霊能探偵・芥川九郎のXファイル(28)【呪いの鎧武者編】
第1章 呪いの鎧武者
霊能探偵・芥川九郎は、事務所で友人の牧田と話していた。彼の事務所は中区にあるが、古びたビルの一室に過ぎない。
芥川「今日はさっそく、守山区へ遊びに行こうか。」
牧田「草野先生から依頼された、呪いの鎧武者の調査だね。」
妖怪博士・草野茂は日本における妖怪学の権威である。昨日、芥川の事務所を訪れた際に、守山区をさまよう呪いの鎧武者について霊能探偵・芥川に調査を依頼したのだ。
芥川「牧田君に車を出してもらって、念のために能年君も連れていこう。」
能年は鎧の妖怪である。芥川の助手として、彼の事務所に住み込みで働いている。能年(鎧)は芥川の言葉に、コクッと大きく1回頷いた。
牧田「芥川君。今回も油断できないよ。草野先生が言うには、普通の法術では除霊できないほどに、強力な悪霊である可能性が高いんだから。」
芥川「そのとおりだよ。悪霊なら法術で除霊してしまうべきなんだ。氷室氏は、除霊せずにわざわざ封印の秘法を使って鎧武者を封印したんだからね。」
昔、氷室という霊能力者がいて、封印の秘法で妖怪を黒い小瓶に封印していた。一部の物好きなマニアは、これを氷室コレクションと呼んで収集している。
芥川「まぁ、案ずるより産むが易しさ。とりあえず行ってみよう。」
第2章 龍泉寺
こうして芥川たちは、牧田が運転する車で守山区へ向かった。
牧田「守山区と言ったって、それなりに広いよ。どこへ行くんだい?」
芥川「そうだなぁ。とりあえず龍泉寺に行ってみよう。そんなに強力な悪霊なら、近くにいれば探知できると思う。」
牧田「龍泉寺だね。分かったよ。」
牧田は龍泉寺に向かって車を走らせた。中区から龍泉寺までは1時間もかからなかった。牧田は車を駐車場に停めた。
牧田「芥川君。ここでいいかい?」
芥川「うん。ありがとう。車を降りて、さっそく鎧武者を捜索しよう。」
芥川と能年(鎧)、牧田は徒歩で、龍泉寺の周辺を散策した。
芥川「なかなかいいところだね。」
牧田「緑が豊かなところだね。」
芥川「あの森の中が怪しいな。」
牧田「悪霊の気配がするのかい?」
芥川「うん。鎧武者がいるとしたら森の中だろうね。どうせなら名古屋城にでも行って、おもてなし武将隊とチャンバラでもやってくれればおもしろいと思うんだけど。」
牧田「またくだらない冗談を言って。何度も言うけど、油断していると大変なことになると思うよ。いくら能年君が強いと言ったって・・・」
芥川「ハハハッ。分かっているよ。」
第3章 森の中での戦闘
しばらく歩いているうちに、芥川の表情が真剣になった。
芥川「近くにいるね。想像以上にヤバいやつだよ。大丈夫かな。」
牧田「最初から分かっていたことじゃないか。芥川君。君はまさか、ノープランでここに来たのかい?」
芥川「ノープランじゃないけど・・・Aプラン、Bプランまで考えてある。」
牧田「芥川君。アレじゃないかい?」
牧田が指差した方向に鎧武者が鎮座していた。
牧田「芥川君。どうするんだい?」
芥川「とりあえず、法術で除霊してみよう。」
牧田「・・・大丈夫かな?」
芥川「兵は詭道なり。先手必勝、不意打ちの急襲だ。」
芥川は鎧武者の背中に向かって、渾身の法術を繰り出した。
芥川「悪霊!退散っ!!」
しかし、鎧武者は芥川の法術を強力な霊気で跳ね返してしまった。
芥川「まずいぞ、牧田君・・・とりあえず逃げよう!」
牧田「言わんこっちゃない・・・Bプランはどうしたんだい!?」
第4章 フォー・ハルサメ
芥川は能年(鎧)に向かって叫んだ。
芥川「能年君!鎧武者を食い止めてくれ!!僕がその間に封印の秘法で・・・」
しかし、鎧武者は能年(鎧)の攻撃を巧みに避けると、まっすぐ芥川に向かってきた。
芥川「なんで僕を狙って・・・」
その時である。突然現れた謎の軍人が、鎧武者の攻撃を跳ね返した。次の瞬間、彼女は鎧武者に向かい、腕に装着された謎の武器から霊丸を発射した。
ズッバァアーーーーンッ!!!
眩く光り輝く霊丸は鎧武者を貫通し、一瞬で除霊してしまった。
牧田「・・・すごい!」
芥川は彼女の顔を見て驚愕した。
芥川「フォー・ハルサメ・・・」
フォー・ハルサメは超能力を研究するハルサメ研究所の研究員である。先日、芥川と牧田は日本超能力協会(NCK)名古屋支部総会後の立食パーティーで彼女と出会ったのだ。
フォー「大丈夫ですか、芥川さん。」
彼女は優しく微笑んだ。芥川は感心してつぶやいた。
芥川「完成していたんですね・・・それがサイコアーマーですか。」
牧田と能年(鎧)は呆然と立ち尽くしていた。
霊能探偵・芥川九郎のXファイル(28)【呪いの鎧武者編】