなたに言われたくないけど・・。」


それを、脇で見ていた滑川は、、ふたりの女性が、なんか、怪しいムードになり、、はらはらし始めた。
数分、その場に居た美月は、ふたりがただならぬ関係ではないことを悟ったらしい、



「えーー、テーブルの上にある、コーヒーカップって、何なの?まさか、ペアのカップの、かたわれなのね?滑川さん、どういうことなの??」


さすがに、自分の彼氏が40代の女性と、ペアのコーヒーカップらしきモノを置いて、一緒に居たら美月もおもしろくないのだ。



「ああ、違うんだよ、これは・・。」

すると、今度は美香が滑川にこう言ったのだ。
「滑ちゃん、、今日はもう帰るね、、この彼女と、一緒に居てあげたらどうかな・・」


さすがに40代の余裕があり、そう言って美香は、そそくさと喫茶店を出ていってしまったのだった。
残されたのは・・・困り顔の滑ちゃんと、、美月だった。



残された、美月は、、「すみません、、トマトジュースと野菜のサンドイッチ、あとはプリンアラモードね!」
と、さっきのことは忘れたのか、嬉しそうにオーダーなどしていた。

その横で、、、滑ちゃんは、美月にどう説明しようかな。と思索していたのだった・・。


~それから、2週間後のこと 〜

滑ちゃんの頬には、小さな絆創膏(ばんそうこう)が、貼ってあった。

結奈が、「滑ちゃん、、どうしたんですか?ネコにでもひっかかれたの・・?」と、聞くと・・



滑ちゃんは、「いやあ、まあ、いろいろ事情があってね」と苦笑いをする。

その理由は、、実は、あの喫茶店の事件の後に、考えた末に、、、滑ちゃんは、美月に本当の気持ちを伝えたらしい・。



「えーー!! あの女性と、付き合いたいから別れるって・・・?!」

「どういうことなの? この前、カップルになったばかりよね、」

美月は、思わず滑ちゃんを問い詰める。 それは、そうだよね。美月のことを気に入り、交際を始めたのは当の滑川なのだ。


「う、うん、ごめんね、美月ちゃんのことは、ほんとに好きで交際をしたんだよ。。でも、美香ちゃんは、ずっと友人で、、」


しどろもどろの滑川で、、美月もあきれてきたのだった。

‐‐と、その時、


「パシ~~~ン、、」



美月の、平手打ちが、、、な、なんと、滑ちゃんの右頬を襲ってきたのだった。

「わかったわ、、もう二度と私の前に現れないでね!」


美月はそういって、ばたばたと駆けて走っていった。それから、滑ちゃんと美月は、、会うこともなかったらしい・・。



ーーここは、会社のカフェであるーー

結奈は、小腹がすいてたのでフレンチトーストと黒豆茶を頼む。

一緒にいる美香先輩は、山菜ピラフとオレンジフロートで、ピラフを食べているのだ。スプーンから、ピラフを口に入れると、

「ええ、でも、あの娘も滑ちゃんを好きで、一時は両想いだったのね。。。悪いことを言ってしまったわ」


確かに、美月は緑川琴葉(みどりかわことは)から紹介されて付き合っただけで、、何も悪くないのだ・・。



結奈も、黒豆茶を飲みながら納得してうなづいた。。

「そうよね。。美月さんもかわいそうだわ」

「でも、、仕方が無かったのよ・・。」

滑ちゃんは、絆創膏(ばんそうこう)を気にしながら、目のまえにある、ホットドッグとコーヒーをたいらげている。

「ああ、結局、美香ちゃんが忘れられないのに、、美月ちゃんと付き合った俺が悪いんだよな」」



「その通り、その通りよ、」と、女性ふたりは茶化して笑ったのだった。



結奈は、甘いチフレントーストを食べながら、でも、この40代のふたりがとりあえず両想いになれて、、良かったなあと安心したのであった。


『あっ、、きっと琴葉は怒っているだろうなあ、なんとか、しなくっちゃあ。。』



そう言って、紅茶をウエイトレスさんに追加オーダーしたのだった。



~ 琴葉の ノート で 〜


 今日は、同僚の河村美月ちゃんから、突然メールが送られてきた。

『琴葉先輩へ、  

 先輩、あの滑川さんには、元カノがいて喫茶店でベタベタしてました(泣)

 滑川さんって、わりと男らしくてひょうきんだから好きだったのに・・。また、美月は、、振られてひとりになってしまいましたよ、、(>_<)今度、飲み会でもしておごってくださいね。。  

美月より』


こんな内容のメールだった・・。

 わたしは、滑ちゃんと美月ちゃんのカップルを応援していたのに・・。まったく、滑ちゃんたらまだ美香さんのことが忘れられなかったのね。

 きっと・・ 結奈も知っているはずだわ。まあ、いいか・・・。 まったく、恋愛初心者のやることって、
 何がなんだかわからないわ・。(ため息)


そう書いて、琴葉はノートを閉じたのだ。


きっと、明日あたり結奈から「ごめんね、、」の連絡が来るだろう。不倫の川本さんとも離れたし、、、次は、どんな人と恋愛しようかなあ。

琴葉は、就寝前にいつも飲んでいる、ダージリンテイーを飲むと、、、ベッドに横になったのだった・・

                  ( 完 )

ときめく恋はカフェオレの香り(番外編 ③)

ときめく恋はカフェオレの香り(番外編 ③)

  • 小説
  • 短編
  • ファンタジー
  • 青春
  • 恋愛
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2026-05-27

Copyrighted
著作権法内での利用のみを許可します。

Copyrighted